アリー@小説

どうも。アリーです。 小説家になりたい若輩者です。 ここでは僕の好きな小説や作家さんに…

アリー@小説

どうも。アリーです。 小説家になりたい若輩者です。 ここでは僕の好きな小説や作家さんについて呟いていけたらと思っています。気が向いたら読んでみてくださいね。

最近の記事

村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

こんばんは、こんにちは。ありーです。 今日は村上春樹さんの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を紹介します。 僕は村上春樹さんの作品が好きでよく読むのですが、この作品はタイトルに惹かれて購入しました。『色彩を持たない多崎つくる』という文言はおもしろい予感しかありませんでした。 買って読んでみて、すぐに僕が好きな作品だとわかりました。多崎つくるくんの人生を描いたその作品は、すべて多崎つくるくんの視点から見つめられています。彼は色彩豊かな友人とともに濃密な時間を過ごし

    • 原田マハ「奇跡の人」

      こんにちは、こんばんは。どうもアリーです。 今日も今日とて、小説を紹介していきたいと思います。 今回オススメするのが、原田マハさんの「奇跡の人」。表紙の絵柄が興味を引き、奇跡の人というタイトルに惹かれて購入しました。 読み終えたばかりで今書いているのですが、率直な感想としては『感動が大きかったな』と思います。そう。感動するお話なんですけど、それだけじゃなくって、いつの間にか主人公たちを応援したくなっているような。魅力的な人々の物語でした。 物語は戦後、青森の奥地で展開さ

      • 一穂ミチ「スモールワールズ」

        こんにちは、こんばんは。アリーです。 今日は一穂ミチさんの「スモールワールズ」を紹介します。 一穂ミチさんの作品は初めて読んだんですけど、本当におもしろかったです。短編集で読みやすく、それぞれの話が味わい深いといった感じ。 特に読後の余韻がすごかったです。哀しみだったり、ささやかな幸福だったり、感動の種類は話によってそれぞれですけど、すべての短編で感情が揺さぶられました。 読み終えた後にじわっと広がる余韻はすごく心地良くて、いつもその正体について考えています。きっと登場人

        • 河野裕「君の名前の横顔」

          こんにちは、こんばんは。アリーです。 今日は河野裕さんの「君の名前の横顔」について書きたいと思います。 「君の名前の横顔」ってなんだかすごいタイトルですよね。名前の横顔なんて考えたこともない言葉です。どういうことなんだろう、と期待をもって読み始めました。 この作品を一言で表すなら、それは『空気に対する拒絶』です。空気というのは、教室の空気とか、空気を読むとか、そういう意味の空気です。 皆さんも感じたことがあるんじゃないでしょうか。なんとなく空気がそうだから自分もそうす

        村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

          町田そのこ「星を掬う」

          こんにちは、こんばんは。どうも、アリーです。 今日は、町田そのこさんの「星を掬う」を紹介したいと思います。 どうでしょう。みなさんは町田そのこさんの作品を読んだことはあるのでしょうか。「52ヘルツのクジラたち」が有名ですよね。僕は他に「夜空に泳ぐ、チョコレートグラミー」を読んだことがあります。これが三作目でした。 町田さんの作品はどれも胸が痛くなるようなものばかりなんですよね。たぶん町田さんの中で書くテーマというものがあって、それがきっと傷ついた女性の心なんじゃないかと

          町田そのこ「星を掬う」

          伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』

          こんにちは、こんばんは。どうも、アリーです。 今日は久しぶりの投稿になります。伊坂幸太郎さんの『ジャイロスコープ』がおもしろかったので、紹介したいと思います。 本作品は、伊坂さんが書いてきた短編を集めた文庫のようです。一つ一つが独立した作品で、最後の作品だけこの文庫化に向けて作ったもののよう。僕は個人的に最後の短編が好きでした。 伊坂さんの作品を読んでいると、この人はどこに目を付けているんだろうという疑問が生まれてきます。作品中に謎の生物を題材にした短編があったり、新幹

          伊坂幸太郎『ジャイロスコープ』

          作品紹介 町田そのこ「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」

          こんにちは、こんばんは。アリーです。 今日は町田そのこさんの「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」の紹介をしたいと思います。 いま読み終えたばかりなのですが、なんと言えばいいのでしょう、すごく痛くて苦しい作品でした。これが、町田さんの作風なのでしょうね。 僕はまだ彼女の作品を「52ヘルツのクジラたち」と本作の二つしか読んだことがないのですが、町田さんは決まって「ひとの弱さ」を描いている気がします。そして、一つひとつの描写がこの上なく美しい。 読んでいると、心がキューっと締

          作品紹介 町田そのこ「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」

          作品紹介 ロバート・A・ハインライン「夏への扉」

          こんにちは、こんばんは。どうも、ありーです。 今日はロバート・A・ハインラインさんの「夏への扉」を紹介していきます。映画広告の「僕とピートは夏に繋がる扉を探していた」という文言に惹かれて原作を読むことに決めました。 「作家ハインラインといえば,タイムトラベルもの」と言われるらしく、この作品は彼の作品の中でも、またタイムトラベル小説の中をとっても、傑作と囁かれているようでした。 時代は1970年から始まり、主人公のダンは才能溢れる技術師でした。しかし、発明以外に関心のない

