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知られざる“ウイスキー樽熟成コーヒー”

みなさん「熟成」と聞くとどのようなイメージを思い浮かべますか?
ゆっくり時間をかけることで生まれる深みなどを想像される方もいらっしゃると思います。

当社では先日からユニークな「熟成」を行った商品の販売を始めました。その名も「WHISKY BARREL AGED DEVIL’s GIFT」です。この商品はウイスキー樽で熟成したコーヒー豆で、通常とは異なる風味が特長です! 今回は9月2日からテスト販売が開始された本商品についてピックアップし、企画を担当した社員のインタビューをお届けします。

本商品の詳細はこちらから↓
https://www.asahiinryo.co.jp/company/newsrelease/2024/pick_0731.html

【プロフィール】

(左)福田 紗弥香(ふくだ さやか)
アサヒ飲料株式会社 未来価値探索プロジェクト所属。
未来を想定した新たなビジネスモデル構築に向けた取り組み推進を担当。
趣味は最近飼い始めたフトアゴヒゲトカゲと一緒にひなたぼっこすること。
(右)吉川 徹(よしかわ とおる)
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング三部 乳性グループ所属。
カルピス®などの商品のデザイン開発、販売戦略を中心に担当。
社内副業制度(※)にて「WHISKY BARREL AGED DEVIL’s GIFT」の取り組みにも関わる。
趣味は酒器集めと晩酌。

※社内副業制度…リモートワークを活用し、希望する他部署の仕事ができる制度。例えば、今後のキャリアを広げるために、地方勤務のメンバーが本社の戦略業務を経験するケースも多くあります。


アサヒグループの知見を生かし、コーヒー×ウイスキーで実現する新価値


――「WHISKY BARREL AGED DEVIL’s GIFT」の取り組みについて教えてください。

福田 当社の強みである長年にわたる発酵や熟成の“変化”“プロセス”の知見・技術を生かし、ウイスキー樽で一定期間熟成することで引き出された新たな味わいのコーヒー豆の製造・販売を開始しました。

コーヒー豆をウイスキー樽で熟成させています。
貯蔵庫にもウイスキー由来の香りが充満していました!
※本製品にはアルコール成分は含まれません。

――ウイスキー樽で熟成することでどのような風味になるのでしょうか。

福田 ウイスキーはその熟成過程において樽自体にもウイスキーが染みこみ、取り出せなくなる量が一定量存在します。この部分は「悪魔の取り分」と呼ばれています。「悪魔の取り分」のおかげで、ウイスキーを取り出し終わった樽にも豊かな香りが残されています。この樽にコーヒー生豆を入れてじっくり熟成させることで豆に香りが移り、さらに焙煎することで驚くほど豊かな香りが楽しめるコーヒー豆に仕上がります。商品名「DEVIL's GIFT(デビルズ・ギフト)」は「悪魔からのおすそ分け」をイメージして付けました。

ネーミングにもこだわりました!

――そのような風味が楽しめる商品ですが、どのような想いで取り組みを始めたのですか。

吉川 成熟した日本の飲料市場では、既存ビジネスでの維持・拡大を図るだけではなく、新たなビジネスの芽を育む取り組みが必要だと考え、本プロジェクトを2021年に立ち上げました。コロナ禍を経て在宅時間が長時間化し、夜の時間を満喫したいという意向が広がる中で、余暇時間を彩る商品をお届けしたいと考えました。議論を重ねる中で「コーヒー豆」×「ウイスキー樽」の組み合わせに辿り着きました。

熟成期間が異なる2種類を用意。好みに合わせて楽しんでいただけます。

――どういった方に楽しんでいただきたいですか。

福田 多くの方に楽しんでいただきたいですが、特に自分時間の心地よさを大切にしている方(特に30〜50代男性)を想定するお客様と考えています。ソロキャンプをして焚き火の炎を見ながらゆったりとした時間を過ごしているシーンを想像しながら商品開発を行いました。

自分時間を楽しんでいただく際にとてもおすすめです!

