見出し画像

大丈夫。いつか”プロ”じゃ無いくせに。なんて言われなくなる日が来るから

僕がチームディレクターをさせていただいているチームの所属するリーグはバレーボールVリーグの2部だ。
Vリーグはプロリーグでは無い、実業団とプロの混ざり合うハイブリッドリーグになる。
僕たちのチームではプロ契約をしているプレーヤーは1人もいない。
みんな働きながらプレーをしている。フロントも働きながら運営をしている。

誰がどう見ても”プロ”とは言えない。

それでもスポンサー企業からいただいたお金でチーム運営を行い、ホームゲームを開催しイベントを行い、Vリーグを3シーズン戦ってきた。

画像1

”プロ”の定義は一つでは無い

すでに”プロ”という定義が確立されているスポーツもある。
でもそうでないスポーツもあるし、スポーツ以外にもたくさんある。

何を以ってプロというのか?

例えば僕の本業であるセールスのプロとは何なのか?
セールスで収入を得ている人。というフィーの事だけを定義とするならば、物を売ってお金をもらっている人全てがプロという事になる。
セールスでお金をもらってる人なんて数えきれ無いくらいいる。

僕はそれをプロとは思わない。 

およそ”プロ”意識の無いセールスマンは数多くいたから。
売れる営業マン=プロとも思わない。

”プロ”の定義とは

プロの定義とは何なのか?

プロフェッショナルとは職業としてその分野で生計を立てる者や、専門的な者。

とある。つまりとても曖昧である。何故なら最後の部分に専門的な者。という言葉があるからである。
明確な定義がないからこそ論争も呼ぶし、独自の解釈をしていくわけでそれを押し付ける気も無い代わりに、押し付けられる気も無い。

僕の中での”プロ”の定義とは相手に損をさせない何かを提供できる。という事だと思っている。
セールスであれ、スポーツであれ、デザインであれ、絵画であれ、音楽であれ、ゲームであれ、事務職であれ、世の中の全ての人間の活動において相手に対し損をさせない何か?を提供することができ、また常にそのレベルを向上しようと努力を継続することができる人間を”プロ”だと思う。

何か?とは何なのか。それは物質的価値もあるだろうし、喜びや感動や癒しという感情的価値でもあるだろうし、いろんな事があるし何でも良いと思う。
要はお金だけが”プロ”の提供する価値では無いということ。

僕は、今現在お金をいくらもらっているか?では無く、お金は後から付いてくる。と考えている。”プロ”であることの定義に今現在の報酬では無く、未来に生まれる対価を想定しているからである。そして対価は必ずしもお金だけでは無い。

ヴィアティン三重というチームの選手

2部リーグに昇格したばかりの彼らのことを”プロ”だと言うと笑う人もいるだろう。もちろん笑っていただいて全然構わない。4年前に何もないところからVリーグに行く。といった時の方がもっと笑われたろうから。

しかし生で彼らと接してきている僕ははっきりと彼らの意識は”プロ”だと言える。

もちろん甘いところもある。まだまだ若さ故の軽はずみさや素直に表現できない部分など足りないところはいくらでも上げればキリが無い。
それでも彼らは自分たちがプレーをする為に、スポンサー企業がファンが、お金を出してくれている事を知っているし自覚をしているし、だからこそ反省もする。

例えば僕たちのチームの売りの一つにYouTubeがある。
チャンネル登録者は1.6万人。2部のバレーボールチームとしては非常に多いと思っている。驚く事にこの編集・撮影は全て選手がやってきた。
仕事をして、練習をして、限りある時間の中で企画をし、撮影をし、編集をし、やっと完成した動画を僕にボツにされたりする。
よく嫌にならんなぁと思ったりする。

それでもコツコツと積み重ねてきた。
それは彼らがもっとファンに喜んでもらうには何ができるだろう?
もっとスポンサー企業の事を多くの人に知ってもらうには何ができるだろう?
もっと多くの人にバレーを見にきてもらうには何ができるだろう?

と考えて考えて、行動してきた結果だ。

画像2

”プロ”が提供できる価値は競技力だけでは無い

プロならば競技力だけに専念するべきだ。と言う意見もあるでしょう。
それも正しいでしょうし、その環境を提供できていないクラブの責任であると痛感もする。
それでも彼らが日々、お金を貰う対価としての価値を提供し、また提供しようと努力を続けている事を知っている。

スポンサーが名前を入れてくれているユニフォームを地べたに置かない。
写真に写る時にはスポンサーネームのシワを気にする。
ファンの方が喜んでくれるなら、試合前でもイベントに参加する。
夜勤明けで試合に臨み、試合が終わったらまた仕事に向かう。

苦労が美談などとは思わない。
だって好きでやっているのだから。
決して苦労話として共感して欲しいわけでも無いし、彼らだけが特別とも思わない。何より彼ら自身もそんな事を望んではいない。

全国にはたくさんの同じようなチームやもっと苦しい境遇で競技を続けているチームや選手がいる。
僕が応援したいのは種目を越えて、カテゴリを越えて、”プロ”意識を持ってチームを支えてくれている人たちに価値提供をしようとしている人たち。
僕はそんなスポーツからとてつもない力をもらう。

画像3

大丈夫。いつか”プロ”じゃ無いくせに。なんて言われなくなるよ。
その意識を持ち続ければ、きっと伝わる。
君たちの魂は紛れもなく”プロ”だ。

*本投稿の写真は@lavi photoさんご提供です。

#応援したいスポーツ