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文化や芸術は“贅沢品”?「文化芸術省」創設が必要な理由

日本には、文化芸術振興議員連盟という会が存在します。
国の文化芸術の創造・継承・発展を目的とし、党派を超えた国会議員により結成されたものです。

同会は2018年12月25日、この目的のために「文化芸術省」の創設を政府に提言しました。

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更に同月25日には、文化芸術関係20団体からなる「文化芸術推進フォーラム」とともに首相官邸を訪れ、菅義偉内閣官房長官に対し文化芸術省創設の提言書を手渡しました。
日本の文化行政が諸外国に比べ脆弱で予算も少ないこと、また文化芸術における司令塔がないことなど現状について意識を共有する会談となりました。

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(左:菅義偉内閣官房長官 右:野村萬文化芸術推進フォーラム議長)


…などといきなりお伝えしても、何のことだかわかりづらいですよね。
要するに、「文化芸術省」が文化芸術を牽引する存在となることで、文化芸術への国の支援を厚くし、日本の文化芸術をさらに発展させよう、というのが大きな目的です。

今回は、「文化芸術省」創設を提言するに至った背景として、

1 文化芸術とは何か
2 なぜ「文化芸術省」が新たに必要なのか

について解説していきたいと思います。

1 文化芸術とは何か

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文化芸術”という言葉は、聞きなれているようで、聞きなれない言葉だと思います。
簡単に言うと、音楽・演劇・舞踊・演芸・伝統芸能・映画・美術 等、日本にある文化や芸術を幅広く指しています。(※日本由来のものに限りません)

多くの人々が文化芸術に触れられる機会に恵まれ、創造活動の活性化やアーティストの育成には国の支援が必要不可欠です。
ですから、文化芸術振興議員連盟は「文化芸術省」の創設を提言したのです。


2 なぜ「文化芸術省」が新たに必要なのか

2-1 文化庁ではなぜ不十分なのか?

日本にはすでに文化芸術を支援する政府機関「文化庁」があります。

しかし、“庁”はあくまでも“省”の外部機関でしかありません。(文化庁は文部科学省の外局)

文化芸術行政を担当する大臣が存在していないのです。

また、歌舞伎、落語、クラシック、バレエ、書道、前衛美術、など文化芸術に対して、「“高尚なもの” “敷居が高い” イメージがある」ということはありませんか?

日本の文化芸術における以下のような現状が、人々にそのようなイメージを持たせているのではないでしょうか。

「文化芸術のチケットが高額」
「文化芸術に触れる機会が少ない」
「文化芸術の教育を受ける・創造活動を継続するにはお金がかかる」


この現状を作った原因の一つに、日本の政治があります。
学生、アーティスト、団体への国の支援が不足しているために、チケットや教育にかかる費用が高いと言っても、間違いではありません。

現在の体制では、日本における文化芸術から人々がさらに遠ざかってしまいます。

以下の図のように、文化芸術に関する司令塔として新たに「文化芸術省」の創設が実現されれば、文化芸術への国の支援を手厚くするために能動的な活動が可能になるでしょう。

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※出典:文化芸術推進フォーラム

そして、文化芸術が国民にとってより身近な存在になり、志す人も増え、創造・継承・発展への大きな一歩となるはずです。

文化芸術は贅沢品?むしろ実用品であり必需品である

皆さんにとって、文化芸術はどんな存在でしょうか?
非日常で、贅沢品だと思いますか?
一部の人間のための贅沢品に国のお金を使うなんて、と思いますか?

文化勲章を受章された野村萬議長は、文化芸術について、以下のように述べています。

国会芸術祭での決意表明より抜粋―

我が日の本の芸能は 古より今に至るまで
人々の日々の営みより生れ出で 豊かなる文化の礎となる

――
※全文はこちら

日本の文化芸術ははるか昔から今に至るまで、人々の暮らしから誕生し、この国の豊かな文化の礎となった、と述べています。

つまり、文化芸術は本来、限られた人のための贅沢品ではなく、庶民の日常生活に溶け込む実用品であるのです。

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また、こうも述べています。

――

まことに文化芸術は
我らの生きる支え 人々の生きる誇りと申すべきなり

――
※全文はこちら

文化芸術は、決して贅沢品などではありません。日常生活に溶け込む実用品でもありながら、人々の心に感動や喜びを与え、生きる支えとなる必需品でもあるのです。

文化芸術が本来の姿を取り戻し、文化芸術を必要とするすべての人が等しく文化芸術に接する機会を得られ、心おきなく文化芸術の道を志せるようになるためには、「文化芸術省」の創設が必要です。

賛同される方はぜひ「#私は文化芸術省創設に賛同します」というハッシュタグにて、TwitterやInstagram等、SNSで投稿してください!

目指せ!五輪の年に文化芸術省

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文化芸術振興議員連盟 概要

目的
・音楽、演劇、舞踊、演芸、伝統芸能など実演芸術、映画及び美術等の文化芸術を通じて、国民のなかに豊かな情操を養う
・あらゆる機会をとらえて行政府、立法府の文化政策の方向について、抜本的な意識改革をめざす一方、わが国の実演芸術、映画、美術界等が直面する諸問題に対し超党派で寄与し、文化芸術の振興を図る

会員
会長   河村建夫(自由民主党)
副会長  塩谷 立(自由民主党)、横光克彦(立憲民主党)、斉藤鉄夫(公明党)、古川元久(国民民主党)、市田忠義(日本共産党)
常任幹事 二之湯武史(自由民主党)、羽田雄一郎(国民民主党)、中山恭子(希望の党) 事務局長  伊藤信太郎(自由民主党) 事務局次長 浮島智子(公明党)


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