部署の垣根を越えて 


――どのような体制でプロジェクトを行っているのですか。

福田 当社のさまざまな部署の人員で形成されたチームで、グループリソース、外部パートナー含めた体制で動いています。部署や会社の垣根を越えて、「時間をかけなければ体験できない味わいや喜び」を提供するために挑戦し続けています。

――吉川さんは社内副業制度を活用し、所属部署の業務に加えて、本プロジェクトに参加されていますよね。このプロジェクトに参加してみていかがですか。

吉川 私が初めてこのプロジェクトに携わったのは2021年で、その当時はどのような事業を展開するかを考えるところからスタートしました。さまざまな検討を行った結果として、所属する部署の業務と同様に「商品をつくってお客様に届ける」という事業を行うことになりました。商品そのものや商品開発のプロセス、さらには販売方法が大きく異なるため、大変なことはありますが日々ワクワクしながら参加させていただいています。社内副業という立場を生かして、既存事業での知見を新規事業へ、また新規事業で得た知見を既存事業へという循環を生み出せるようになるのが今後の目標です。

社内副業メンバーを含めた4人でプロジェクトを進行。
それぞれの業務経験を生かして企画をブラッシュアップしてきました!

――いろいろな部署のメンバーがいることで良かったと感じることはありますか。

吉川 多様なメンバーがそろっていることで、それぞれの強みが生きる領域で力を合わせて、まさに“手づくり”するように一つの事業を全員でつくれているところが良かったと思っています。

生活者の多様なニーズに対応しワクワクと笑顔をお届けする


――製造したコーヒー豆の販売に向けて、具体的に行っている施策を教えてください。

福田 2023年にはMakuakeで、2024年にはCAMPFIREでクラウドファンディングを実施しました。想定するお客様のイメージ確認、適切な容量や価格の把握、商品の製造から配送のスキーム確認を行いました。そのほか、想定するお客様に合わせたキャンプイベントへの出品や展示会への出展、ECサイトの立ち上げも行い、いつでも購入できる環境を整備しています。
ECサイト:https://devils-gift.com/shop/default.aspx

2024年はTOKYO OUTDOOR SHOWにも出展し、アウトドアに親しみがある方々にもPRしました!

――今後の展開について教えてください。

吉川 自宅で自分好みの風味に仕上げられるようなキットの販売や、農家を応援できる体験プログラムなど、お客様の体験価値を上げる事業案を複数検討しています。まずは9月にオープンした自社ECサイトでの販売を通し、「WHISKY BARREL AGED DEVIL’s GIFT」が一人でも多くの方の余暇時間に寄り添える存在になるよう育てていきたいと思います。今回は「夜の余暇時間の充実」を主なテーマとして商品を開発しましたが、「余暇時間」を「心地よい自分時間」と定義すると、例えば「気持ち良い一日の始まり」「せわしない日常からの解放」などそのシーンはさまざまに広がると考えられますので、新商品の開発にもチャレンジしていきたいと考えています。

今後に向けて想いを語る福田と吉川

――この事業を通じて100年先の未来がどうなってほしいか教えてください。

福田 100年後には、誰もが「自分の好みに合ったものを手軽に買える世界」が実現すると考えています。「WHISKY BARREL AGED DEVIL’s GIFT」は使用する樽やコーヒー豆の組み合わせ、熟成期間、焙煎度を変えることによって、多様な風味をつくり出せる商品です。展示会でも「普段はウイスキーをあまり飲まないけど、ウイスキーの風味をアクセントとしてほしい」という方や、「がっつりウイスキーを感じてキャンプの時に夜空を見ながら飲みたい」という方まで、風味の好みはさまざまでした。どんどん広がっていく多様なニーズにしっかりと応えられる商品を提供し、自分好みの一杯に出合える体験で喜んでもらえたらうれしいです。

吉川 100年後にはどんどんテクノロジーが発達し、今では想像もつかない世の中にはなっているだろうと思いますが、「心地よい自分時間」を過ごしたいという欲求そのものはこの先も普遍なのかなと考えています。この事業を通じて、「良い一日だったな」と思える人、思える瞬間を少しずつ広めていきたいと思います。

――ありがとうございました!

生活者のさまざまなニーズに注目し、新しい価値をお届けしたいと考える中でできあがった本商品。テスト販売は今月始まったばかりですので、ぜひチェックしていただけると幸いです!

YouTubeでも動画を公開しています。こちらもぜひご覧ください!
(YouTubeは9月20日10時公開予定です)
URL:https://youtu.be/_btanNwbFWE