【エッセイ】爆発だ
今日も髪との闘いである。
今日だけではなく、生まれてこのかた、私の人生は髪との闘いなのである。
つやのない黒髪がはねてうねって広がる。
つまり爆発している。
イライラしても絶望してもなんの意味もないのはわかっているのに、それを止めることができない。
姉が「定期的に髪を切らないとまとまらなくなる」などと言うが、こちらはこれまで髪がまとまったためしなどないので、それを聞くとまたイライラする。
すごく短く切っていた頃は多少ましだった気がするが、ちょっと伸ばすと途端に野放図の雑草状態になる。
もう少し伸びれば落ち着くと言い聞かせてしばらく経つが、いっこうに落ち着く素振りはない。
でも、私はもうちょい伸ばしたいのだ。憎いくせ毛にも、生存権を与えてやりたいのだ。
芸術は爆発だと言ったひとがいた。
もし爆発は芸術だと言いかえることができるのなら、私の髪は芸術と呼べるのだろうか。
「芸術」は「よくわからない」のが常である。私の髪にも、その「よくわからない」魅力を見出だしてくれるひとがいればいいのに。
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