振り子を振りつづけながら。

「可愛げがない」

ある日友達に言われた。
いつも一緒にいる友達だから、
そりゃそうだよねと思うものの

少し胸がチクリとした。

私はいつから
可愛くなくなってしまったんだろう。

浮かんできたのは
「弱い自分を変えたい」って
思ったときの
私の、少しまちがっていたかもしれない努力。

強くなれるように
1人でも生きていけるように
頼られる自分になるように
女子になるべくいじめられないように
目をつけられないように

私は変わりたいって思っていた
あの大学2年生の夏の日を思い出す。

カナダに留学していたとき
カナダの学校の日本と違うルールや風土に戸惑って泣いて
授業についていけない自分が悲しくて「クラス変えて」って泣いて
そしていつもホストファミリーの元へ帰って、泣いていた(笑)

今では想像もできないくらい
1人で立っていられない私だった。

いつも誰かに頼って生きている自分
誰かがいないと何もできない自分

そんな自分が嫌いで
変わりたいと思った。

カナダの人みたいに
自立した上で人を愛せる人でありたいと。

なるべく人に頼らないように
なるべく弱音を吐かないように
なるべくダメな自分を見せないように

強くあろうと努力した。

今思うと、
人を頼ることも、弱音を吐くことも、ダメな自分を見せることも
弱さじゃないのに

強くあるための努力を
私はきっとまちがえた。

そうしたら私は

自分の軸で生きられるようにはなったけど

今の私のことを好きじゃなくなった。

人はいつまで経ってもないものねだりで
今日も今の自分に嫌気がさす。

強いってなんだろう。
弱いってなんだろう。
可愛げって、なに?

答えの出ないその問いに
私は今日、また悩んでいる。

寝たらきっと忘れるけど
忘れちゃいけない気もするの。

いつか好きな自分になれるのかな。

そうやってまちがった努力を繰り返し

強いと弱い
可愛いと可愛くないの
振り子を振りつづけながら

きっといつか
自分の好きな自分
になれる日を夢に見る。


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