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詩集

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#カラス

1羽のカラス(詩)

1羽のカラス(詩)

一羽のカラスが
走る怪物に飛び込んだ
たくさんの怒りを道連れにして

哀れなカラス
甘美なささやきに取り込まれ
旅立てど
もはや 道はなく

カラス

カラス

大昔、生き物たちは
それぞれに
自分の気に入らない色を
持っていました。
ある時、白い鳥が
それらの色を1つづつ
引き受けましょうと名乗り出ました。

木々は、朽ちゆく茶色をわたしました。
空は、どんよりとした灰色
雨は、不透明な青
ゾウは、病に侵された皮膚の緑
キリンは、抜け落ちた毛の黄色
魚は、剥がれた鱗の銀・・

そのほかにも、あらゆる色を
引き受けたその鳥は、
真っ黒な姿になっていました。

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