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エイリアン!リドスコvsジムキャメ

好きなSF映画の中で人生一番繰り返し観ているエイリアンシリーズ。
エイリアン1~4、プロメテウス、コヴィナント、全て大好きです。
そして今週新作「エイリアン・ロムルス」が公開されました。早速来週観に行くのでその前に「エイリアン」について綴りたいと思います。


リドスコらしい芸術的な「エイリアン1」

輝かしい経歴のリドリー・スコットも「エイリアン」制作は長編映画2作目でしたので、まだ若手の頃に作られたのですね。
70年代はSF映画に注目が集まりつつある時代で、リドスコ本人が認めていますが「エイリアン」「2001年宇宙の旅(1968年)」の影響を大きくうけているのが映像からも見て取れます。
当時映画制作に於いてもCG技術等がない時代なので、宇宙船内の機器類、コンピューターパネルやモニターもレトロ感満載。ストーリーは2122年の設定なので今見るとかなり古めかしい感じがしてしまうかもしれませんが、CGで表現できない代わりに内装や特殊メイク、エイリアン造形など当時の限界までリアルを追求した美術には目を見張るものがあります。こういうところにリドスコの執拗なまでの完璧主義を感じます。
また今のSF映画のような派手な効果音楽がないのもドキュメンタリーのように感じます。
それから忘れてはならないのが、エイリアンをデザインしたH・R・ギーガーの存在です。バイオメカニカルを基調としたエイリアン造形は当時本当に衝撃的で日本でもギーガーブームが起こりました。
今でこそ、寄生虫のような宇宙生物の概念は映画や小説で観られますが、当時映画を観たときは初めて現れた得体のしれない生命体に本当に恐怖を感じました。しかも、映画の中で卵から生まれ蜘蛛のような幼虫(フェイスハガー)から人間に寄生し胸を突き破って出てくる(チェストバスター)、そこから成虫になると宿主の形に似た生命体(ゼノモーフ)になるのです。
この寄生スタイルはエイリアンシリーズでずっと続くわけですが、「コヴィナント」で空中に浮遊する胞子のようなものが人体に入り込んで体内でエイリアン化していく様子はまるでウィルスそのもので恐ろしかったです。

さて、「エイリアン」の中でリプリーは最初からヒーロー?(ヒロイン?)だったわけではなく、次々とクルーがエイリアンの餌食になっていく中で生き残りをかけて戦っていきます。
最初に「エイリアン」を見たのは1980年。家族とテレビで見ていましたが、今でも鮮明に覚えているのがラストシーンです。リプリーが脱出船で愛猫のジョーンズと一緒にハイパースリープに入ろうとしたときに船内にいたエイリアンに気づくんですが、もう心臓バクバクして見ていたのを思い出しました。当時小学生ですからね、本当に怖かったですよ。

そして、強い女性が主人公になっているのも当時は新鮮でしたね!

リドリー・スコットの「エイリアン」は非常に芸術的なSF作品で派手さのあるハリウッド映画とは一線を画しています。この作風は前日譚である「プロテウス」「コヴィナント」にも生かされていて単なるSFホラーではなく、生命や人間に対する問題提起をしています。コヴィナントまで観るとエイリアンの見方が本当に変わってきますよね。
これはどういうことかということは一番最後に記しているジェームス・キャメロンの番組を是非参考に観て欲しいなと思います。

ジムキャメの戯曲的な「エイリアン2」

ジェームス・キャメロンは「ターミネーター」「タイタニック」「アバター」等みんな大好きなハリウッド映画の王道を行くようなフィルムメーカーです。
「エイリアン2」ターミネーターのヒットを受けてジムキャメに白羽の矢が立ったのでしょうけれど、海兵隊が出てきてエイリアンたちとのバトルを繰り広げるアクションホラーになっていてリドスコとは真逆の映画になっています。
でもこれはこれで面白いですし1以上にヒットしています。
海兵隊キャラクターもいまだ人気キャラいますよね、バスケスとか本当にいいキャラです。当時ターミネーターで未来から来た戦士を演じたマイケル・ビーンがヒックス伍長として出演していてこれまたかっこよいです。アンドロイド/ビショップ役のランス・ヘンリクセンも数年前に何度かファンイベントで日本に来ています。

ジムキャメはとにかく観客を楽しませてくれるのが上手でエンタメ性のある映画を沢山制作していますが、「エイリアン2」ではエイリアン・クイーンの登場が本当に衝撃的でした。あれをみると、やっぱりゼノモーフって昆虫なんだねと思っちゃいますよね。それから、リプリーが卵を焼こうとしたときに警戒するところや後半シーンでエレベーターに乗ってくるところなどは知的ですらあって、単に凶暴なモンスターではない感じもします。
海兵隊たちが脱出するシーンも何パターンがあってどれもハラハラ、通風管から脱出するシーンはドキドキが止まりません。
更に、最後エイリアン・クイーンと対決するパワーアップしたリプリーがかっこよすぎでたまりません。
見どころ満載の「エイリアン2」です。

未見/最新作「エイリアン・ロムルス」は果たして?

時間軸でいうと「エイリアン1」と「エイリアン2」の間の出来事ということなので、鑑賞する前に上記二つをおさらいしておいてよかったかもしれないですね。
「エイリアン・ロムルス」の監督はフェデ・アルバレス。
「ドント・ブリーズ」や「死霊のはらわた」のリブート版を監督しているので、びっくりさせる場面とか多いのかな?
前作「コヴィナント」制作から6年程経過していますから、現代のGCを駆使して描かれたエイリアンや宇宙船等の映像も見どころの一つかもしれません。
前評判がすごくよくIMDbでも7.4/10って評価高いな!
すごく楽しみです。
鑑賞したらまたレビュー書きたいと思います。

おすすめの番組

最後に、お勧めの番組を挙げておきます。

ジェームス・キャメロンのSF映画術/U-NEXT

ジムキャメがゲストを迎えてSFについて語り合う番組。リドスコ、スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、クリストファー・ノーランなどが出演していて本当に興味深いシリーズなんです。
リドスコとジムキャメがエイリアンについて語るシーンも沢山出てきますので是非見てみて下さい♪

ではまた。

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