          作品紹介 ロバート・A・ハインライン「夏への扉」

          町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」

          こんにちは、こんばんは。アリーです。 今日は町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」。表紙のイラストがなんだかいいなあ、と思って読んでみました。笑 表紙やタイトルからもわかる通り、この作品は52ヘルツのクジラを題材にしています。そのクジラたちと、登場人物が重なるように物語が展開していきます。 じゃあ、52ヘルツのクジラって? そもそもクジラは超音波で会話をする動物として有名です。イルカなんかもそうだったと思います。クジラは大体30ヘルツくらいで話すらしいです。でも、

          町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」

          作家志望の就活は難しい。

          お久しぶりです。アリーです。 実は去年から就職活動と戦ってきてようやく決着が付きそうなので、僕が思っていたことを吐き出していきます。少しの間お付き合いいただければと思います。 就職活動の時期が来た。僕はその時、「小説家になりたいなあ」という願望を連れ歩いていました。そして、「就活、どうしようかな~」と。 小説を書いている人の多くが、似たような道を通るんじゃないでしょうか。と勝手ながら思うわけですが、僕は、すごーく悩みました。 決まっていたことは「小説を続けること」だけ

          作家志望の就活は難しい。

          作品紹介 河野裕『階段島シリーズ』

          こんにちは、こんばんは。アリーです。 今日は河野裕さんの階段島シリーズについて。以前にシリーズ初めの『いなくなれ、群青』を紹介したのですが、今回はシリーズ全体のイメージを紹介したいと思います。 これは、純粋な正しさの物語であり、優しさの物語です。肌寒い時期の冴えた空気のような物語です。どこまでも理想的で、桃源郷を想わせる話です。 「ここは捨てられた人々の島です。ここを出るには○○さんが失くしたものを見つけるしかありません」 この物語は、階段島という大きな『謎』から始ま

          作品紹介 河野裕『階段島シリーズ』

          作品紹介 湊かなえ『告白』

          こんにちは、こんばんは。アリーです。 今日は湊かなえさんの『告白』の紹介をしようと思います。僕が感じたことを素直に書こうと思うので、すでに読んだことがある人も、未読の方も読んでいただけると嬉しいです。 この作品は、まさに『告白』がテーマとなっています。「こんな事件がありました。真相はこうです。彼らが私の愛しい子を殺しました。」こんな具合に物語は始まります。 ———中学生教師の子供が死んだ。中学校のプールに誤って転落し、水死。事故だったと思われたが、そこには二人の中学生A

          作品紹介 湊かなえ『告白』

          作品紹介 伊坂幸太郎『チルドレン』

          こんにちは、こんばんは。アリーです。 暫く間が空いてしまいましたが、今日は伊坂幸太郎さんの『チルドレン』です。 本作は同一の登場人物が出てくる短編を集めた作品になっていました。 軽いミステリーといった感じで、それぞれの短編でおもしろい仕掛けが施されています。(人が死んだりするヘビーなものとは違います。) そこに個性の立った登場人物がどう絡んでくるか。それがこの作品『チルドレン』の魅力でしょう。 まず、伊坂幸太郎さんらしいトリックがやっぱりおもしろい。読んだことのない

          作品紹介 伊坂幸太郎『チルドレン』

          作品紹介 伊坂幸太郎「ホワイトラビット」

          こんにちは、こんばんは。どうもアリーです。 今日は、伊坂幸太郎さんの「ホワイトラビット」について。さっそくレビューしていきたいと思います。 一言で言うと、この作品は「仙台で起きたある籠城事件を、さまざまな視点からを描いた物語」です。 籠城事件というと、みなさんはどんなのを思い浮かべるんでしょう。銃を持った黒い服を着た男が、入った家の家主を人質に立て籠る。人質はひどく怯えていて、犯人は半ば半狂乱になってしまっている画が僕は浮かんできます。 このイメージは間違いないでしょ

          作品紹介 伊坂幸太郎「ホワイトラビット」

          音楽と物語。

          こんにちは、こんばんは。アリーと申します。 いつもは小説の紹介をしているのですが、今日は書きたいことがあってそれについて書きます。 皆さんは音楽は聴きますか? 僕は音楽がとても好きです。作業中にずっとかけていたいほど。昔から勉強中に音楽を聴いていたから、今でもパソコンに向かっている時音楽をお供にしています。 それで最近よく思うんですよね。「音楽って物語と同じだな」って。 僕は小説を書いているんですけれど、小説では物語って作品そのものですよね。こういうストーリーで、こ

          音楽と物語。

          作品紹介 今村夏子「星の子」

          こんにちは、こんばんは。アリーと申します。 今日は今村夏子さんの「星の子」のレビューをしたいと思います。 僕は今村夏子さんという作家さんをこの作品で初めて知ったのですが、なぜ本作を買ったのかというと、「なんとなく」でした。 書店でずらりと並ぶ本を見て、この作品に目が留まりました。「星の子」というシンプルなタイトルに惹かれて背表紙の紹介文を読むと、なにやら家族が怪しい宗教に入れ込んでいくという文字。すぐに買うことにしました。 「星の子」。この作品はジャンルで言えば純文学

          作品紹介 今村夏子「星の子」