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「時を経た道具の古びない魅力が人と人をつなぐ」

with you04  遠藤信彦さん


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 高円寺の純情商店街で古道具 権ノ助を営まれている遠藤信彦さんにお話をうかがいました。

店内には、大正・昭和の家具、ブリキのお弁当箱やおもちゃなどの小物が軒下まで所狭しと並び、過去にタイムスリップしたかのような不思議な懐かしさを感じます。若い女性や外国人のお客さんの姿も。「これ400円でどうでしょうか」遠藤さんとの値段交渉も楽しみの一つです。
(以下敬称略)


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様々な出会いがある

中央線芸術祭2021のテーマである「with you」にまつわる質問をさせていただきたいのですが、遠藤さんにとって「遊び」とは何でしょうか。

遠藤 食事やお酒を飲みに行く。好きなことをやる。趣味を楽しむとか、そういうことだと思います。

今、人と会うことがなかなか難しい状況ですが、最近人とのつながりを改めて感じたことはありましたか。

遠藤 去年の緊急事態宣言の時は籠ったので、さすがに途絶えたけど、やっぱりお店を開けていれば、つながりは感じますね。

例えば、お笑い芸人の友だちがいて、いろいろな方面から知り合いを連れて来てくれるんです。そんな風に様々な出会いがありますね。

こちらには、他のお店のちらしもたくさん置いてあります。

遠藤 そうなんです。近隣の飲食店の人もよく買いに来てくれるので。
庚申通りにあるイタリアンのお店が気に入って行っていたら、そこの店長が古道具を好きで、しょっちゅう買いに来てくれるようになりました。

遠藤さんはInstagramでも高円寺の美味しいものを紹介されていますが、近所の方が来てくださるのはうれしいですね。


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壊れた時計もオブジェに

お店のちらしにはイラストがあり、店内にも演劇のポスターが貼ってありますが、普段から「アート」を身近に感じていらっしゃいますか。

遠藤 壊れた時計をオブジェにするんだと買って行く人もいれば、絵描きやイラストレーターも来ます。過去にうちでアルバイトをしていて、イラストレーターの道に進んだ人もいますね。だから、どうしてもアートは身近に感じます。


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放課後に吉祥寺で寄り道

中央線にまつわる思い出や印象に残っていることを教えていただけますか。

遠藤 明星学園(三鷹市)の小学校に通っていた当時、学校にプールがなく、みんなでわざわざ中央線に乗って神宮のプールに行っていました。それで、通り道の「高円寺」という名前だけは記憶に残っていて。

吉祥寺は毎日通るので、学校が終わるとよく寄り道をしていました。今はアトレになっている駅ビルがロンロンだった時で、おもちゃ売り場を見たり、サンロード商店街にも行っていましたね。


あと、何と言っても井の頭公園ですね。学校の授業でも動物園に写生に行っていましたから。

井の頭公園は小さな遊園地もあって、今もとても人気がありますね。

 最後になりますが、遠藤さんは古道具の魅力をどのように考えていらっしゃいますか。

遠藤 僕がこの業界に入った頃は、例えば時計でも明治時代のいかにも骨董品というものが人気があったんです。でも最近は昭和20~30年代のデザインのものも人気がある。若い子から見ると新鮮なんでしょうね。

今にはない感覚が魅力なんですね。


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  取材でおうかがいした私たちに、お勧めのカフェのコーヒーを振まってくださった遠藤さん。以前に庚申通りで経営されていた古道具屋を畳んだ数年後、やはり高円寺に引き寄せられ、権ノ助を始められたそうです。時を経るごとに深みを増す道具の古びない魅力を通じて、過去そして今同じ時代を生きる人たちが有機的につながり合う場を作られているように感じました。


古道具 権ノ助さんのウェブサイトは下記URLよりご覧ください。

with you映像版もぜひご覧ください!


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