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be myselef? / 揺れる自分

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気が狂ったようにヒットしている『愛がなんだ』、カットされたポスターのシーンと、なぜ大ヒットしているのか、ヒントは「金麦」にあった。

アンダー35の女性8割の客席でシニアの男性客はいなかった。満席のシネクイントで、なんでこの映画が気が狂ったようにヒットしているのだろうかと思った。 『愛がなんだ』既に興収1億3千超えだという。映画を観るとポスターのシーンはない。成田凌にオンブしてもらうなんてなんと幸せ!撮影したけどカットしたと監督が語っている。二人がパーティーで出会った帰りヒールの足が折れてオンブしたシーンだという。 観客に頭の中には、幸せな二人の姿が刷り込まれている。どうみても両想いのカップルだ。しかし

『We Margiela マルジェラと私たち』アップリンクで上映

メディアに姿を見せないミステリアスな存在とともに、それまでのモードに反旗を翻す禁欲的なデザインで脚光を浴びながらも2009年に引退を発表したデザイナー、マルタン・マルジェラと彼のブランド“メゾン マルタン マルジェラ”をめぐるドキュメンタリー映画『We Margiela マルジェラと私たち』が4月5日(金)よりアップリンク吉祥寺にて、4月13日(土)よりアップリンク渋谷にて上映します。 webDICEの監督インタビューの記事の前文として映画の感想を書きました。 ファッショ

7年前の大晦日にレディ・ガガを聞きながら「多様性」について考えたこと

7年前の自分のwebDICEに書いていた日記を読み直し、前回「be yourself、自分らしくあれ、ってなんやねん」で書いたことと何も変わっていないことに気付きアップすることにしました。 ここから2012年元旦の日記です。 クリスマスにFMを聞いていたら、クリスマスソングにのせてこんな一言が聞こえて来た。 「家族とは社会の中で一番小さな単位ですからね」 今年は震災もあったので、年末年始は家族と過ごす人が多いのではみたいなことを言っていた。 まあ、これしきのことを同調

be yourself, 自分らしくあれ、ってなんやねん

「be yourself、自分らしくあれ」あるいは、ほぼ同義だと思われる「ありのままに」って同調圧力が強い社会の中で自己肯定の「呪文」として流行っている言葉だが、どうも自分にはなじまないので、どうしてなじまないのかをちょっと考えてみました。 自分らしくあれ → らしくってなんやねん → 自分であれということか、ならば → 自分ってなんやねん → 自分ってそんなに確固たる存在、概念なのか → 去年と今年、昨日と今日、朝と夜の自分は違う → 時間以外に相手によって変

ヨーゼフ・ボイスの挑発に、今、どう呼応するのか

アップリンク配給、3月2日公開の『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』の映画公開に合わせてパンフレットに書いたテキストです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 芸術を拡張せよと訴え、社会の中での「対話」そのものが芸術だとしたヨーゼフ・ボイスの作品(対話)は、言葉の問題もあったのか、1984年の来日当時はなかなか理解されなかったという。アンドレス・ファイエル監督は、本作『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』をほぼボイスの言葉で編集し、映画作品を通じて現在