見出し画像

罰ゲームはやる気につながらない

 文体が違うのであれっと思う人も多いかもしれません。今回はちょっと違った視点からの意見を提供できればと思います。

 僕は今年から教員になりました。ピカピカの1年生です。そんな僕がいきなり任されたのは、やったこともなければちゃんと見たこともないバスケ部の顧問です。運動音痴な自分にはかなりハードルの高い仕事です。ましてや1年目で何にもわかっちゃいません(部活動のしきたり、挨拶、指導方法、他にも盛りだくさん…)。それでいて毎日毎日この部活動に3時間取り組んでいます。コロナの関係で6月から活動が開始しました。もう土日含めて18日はやってます。54時間もかかってますね。どうしてもこの時間は別のものに変えることができないため、自分も体力づくりのために一緒に練習しています。バスケ素人の私はもはや上級生に教えてもらっているレベルです。

 そんな私にも2週間遅れでバスケの後輩ができました。新1年生の仮入部が始まったのです。中にはこの自治体で選抜チームに入っているような強者もいれば、なんにも運動したことのないような生徒もいます。3年生の最後の締めくくりの練習の邪魔にはなってはいけないので、別メニューで練習しています。別メニューでは、なかなか初心者の生徒はやる気を維持できません。なぜならコートの隅でハンドリングというドリブルの基本をさせられているからですね。

 そこで、私は思い切ってやる気を高めるために今日中にレッグスルー(初心者の登竜門的な技)が5回連続でできなかったら腕立て10回という罰ゲームを課しました。自分自身もできないので、できなかったら腕立てするつもりでした(今までに私は10本ダッシュなどで生徒に負けては腕立てをしています…)。なんと私は開始10分ぐらいでクリアしてしまいました。毎日3時間取り組むというのはこういうところで成果が出るんですね…(笑) しかし、初心者の生徒はなかなかできません。私も自分自身が気付いたポイントを伝えたり、先輩たちにお手本を見せてもらったりしていろいろ教えてみましたが効果が出ません。

 そして制限時間まで残り10分となったときに初心者が続々と自主的に腕立てをし始めました…!!なんということでしょう、もうみんな諦めてしまったのです。私はギリギリまで粘ってできるようにしたいと思ってくれると期待していましたが、罰ゲームが逆効果になってしまったようです。

 私はその日悔しくて仕方ありませんでした。みんなが根性を出して絶対できるようにしてやると思えると思ったからです。ここで今どきの子は根性ねぇなぁで片づけてしまうのはとても簡単です。(実際周りの先生はこういう人が多いと思います。データもない個人的意見ですが…)。一応大学院も出させてもらっている教育のプロ(??)として自分なりに分析してみました。

まず、

・その技の必要性が感じられたか。

・課題の難易度は適切であったか。

この2つへの配慮が足りなかったと気付きました。レッグスルーなしでバスケできるだろと言われたら答えはYESです。なしで全然できます。できた方がボールの扱いがより上手になったり、ドリブルの選択肢が増えたりといいことずくめなんですが、バスケ初心者にはそれが理解できなかったようです。それをきちんと説明する必要性を感じました。今はタブレットでもなんでもあるのでレッグスルーの使い方など見せてあげるだけでもやる気がだいぶ違ってきたかなと思います。

そして、課題が適切であったかです。まずは足の下を通すなんて高度なことはしなくていいので、安定してボールをつくなどもっとより基本的なことをマスターさせるべきでした。そこからリズムに合わせてドリブルする→ジャンプしながらただドリブルする→レッグスルーをするというようにスモールステップでいくべきでした。

外発的動機付けには限界があります。頑張ればどうにかクリアできそう!みな、ギリギリのところであれば罰ゲームも効果的に働くでしょう。しかし、いきなり東大を目指せみたいにとんでもない目標を言い渡されたらやる気失せますね。こういうことを私はしていました。

みなさんの指導はどうでしょうか?これは部活に限った話ではないと思います。私と同じことをしちゃってたら改善していきましょう。

それにしても部活はしんどいですね。やるしかないというのが私の所属の自治体の方針です(ほんときついし、副顧問は来ねえしよぉ…)。ちょっとでも自分にとってプラスに持っていけるように考えながらこの3時間を使っていきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?