年の瀬の東京4days①
わたくし東北の海辺(どいなか)に住んでいるのですが、10年ぶりくらいに東京でひとり時間を堪能してきました。予定もなく自由気ままに東京に滞在することはきっともうないので、飢えている芸術にたくさん触れてきた!!
1日目(2022/12/25)
ひさしぶりの新幹線!はやぶさ!
旅のお供に選んだのは近藤史恵さんの『スーツケースの半分は』。
お年頃の女性たちの旅が描かれる。
かたわらにはいつも青いスーツケース。
あたたかい気持ちになれて、旅にぴったりの本でした。
懐かしの友だちと合流してヤエチカのびっくりするほど美味しい坦々麺を食べて、教文館やmujibooksでお買い物をして、恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館へ。星野道夫さんの写真展を見に行きました。
星野道夫さんが見たそのままの感動がまっすぐに伝わってくる写真と言葉たち…。
SNSでたくさんの写真に触れるようになって改めて思うのは、
星野さんが覚悟を決めて腰を据えからこそ出会えた、星野さん自身が美しいと感じる「今・ここ」がどれほど尊いものか。
20年ぶりに発見されたカメラや写真も展示されていて、今でも星野さんは直子さんと二人三脚の歩みを続けておられるのだなと思った。
2日目(2022/12/26)
八重洲ブックセンター!来たー!
近所の本屋さんの児童書の品揃えが悪くて、数時間電車に揺られて母がよく連れてきてくれた思い出の本屋さん。
Twitterで仲良くなった友だちと一緒に行きました。
Twitter友だちと別れたあとは三菱一号美術館へ。
版画家のヴァロットン展に行きました。
100年前のフランスの街の空気を感じられる作品が多く、ヴァロットンが住み、歩き、人に会い、観察し、着想を得て生み出された、その過程が想像されて興味深かった。
芸術作品でありながらデザイン的な要素も強く、ふたりの男女を描いた連作など想像力をかきたてる余白のあるものも多かった。
3日目(2022/12/27)
日本画を見てみたくて山種美術館へ。
「日本の風景を描く」という特別展が開かれてました。
日本画の流れが分かる展示で表現の変化が分かりやすく面白かった!
中でも驚いたのは菱田春草『釣帰』。
たくさんの展示の中でここだけ異次元の空間が広がってて、吸い込まれて戻ってこれなくなってしまいそうだった。
それから横山大観の突き抜けた明るさと色遣い…!!
シリアス系な展示の中にギャグ系入ってますけど!?ってくらいの異色さで思わず笑ってしまった。
日本画がこんなにすてきなものって知ることが出来て良かったなあ。
その後は映画『犬王』を見にCINEMA Chupki TABATAへ。
『犬王』が見れる映画館がここだけという理由で行ったんだけど、ここはなんと日本初のユニバーサルシアター!
客席20人程度の小規模映画館ながらスクリーンや音響は大満足でした。
原作小説である古川日出男『平家物語 犬王の巻』を読んでものすごく面白かったのでどうしても映画館で見たくて。
5月に上映開始した映画が12月末時点でまだ上映してるってすごい!
実際、期待をぶっちぎってくるものすごいパワーにあふれた作品で「見た」というより「浴びた」という感覚。
もう胸がいっぱいになってしまったよ…。
犬王と友有が、自分は今ここにいる、と声高らかに宣言するように歌い踊る、ただそれだけなのに、社会に、時代に、呑み込まれてしまう。
でもそれでふたりの存在が完全に消えてなくなるわけではない、わたしたちが祈り続ければ、語り続ければ。
面白かったけど一度では理解出来ない部分も多くて、後日アニメーションガイドを購入して思い出しながら楽しく眺めてます。
②に続く。
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