
今日買った電子書籍たちー2022/4/24
hontoで定期的に配布されている電子書籍20%オフ券の期限が今日なので、いつものように結構まとめて買った。
〇與那覇潤の著作
ー與那覇潤:『中国化する日本ーー日中「文明の衝突」一千年史』(文藝春秋、2011)
ー與那覇潤:『史論の復権――與那覇潤対論集』(新潮新書、2013)
ー與那覇潤:『平成史――昨日の世界のすべて』(文藝春秋、2021)
人文系で最も注目している若手論客の1人、與那覇潤の、未読で電子化されている書籍をまとめてかっさらう。自分が彼に注目するキッカケとなった『日本人はなぜ存在するか』(講談社インターナショナル、2013)は、しかしいまだに電子化されていない。集英社怠慢だぞ💢 後にほぼ同時期に全く同じ病になって似たような経過を辿り、氏の闘病記みたいな本2冊に力を得たのも思い入れが大きい理由。
〇ウクライナ戦争を考えるためのツールとして
ー小泉悠:『ロシア点描』(PHP、2022)
小泉悠氏のこの著作は戦争が起きてしまったいまだからセンセーショナルに見えるけれど、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019)の出だし含めあちこちに出て来る、著者が旅したロシアと旧ソ連支配地域の描写を更に拡大したもの、っぽい。
もちろん「わたしの知ってるロシア人」像を元に勝手な妄想を垂れ流す、元筑波大教授の中村某なんぞとは、ぜんぜん違う内容と展開になっているはず。
ー千々和泰明:『戦争はいかに終結したかーー二度の大戦からベトナム、イラクまで』 (中公新書、2021)
戦争が終わるといっても様々で、大局的に見たとき、一方の極には相手を完全に屈服させる「紛争原因の根本的解決」がある、と著者は言う。この典型例が第2次世界大戦におけるナチスドイツに対しての連合国側。
もう一方の極にあるのが、交戦相手と妥協し、その時点での犠牲を回避するための「妥協的和平」のために戦争を終える、というパターン。その代表例が、1991年の湾岸戦争。
終戦の出口戦略に当たっては「将来の危険」と「現在の犠牲」のバランスが鍵になる、という見立ては非常にスッキリとしてわかりやすい。この明快なパースペクティヴを冒頭でカッチリ示したうえで、それでは実例を見てみましょう、という具合に歴史上のさまざまな戦争の終わり方を考察しているらしい。らしい、ってのはまだ読んだわけではないからw
にしても、戦争の話をするときにクラウゼヴィッツの『戦争論』すら読んだことないような人は発言しないでほしいわ。最近あんまり見なくなってせいせいしてるお前みたいな奴のことだよ、橋下徹。
〇電子書籍での買い直し
ースティーヴン・ミルハウザー:『エドウィン・マルハウス』(岸本佐知子訳、河出書房新社、2003)
現代アメリカで、ポール・オースターと並んで最も好きな作家であるミルハウザーの傑作長編小説。にしても、ミルハウザーの訳書を大量に出している白水社、電子書籍はゼロなんだよなあ…。白水社さあ、ガリマール書店ですら電子書籍ようやく始めたんだから、お前もそろそろマジで仕事しろ…。
ーパスカル:『パンセ』(全3巻、塩川徹也訳、岩浪文庫)
泣く子も黙る名著。他の翻訳もあるみたいだが、塩川センセイ以外のチョイスなぞありえん終了。
〇マンガ
ーうめざわしゅん:『ダーウィン事変』第4巻(講談社、2022)
こないだマンガ大賞も受賞して更にイケイケ。実に哲学的な深みのある会話劇が展開される漫画で、長いセリフを「読むマンガ」になってるのは、『ミステリと言う勿れ』とかのテイストにも近いやね。画風は浦沢直樹の影響を感じるなあ。『MONSTER』っぽいとこもあるし。
ちなみに第1巻タダで読めます。是非❗️
というわけで読みまする。
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