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固定観念を変えたキャロットケーキスコーン

めちゃくちゃおいしいスコーンができました。

これはキャロットスコーンではなく、キャロットケーキのスコーン化。
「スコーン化」の使い方は「擬人化」と同じです。

「わたし好み」という固定観念

前回の記事でも話したように、スコーンは本当に千差万別。
日本では「外サクッ、中しっとり」のようなスコーンが好まれる傾向にあり、それをセールスポイントとして出しているところも多い。
そして味のバリエーションが豊富。

しかしアフタヌーンティーでよく見る定番の英国的なスコーンは、ほとんどがプレーンタイプ。

そして必ずジャムとクロテッドクリームがついている。
どちらもたっぷりつけて食べるのが正しい食べ方、とよく言われる。

確かに口の中の水分をすべてもっていくこのタイプのスコーンならば、それが正しいのだと思うし、そうやって食べるスコーンはとてもおいしい。

どちらが正解、ということはないのだと思う。
なぜなら結局、すべては好みだから。

そこでとりあえず、「私が好きなスコーンの定義」を考えてみることにした。

●外はガリガリ。固いクッキーやビスケットみたいな
●中はぎっしりみっちり
●ふわっとよりはもすもすぱさぱさ

上記のような好みのものを作るため、粉の配合、バターの量、卵の有無、焼成温度、時間、さまざまなものを変えて試してみている。

その中で気づいてしまったのは、この定義にもっともあてはまりそうなスコーンは「一度冷凍して自然解凍したもの」ということだった。

そ・・・れはちょっと・・・私以外にはご提供できないですね・・・。

しかしこの固定観念が、今回作ったキャロットケーキスコーンによって少し変わることとなった。


それぞれに適した食感

このスコーンが焼き上がったとき

「あ〜ちょっと生地がゆるくてまるまるした形になっちゃった。外側はもっと固いのがいいし、これは中もモチモチしてて、私の好きなタイプのスコーンではないかな・・・」

と思っていた。味はおいしいのになぁ、とも。

その後フロスティングを作り、まだ未完成のスコーンに化粧を施し、出来上がったキャロットケーキスコーン。

それはそれはおいしかった。

私が好きなガリガリモスモスしたスコーンではないけれど、このスコーンにはこのモチモチ具合が合っているのでは・・・?そもそも、モスモスモサモサなスコーンはクロテッドクリームやジャム、そして飲み物とチームを組んでようやく完成するものだし、であれば単体で食べるこの子はこれでいいのでは・・・?そもそもスコーンとは?「スコーンは千差万別」と言っておいて、なにを悩んでいるのか?この子にはこの子の個性とよさがあるんじゃないですか!?

もはやなにが正解かわからなくなってきたが、どの味のスコーンにも「外ガリガリ、中モサモス」を求めようとしていた私の固定観念が動き出したのは確か。

それくらいにこのキャロットケーキスコーンはおいしかった。

そして今夜も、はじめての味を仕込んでいる。

この子たちはどんなふうに成長するだろうか。

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