【オキグリさんイベントの思い出】インタビューについて改めて考えさせられた話【Eテレ視聴感想】


3月初旬、OKINAWA GRIT(オキグリ)さんのイベントに参加させていただいた際、インタビューについての有意義な話もいくつか聞けた。

私自身、直接インタビューする機会はないが、仕事上、お客様へのアンケートやヒアリングのたたき台を作成することはある。
そのため、インタビューの話についても興味深く、実践的なテクニックにまで踏み込んだ話題も印象的だった。


オキグリイベントとインタビュー

例えば、インタビューはまず雑談から始める!というテクニック
対象の興味がありそうなところを投げてみて、相手の乗らせるのが目的だ。
確かに、もし自分が踏み込んだ質問をされたとして、好感度の高い相手となんか肌が合わねえな…と感じている相手とでは答えの範囲や深さ、リアクションが違ってくる。
決して差別しているわけではない。しかし、同じ質問でも初対面の相手と親しみを感じる相手とでは結果が異なるのは当然だ。
他にもまだまだ面白い話があったのだが、それは参加者だけのお楽しみということでないしょ!


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司会進行をなさっていたのが、インタビュアー・ライターのみやねえさんということもあり、時には、他のライターさんがお話されている内容をより深堀りするような質問をするシーンも。
プロのインタビュアーがどうインタビューするのか、どこを深堀りするのか、どの切り口から切り込むのか…を生で見せていただく貴重な機会だった。


BDレコーダーがもたらした偶然

ところで、なぜ一か月近く経ってから、オキグリさんのイベントについて書く気になったかというと、自宅のBDレコーダーがちょっとしたきっかけを作ってくれたからだ。

ちなみに我が家の愛機はFUNAI製のAI搭載型なのだが、思ったよりもAIが優秀で満足。
世界ふしぎ発見!と伊集院光氏の出演番組に関しては、2か月を待たずにおまかせ自動録画してくれるようになった。

BDのAIは時にうれしい偶然をもたらしてくれる。

常日頃ということではないものの、今の私が必要とする情報のヒントとなる番組、興味を持つ番組が “偶然” 録画されていた時の喜びはひとしおである。

SNSを始めてからというものの、私の身の回りには趣味嗜好に沿うような情報ばかり集まるようになってきた。
しかし、進化が時に遺伝子のコピーエラーを求めるように、偏った知識ばかりに囲まれる危険性はとても怖いものである。
ただし、その偶然性を引き起こしているのがAIというところが、見透かされているようで多少の悔しさとそちらの恐怖もないではないが…


さすが俺たちのEテレ

今回もまさにそれで、ちょうど目に留まったのが「アクティブ10 プロのプロセス インタビューのしかた」だった。



ご存じない方のために説明しておくと、「アクティブ10(Eテレ)」とは中学・高校生向け理・社の内容を扱う教育番組である。
そのシリーズの一環として、社会で活躍する方から様々なノウハウを紹介してもらう「プロのプロセス」が面白い。

まず、Eテレでこのテーマを取り上げることにびっくり。
設定も高校生が地元の商店街会長にインタビューに行く…というものなので、ターゲット層が具体的に想像できるシチュエーション、日常的に目にしているような光景が登場する。
オキグリさんのイベントで登場した話題もいくつかあり、改めてインタビューについて考え直すきっかけとなった。


オタクが窮地を救うカギ

まず、一番のNG行為は、調べればすぐわかることを聞いてしまうこと。
特に今はスマートフォンさえ手元にあれば、思い立ったその場で情報を得ることもたやすい。
つまり、わざわざ直接インタビューしに行くということは、世間一般にはまだ公表されていない情報、本やインターネット上からは得られない情報を引き出すことが求められる。


オキグリさんのイベントでも、インタビュー前にその道のオタクにツテがあるのであれば、情報を求めた方がいいという話もあったと記憶している。
インタビュアーはどんなに詳しくないジャンルでも、プロとして初心者レベルの質問はできない。
(明確な意図があればテクニック的に行うこともあるかもしれないが)
プロに教えを乞うためにセミプロレベルの知識を身につけるなら、アマチュアの中でもセミプロレベルの知識を持ったオタクからの情報は大事だ。


ロジックツリー

それでは、「どこにもない情報」を引き出すために、どのような質問をぶつければいいのか?


より具体的な質問を考えるために番組中で提案されていたのが、ロジックツリーだ。
ロジックツリーとは、複雑化した問題を整理する際に用いられる定番の思考方法の一つ。
幹が共通の大きなテーマ、枝がいくつかのカテゴリーとして分類できる小テーマ、葉が細分化された補足的な情報とする。

一つの一貫したテーマを基にインタビューを行うが、そこにたどり着くためにはいくつかの質問によってテーマを深堀していくことが必要だ。
しかし、インタビューの対象も暇ではない。
与えられた限られた時間を有効に使うために、質問を精査し、重要度別に整理する準備が求められる。
そこで登場するのがロジックツリーなのである。

また、最も強いメッセージとして発信されていたのが、「インタビュー=会話」だということ。

・相手の顔をしっかり見る
・そのために質問は覚えておく
・相手と会話のキャッチボールを途絶えさせないために、答えのメモはポイントのみに絞る
・相槌や疑問点の質問などリアクションをしっかりとる など…

相手と会話をすることで、相手から引き出せる情報がより広く深くなっていく、というのが番組の結論だった。


インタビューが相手の真意や無意識を引き出すコミュニケーションだとすると、私たちの日常は大なり小なりインタビューに満ちている。
クライアントの要望をくみ取る時、上司が言わんとすることを引き出そうとする時…
特にまだ言葉が十分にしゃべれない乳幼児へのインタビューに対しては、ライター最大の武器である「言葉」が使えないし、通じない。

本来のターゲット層である中高生が、実際にどのくらいの人数この番組を見ているのかはわからない。
しかし、学生の内からインタビュー(コミュニケーション)のテクニック、ロジックツリーという思考方法を知る機会がある中高生が正直言って妬ましい。

とりあえず、「アクティブ10」は、BDレコーダーにフリーワード登録しておくことにする。



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