学生ホール

「相模原、1000円の夜景。」

フィルムで昔撮った写真をスキャナーで取り込んでいる。

その作業中、いちいちノスタルジーに浸らずにはいられない。学生時代を過ごした相模原でのことを色々思い起こしては感慨にふける。

この写真は確か修了間際に校舎のアトリエから手持ちで撮影したものかと思われる。私はあの地帯のほどよい夜景が好きで、校舎を離れる前に必ず写真に収めておかなくてはと思っていた。

美祭が終わった後、友人の展示の片付けをしていた時だった。そろそろ引き揚げるか~と帰る用意をしていたところだった。

「うおおおおお!!」

ベランダの方から後輩Aの声がした。何事?と思って外へ飛び出すとAが言った。

「1000円の夜景!」…と。


慌てて駆け寄った私達は崩れ落ちた。そして大笑いした。

4階から見下ろしたその夜景はまさにそんな表現が合うほどよい夜景で。

そうなんだよ私もこの位がちょうど良くて好きなんだよといたく共感した。

場所は違えど、誰が何と言おうと、私は1000円の夜景を愛する。

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