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compassion

compassionは同情に近い感覚…?


慶子さん、こんにちは。
今日はcompassionという言葉に関する質問です。
この言葉を最初見たのは、インターの先生が全員受けなくてはならないというe-learningの研修で
子どもたちへの共感を大切に、というような文脈でした。
それから共感、という言葉と紐づけて私は覚えていたのですが
その後この言葉に出会う時は、いつも、どちらかというと
悲しみや、苦しみに寄り添う文脈で使われていることが多く
これは同情に近い感覚なのだなと感じています。
私としては、喜びや、楽しさへの共感に使える表現も知りたくて
その使い分けや、ニュアンスの違いが知りたいです。
というのも、共感することでつながりあえることって、結構あるから
そのあたりの言葉って、実は大切な誰かとおしゃべりするときには
最重要、再頻出単語だったりするんですよね。
どんな人との中にも、凛として、でもすっと溶け込んでいくような
(そして話し出したら結構ひょうきんなところもあって面白い)慶子さんの
人とつながっていく感じ、すごく素敵だなと思うのですが
英語ではどんな言葉遣いをしているのか、ぜひお聴きしてみたいです!
今日もよい一日でありますように!
Ai 拝


あいちゃん、こんにちは!

何とも優しそうなシベリアンハスキーの写真!そして嬉しそうな、少し迷惑そうな(?)猫ちゃんの表情もニャンとも可愛いです♡ 

compassionというか、”sweet”なワンコですね。

私、猫が警戒して「シャー!伏せ!」ってなるみたいに、通訳していて「来たな!」って身を低く構えたくなる言葉があるんです。compassionもその一つ。(注:通訳中に本当にこういうポーズをとるわけではありません。あくまで心の状態の比喩です。)

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このcompassionという言葉。日本でも耳にするようになりました。self-compassion(自分に優しくする)という使われ方などもありますね。compassionを訳すとしたら「思いやり」とか「哀れみ」とか、かなぁ。でも、通訳していても何故だか何となく馴染まないというか、言いたいことにピッタリハマってないなと感じてしまうことが多い言葉です。

悩ましい〜!
「シャー!伏せ!」(←猫を飼ったことがない人には、きっと意味不明な表現ですね・・・すみません。)

Compassionの語源

今日の写真の優しそうなワンコ、「compassionというかsweet」と上に書いたのですが、nice, kind, sweet, generous, forgivingなど、その人(犬)が相手を想う気持ちや様子を表す言葉は沢山あるのですが、その中でもcompassionは別格。私はcompassionという言葉には何か崇高な、大きくて深いものを感じます。滅多やたらと使う気にはなれない・・・いや、使っても良いんだけどね(笑)

そして、「この言葉に出会う時は、いつも、どちらかというと悲しみや、苦しみに寄り添う文脈で使われることが多く・・・」とあいちゃんが質問で書いてくれているように、compassionは共感することを表現する言葉の中でも、辛い想いをしている人を受け入れて大きく包み込むようなイメージです

語源辞典でcompassionを調べてみると”suffering with another”(他者とともに苦しむ)とあります。やっぱり苦しんでいる人に寄り添う感じですね。
更に分解してみると、接頭辞のcom-は”with, together” (〜と共に、一緒に)、そして-passionは・・・

おー!
おー!!
おー!!!

なんと!passionという言葉は12世紀頃には ”sufferings of Christ on the Cross”(十字架にかけられ苦しむキリスト)という意味だったそうです!つまり、compassionという言葉は、もとは「キリストの苦しみと共にある」という意味!

passionという言葉が現代のような"strong emotion, desire”(強い感情、欲望)を表すようになったのは14世紀終わり頃だということ。今はpassionって「情熱」などの意味で使われるのが普通だけれど、元々は「苦しみ」っていう意味だったのね。強すぎる感情は苦しくもあるからかな。恋わずらいなんて言葉もあるくらいだもんね。

そして今でも「キリストの受難(裁判から処刑までの精神的、肉体的苦しみ)」のことはpassionというんだって!

へー!! このブログ、勉強になるわー(笑)

私がcompassionという言葉に、なにか神々しいというか、軽々しく使ってはいけないような神聖なものを感じていたのは、もともとこの言葉はキリストの苦しみを受け入れ自分の痛みのように感じるという、とても深くて強い受容と愛の意味の言葉だったからなのね。

って、それを知ったのは、ついさっきだけどね(汗)

英語の意味を掴む手がかりに

因みに、ご存知だと思うけど、compassionのcom-って“with“という意味の接頭辞なので、com-で始まる言葉は誰かや何かと一緒にいる状態を表します。companyとかcommunicationとか、そうですよね。

日本語でも「未」はまだ起こっていない事、「不」は否定する意味、「過」はtoo much・・・のように「この文字がついていると、この意味」みたいに感覚的にイメージが湧く言葉ってありますよね。英語も、そんな風に手がかりが持てるようになると言葉を見たり聞いたりした時に意味を把握しやすくなって楽しいです。

com-以外の接頭辞も沢山あるので、意識してみると面白いかも。


共感を表す言葉

あいちゃんが言うように、共感する事で相手と繋がれることってありますね。いくつかレパートリーを持っておくと良いかもしれないので、日常的に使えそうな表現を考えてみました。

上に書いたnice, kind, sweet, generous, forgivingは、 "You are nice." "He is kind"など、主語+be動詞にくっつけて使えます。"You are so generous!" とか "He is very forgiving!"とか強調するのも良いですね。

あとは、会話の中でよく出てくる言い回しだと・・・

I feel for you:「気持ち分かるよ」「大変だよね」のようなニュアンス。慰める時や共感する時に言います。

I am happy for you:「良かったね!」「私も嬉しい!」という感じで、happyという言葉が入っていることからも分かるように、相手に良いことがあった時に一緒に喜ぶ表現です。

I hear you:"I feel for you" と近いけれど、「言ってることは分かる(言いたいことは理解できる)」みたいな、”I feel for you”よりは少し距離がある印象ですね。

・・・とか、かなー。


ニュアンスがつかめるまで英語の映画やドラマを観て研究したり、機会があればネイティブの人はどんな使い方をしているのか観察したりしてレパートリーを増やしてみてください。

それでは、Have a nice week!
今週も元気に楽しく過ごしましょう!

慶子


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