私を必要としてほしかった幼少期

正直、小さい頃の記憶が全くない。

それでも、断片的な思い出が所々あるので、その話をしていく。

当時住んでいたアパートの近くに幼稚園があるのだが、その幼稚園に通う以前の記憶が1つだけ鮮明にある。父と母が私の腕を取り、仲睦まじく歩いている。

「あさひはこの幼稚園に通うんだよ」と会話をしながら

夕焼けの中、金魚の形をした滑り台を私はじっと眺めていた。

でもこの記憶は、何故か第三者からの目線なんだ。

”記憶”なら普通は自分の目線のはずなのに。

一般的に言う”幸せな親子”が脳裏にこびりついているので、きっとこれは夢で見た景色なのか、ただの妄想なのか…

恐らく後者。


幼稚園に入ってからの私はとにかく目立ちたがり屋で、

みんなの目線の中心にいたいような

そんな活発な性格だったらしい。

今となっては考えられない。


友達とおジャ魔女どれみごっこをするなら

絶対におんぷちゃんの役をやっていた。

周りより大人びていて、精神年齢の高い女の子。

こんな女の子になりたかった。

みんなから頼られて、みんなから愛されて、みんなから必要とされて…


当時の目立ちたがりな私は、きっと目立つことで周りに自分の存在を認知してもらい

承認欲求を満たしたかったのかもしれない。

子どもとしては当たり前の事かもしれないけれど、

私は人一倍承認欲求が強かったのかもしれない。