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【しいたけ.相談室】息子が好きすぎて困ります/いて座・56歳女性からの相談

「しいたけ占い」で人気の占い師しいたけ.さんが、老若男女のお悩み相談、人生相談に、すっと心が軽くなるアドバイスをお届けするAERAの人気連載が、書籍『みんなのしいたけ.相談室』になりました!
 本に収録された、職場の人間関係から将来への不安、転職、家族や恋愛……などなど、さまざまなお悩みの中から選りすぐりのものをお届けする本連載。第2回は「息子に彼女ができたら絶対に歓迎できない」というお悩みをお届けします。

【今回の相談】

息子が大学に入学しました。手塩にかけて育てた息子と一緒に暮らせるのもあと4年。この寂しさを人に言っても、「何言ってんの」「息子ラブ」と言われ、理解してもらえません。もし彼女なんかできたら絶対に歓迎できない自信があります。その時は私の目の届かないところに行ってもらいます。(女性/フリーランス/56歳/いて座)

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【しいたけ.さんの答え】

■支配ではないお母さんの愛情。
息子さんはもう気づいているはず

 はじめに、いて座の話をします。いて座は「価値がわからない人」が嫌いなんです。このお悩みも、息子さんの彼女を、まだいないにもかかわらず、すでに敵視していますね。自分が手塩にかけて育て上げた、うちの息子の価値が、変な女にわかるわけがない。そういう気持ちなのではないでしょうか。

 でもね、この方、すごく素敵なお母さんだと思います。

「自分は息子ラブ」ってギャグにしながら、彼女を仮想敵にして息子からちょっとだけ手を引こうとしている覚悟がある。私を張り倒してでも自分のやりたいことをやってほしい、っていう、すごく強い愛を感じます。

 こういう溺愛のいいところってたくさんあります。何かを成し遂げる人って、勘違いの偏愛を受けた人が多いと思うんです。例えばノーベル賞を取るような学者さんでも、研究のきっかけは小学校の先生から言われた「お前が数学やったらすごいことになる」という一言だったりする。初めはちょっと大げさに言ったことかもしれないけど、本人にとってはその言葉が宝物になる。そういうものをあなたもたくさん息子さんに与えてきたと思うんです。

 仮に、まだ全然息子さんから離れるつもりがなかったとしたら、「息子が大学に入ったんですけど、今後いい就職先を見つけられるか不安です」っていう悩みになります。

 これは「支配」であり、依存関係になってしまっている場合です。溺愛が悪い方向にいってしまったのが、いわゆる「毒親」です。自分の夢を子どもに託している人たちです。その原点のどこかに憎しみがあって、自分がこういう目にあったのは親のせいだ、子どもにはそうなってほしくない、と思っている。

 毒親には自分の理想像があって、例えばテストの点数が良かった話は喜んで聞きますが、友達とサッカーやって服が汚れちゃったっていう、自分が不快になる話は無視する。これが子どもにとっては無言の圧力になります。子どもが自分の趣味で買ってきた服にもケチをつけますよね。「なにそれ全然似合ってない」って。これが支配です。

 息子さんが一人暮らしを始めたり、友達と一緒にいる時間が増えたりして、顔つきからあどけなさがだんだん失われていく。寂しさもあると思いますが、支配ではないお母さんの愛情に、息子さんはもう気づいていると思います。

 息子さんが連れてくる彼女、あなたといい友達になれる人だと思いますよ。へー、やるじゃないの、って。