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【展覧会】GUCCI COSMOS @京都市京セラ美術館

京セラ美術館で開催中のグッチの展覧会に行ってきましたので感想を綴りたいと思います。

グッチが日本で初めて正式に紹介されてから60周年の節目である今年、ブランドの100年以上にわたる歴史と現代への系譜を紐解く展覧会「GUCCI COSMOS」を京都市京セラ美術館で開催いたします。
本展は1921年にグッチが誕生した地、イタリア フィレンツェの姉妹都市である京都市と日本をオマージュし、アーカイブ作品を通じてブランドの革新の歴史とクリエイティビティの伝統を表現するものです。

展覧会サイト 開催概要より

GUCCI COSMOSはロンドンや上海でも開催されたグッチの展覧会で日本ではここ京都でのみの開催となるそうです。
日本開催を東京ではなく京都にしたというのは、概要にあったようにフィレンツェとの所縁の場所であり、グッチを代表するバンブーハンドルのバッグのバンブー×竹と結びつきの深い京都という組み合わせがコンセプトに合っていたのだろうと想像します。

京セラ美術館もとても素敵なところで、日本で現存する公立美術館の中でも最も古い建築だそうです。1933年に創建され戦争をまたいで90年以上の歴史があります。本館のレンガ造りの美しい外装、そして中に入ると大理石の通路があったり、私は建築は全く詳しくないですがそれでも歴史を感じる建物にうっとりしてしまいます。
美術館ではこの建築をめぐる建物ツアーなども開催されるようですので、ご興味ある方は行かれては如何でしょうか。

今回の展覧会は新設された「東山キューブ」という別館での開催ですが、丁度出口のところに中庭「光の広間」が解放されていて、天窓から光が注ぎとても良かったです。以前は入ることが出来なかったようですよ。

さて、本題のGUCCI COSMOSですが、インスタレーションとアーカイブ作品を融合させたいくつかの部屋に分かれていて、どれもとても素晴らしい空間になっていました。なんとも見せ方が上手で、時間を忘れさせてくれる感じでテーマパークのアトラクションみたいでした!

私が好きだったのは上記動画の11秒あたりから出てくる「TIME MAZE(時の迷宮)」というテーマの部屋。同心円上にアーカイブ作品が展示され引き出しは自由に動かすことができじっくり作品を見ることができました。
ヴィンテージなスカーフは必見!レトロな配色と可愛らしいお花の絵柄がわくわくしました。
どれも間近で見ることが出来たので、使われている素材などもとても興味深かったです。

また「ZOETROPE(乗馬の世界)」ではゾートロープに見立てた丸い部屋の壁に走る馬の映像が流れその間にグッチの洋服が展示されていました。動画の20秒あたりです。これもとても素敵な演出だなと思いました。

「ECHOES(クリエイティビティの系譜)」では沢山のグッチコレクションが展示されミラー張りの部屋なので背面までしっかり見ることができました。スーツからドレスまで本当にラインが美しい。ドレーブやスパンコールの使い方も素敵でこの質感やきらきら感は実際見てみないと分からないものですね。

ドラゴンを抱くベロアのドレスが気になり過ぎました

「BAMBOO(バンブーの世界)」ではグッチ バンブー1947をフューチャーしてバンブーハンドルのハンドバッグが竹の映像空間の中に展示されていました。動画の33秒あたりからです。
バンブーハンドルはグッチオ・グッチの三男バスコ・グッチが愛用していたステッキからヒントを得たと言われているそうです。当時のステッキはグリップ部分に軽量かつ耐久性のある竹をカーブさせたものが使われていました。現在でもステッキや傘の柄に竹は使われていますよね、未だに高級品のイメージです。
竹と言えば香港に行くと、工事現場の足場に使われているのを思い出します。いかにしなやかで耐久性があるかが分かります。
京都ではよく町屋でみかける犬矢来(いぬやらい)等、建築のエクステリアに竹が使われていることも多いですし、茶道具や工芸品など古くから竹と共に暮らしてきた歴史がありますので老舗の竹専門店さんが沢山あります。

フィレンツェが京都の姉妹都市だったのを忘れていましたが、職人が多いという事も共通していますよね。
このバンブーの空間の先にVR体験が出来るコーナーがあったのですが、360度フィレンツェの町並みを見ることが出来ました。
あの街並み。すごく懐かしいです。
ヨーロッパの中では多分イタリアに一番沢山行っていると思う。
お金がなかった若いころは旅行でヴェネツィアからナポリまで電車を乗り継いで南下しました。その途中でわずかな時間でしたがフィレンツェにも立ち寄ったんですよね。
それからしばらく経って仕事ではミラノに滞在することが多かったですが、イタリアの都市はどこもあまり舗装されている道路がないので本当に歩くのに苦労しました。
今は足がだいぶ悪くなってしまったのでもう昔みたいにイタリアの街を散策するなんて出来なくなってしまいました。
イタリアに行くなら体が自由なうちに是非行ってくださいね。どこも不便なので(笑)ヴェネツィアなんて車不可ですし、ずっと南に行けば行くほど不便。(時間にルーズな電車や壊れていても気にしてない切符売り場など日本人からしたら信じられないイタリアの常識w)でもナポリのほうまで行くならポンペイ遺跡は必見だと思います。ローマは逆に車とバイクが多くてちょっと危ない(車両もそうだけどスリも多いので。。。)から気を付けて下さい。

イタリアの好きなところは食べ物とコーヒーが美味しいところ(笑)
オリーブオイルとハーブをよく使うので普通のサラダでもとても美味しいです。コーヒーはイタリアンローストで濃いめ。バール(イタリアの喫茶店兼バー)でコーヒーにハズレがないのが感激した記憶があります。30年ぐらい前なんて日本ではスタバはないし、日本の喫茶店入ると当たり外れが随分あったもんです。

私はグッチ愛好家ではありませんが、今回の展覧会、アーカイブ作品がとても近い距離で見れたのがとても良かったので、ファッションを勉強している学生さんや、それから展示の見せ方も素敵だったので空間デザインされている若い方などに是非見て貰えたらいいのではと思いました。
京都市内に在住・通学中の大学生・高校生はなんと無料で観覧できるんですよ!
一般の観覧料はちょっと高めの2,200円ですから、もし遠出等で来られる方は建築ツアー(500円)と一緒になどいかがでしょうか?
事前予約制ですが今は平日空いています。私も念の為予約しましたが、予約チェックなしですぐに入場出来ました。
展覧会はスマホ撮影OKです。(フラッシュは不可)
図録販売がないので記録用に数枚撮っておくと良いかもしれません。

それから
グッチの公式アプリを登録すると夏木マリさんがナレーションするオーディオガイドが無料で聞けますので、観覧前にダウンロードしておくといいかと思います。とても素敵なナレーションでしたよ。

ではまた。


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