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【就活講座】開発コンサルタントの心得④「なぜ自己分析と自己PRから考えるとダメなのか」

マニュアル世代ではありますが

いわゆる「マニュアル」の有用性が認識されて、職場だけではなく、あらゆる生活の局面にマニュアルが浸透してきたのは、ファーストフードやコンビニが一般化してきた1970年代の終わりか1980年代かと思われます。

就職活動においても、コピーライターの中谷彰宏の『面接の達人』(いわゆるメンタツ)が1990年4月に発売され、就職活動をする学生に爆発的に売れたのも、そのような時代を反映してのことでしょう。

実は、わたしも右に倣えで、1992年に就職活動をしたときには、メンタツを参考にさせていただきました。もちろん、今では、もっとたくさんの就活本のシリーズが展開されていることは、あなたもご存知のとおりです。

でもアナログ世代

わたしが就職活動をした1992年頃は、大学の学生課の中に就職コーナーがあって会社のパンフレットや求人票が無造作に並べられ、学生が勝手に、馬鹿でかくて重たいファイルを一冊一冊めくったものでした。

そんな昔のアナログな時代に比べて、今日は、明らかに就職に関する情報がふえているといえます。あらゆる情報がデジタル化され、インターネットで情報を得ることができるようになった今は、情報過多であることに加えて、自分がほしい情報にたどり着くことが、逆に難しくなっているともいえましょう。

しかし、もっとも留意すべきは、就職活動の準備の進め方に「正しい順番」は存在しないばかりか、むしろ、個人個人で異なってしかるべきなのに、マニュアルが増える中で、なにか定まった形があるように思いこまされていませんか。

マニュアルによる定型化で本質を見失うな

先にのべたように「自己分析⇒自己PR」といったワークをマニュアルに従って順番にすすめると、一番肝心な「自分が何になりたいのか」、「何をやりたいのか」を考えることが必然的に後回しになってしまいます。

あなたはおそらく就活という「儀式」とは関係なしに、こどもの頃から、なんらかの職業や生き方に対してあこがれを「夢」として描いて胸にあたためてきたはずです。ではなぜ、自分の「夢」の現場で働いている「中の人」やその人が属する企業なりの「組織」について調べたり研究したりしないのでしょうか。

なぜ「夢」の現場の「中の人」や「組織」を調べないの?

志望先の面接官がみたり聞いて喜ぶような「自己分析」や「自己PR」をしなければならないのは事実かもしれません。確かに就活マニュアルをみて、その効率的なやり方を学ぶのはよいことですし必要なことでしょう。

しかし、時間の配分を考えた場合、まず、あなたの夢の現場について調べるほうが先なのではありませんか。そしてそのことに一番時間をさくべきです。つまり、就活本は、逆から読みましょう。

就活本は逆から読む

実際、何人かの大学生の話を模擬面接として聞くと、「自己分析と自己PR」の部分だけに力が入っていて「志望動機」の印象が相対的に薄かったり、さらには、「自己分析と自己PR]と「志望動機」の接続が悪くて、それらの関連性がよくわからなかったケースがありました。

まえにものべましたが、面接官の関心は、なぜ自分の企業や団体なのか、その組織で就活生がなじんでやっていくことができるのか、端的にいうと、面接官が就活生と一緒に働きたいと思えるかどうか、この部分が全てです。

なぜ自分の企業や団体なのか?一緒に働きたいと思えるかどうか

いわば、自己分析や自己PRは、刺身のつまみたいなものであって、刺身そのものではありません。多くの就活生が刺身のつくり方より、刺身のつまの部分を一生懸命に準備している、このことに警鐘を鳴らしたいと思います。

次回の最終回では、自己分析や自己PR、志望動機の作成にあたって、最も重点をおくべき点と、典型的なNGな対応について解説します。

この項 了

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