『GOODBYE WORLD』レビュー
『GOODBYE WORLD』は、2017~2021年頃の日本を舞台とした、あるインディーゲーム開発者を主軸とする2Dナラティブアドベンチャーゲームだ。
主人公は "ISOLATION STUDIO" というスタジオ名で活動する、プログラマーの蟹井とグラフィッカーの熊手の、女性2人組クリエイター。
専門学校時代の出会いから、社会に出てゲーム開発者として歩みだした現在。その間を回想を交えたストーリーが描かれていく。
ゲームシステム
主人公は2人だが、主に蟹井の視点で物語は語られる。
全13エピソードで構成されていて、1エピソードは5~10分ほど。プレイヤーはストーリーには一切干渉できずに鑑賞していくだけとなるが、ただしゲーム内ゲームとして登場するレトロゲーム『BLOCKS』は実際にプレイしていくことになる。
ゲーム内ゲームは任意でプレイするものではなく、エピソード毎に差し込まれる、ある種の演出としての役割を持っているため強制プレイだ。1ステージをクリアするだけで良いが、レトロなパズルプラットフォーマーで操作は単純ながら意外と難しい。
わざと残機を減らしてゲームオーバーになってもストーリーは問題なく進むが、そうするかはプレイヤー次第だ。
気になるポイント
ゲーム内オプションとして、コントローラの振動機能のON/OFFができないことはやや気になった。しかしこれは筆者が振動機能が苦手というだけなので、大多数のプレイヤーにとっては影響はないだろう。
総評
ゲームというものはプレイヤーの自由裁量が認められているものと、ストーリー主導で自由度が低いものがある。本作は後者だ。そもそもナラティブゲームとはそういうものだが、本作は特にその傾向が強い。選択肢すらなく、振り切っていると言ってもいい。
そうした意味でこれは一種のドラマ的なビジュアルゲームと捉えてしまってもいいのだろう。
OLDUCT (@olduct) の手掛ける楽曲や、"エンドロールのクレジット表記" まで含めてひとつの作品なので、細部まで目をこらして、文字通り最後まで見てほしい。
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