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進化しつづけるための三原則

人類は他の動物と異なり、未来を想像する能力を持っています。
これはうまくはたらくと高度な科学や文明を築くのに役立ちますが、不安感の原因にもなります。

戦後の物資が乏しくてヤギのミルクのお世話になっていた時代であれば、生きることに精一杯で将来のことを憂いる余裕もありませんでした。
高度経済成長期やバブル期は世の中の発展気運に飲まれていれば特に不安なく過ごすことができました。
バブル崩壊後も、まだ終身雇用制や年功序列の日本型企業像が残っており、また「幸せな人生像」をメディアや企業がわかりやすく具体的に示していたこともあり、世の中の言うとおりにレールに乗っていれば大きな失敗をしないという安心感がありました。

ところが現代では終身雇用制も破綻し、インターネットなどの発達によって情報があふれ、「幸せな人生像」に騙されつづけるのが難しくなってきました。
未来を想像する能力が暴走して、人々は「自分にとって幸せがわからない」「このままで本当にいいのだろうか」と日々悩み、不安と戦っています。

このような不安に押しつぶされそうな時代を生き抜くための1つの方法が進化をしつづけることです。
少なくとも「このままじゃ不安だ」と現状にとどまるよりは、進化をしつづけることの方が積極的に不安を解消できるでしょう。

進化しつづけるための三原則

日々「どうしたら進化し続けられるのか」と問い続けてきた結果、以下の三原則が見つかりました。

1. 進化とは、心の安定の上に初めて成り立つものである
1. 進化の端緒とは、己の信念にまっすぐ対したとき、内から自ずと湧き出ずるものである
1. 進化を進めるには、有形の物事に執着せず手放すことである

1. 進化とは、心の安定の上に初めて成り立つものである

さっそく詰んでいます。
冒頭で「不安を和らげたければ進化しろ」と言っておきながら、心の安定がないと進化は成り立たないのです。

「怖い。間違ってるかもしれない」と思っていたら、間違わないために現状維持の道を選んでしまいます。
「ツライツライヤメタイ」と思っていたら、新たな挑戦をしようなんて気は生まれません。
「ヤバイヤバイハヤクシナイト」と焦っていたら、視野がせまくなって現状を最低限乗り切るためだけに全ての体力と時間を使ってしまいます。

逆に言うと、無理矢理にでも最初の心の安定を作れば、それが進化に繋がり、進化を実感することで心が安定し、この正のスパイラルに入って勝手に進化しつづけていくのです。
最初の呼び水となる心の安定を作ることで、全てがいい方向に動き出すのです。

その最初の呼び水となる心の安定を作る方法の1つが、以前紹介した夢をみる方法です。

1. 進化の端緒とは、己の信念にまっすぐ対したとき、内から自ずと湧き出ずるものである

ここにもジレンマがあります。
「何が正しいのか分からない」と悩んでいて、そのモヤモヤを打破するために進化したいのに、迷いなく信念にまっすぐに向かわないといけないのです。

世の中は定常的な状態にとどまるようにできており、変化を生むためには一歩踏み出すエネルギーが必要です。
たとえば「性格を変えたい」という人は、並大抵の決意ではこれまでの人生で染み付いた考え方のクセは抜けず、気づけばもとの自分に戻ってしまいます。
週末に意識高い講演を聞きに行って「貴重なお話で人生観が変わりました」という意識高い系の人が、寝て起きて月曜になったらもとの自分に戻ってしまって、また週末にほとんど同じような内容の講演を聞いて「貴重なお話で人生観が変わりました」と言い続ける人生から抜け出せないのも同じ現象です。
ワーキングプアの人たちが、「スキルアップしよう」と思っても日々の仕事が忙しく、疲れてしまってスキルを磨く余裕もなく、かといって仕事を休めば元々の薄給からさらにお金が減ってしまって生活がままならないので休むこともできず、かといってスキルが磨けなければ給与も待遇も上がらないという負のスパイラルを見ても、やはり世の中は定常状態を保とうとしているように見えます。

そもそも生物は変化に対して多大なるストレスを抱える生き物です。
あらゆる生物は、そのようなストレスを抱えることよりも定常的な状態にあり続けることを選ぶようにできています
人間もその例に漏れないからこそ、あえて今を打ち砕いて前に進むことに多大なるエネルギーが必要になります。

その定常状態から脱却するにはまず「これでいいんだ」と思い切って突き進むことが必要です。
お金を増やすならまずお金を使って商材を手に入れてより高く売るからお金が増えます。
体力を増やすならまず体力を使ってトレーニングや運動をするから体力が増強されます。
時間の余裕がほしいならまず時間を得るために時間を使うから、時間に余裕が生まれます。

この飛び込むエネルギーの源泉が信念です。
恥も外聞も気にならないくらいにどこまでも本気で立ち向えるように、自分の生物としての本能が麻痺するくらいまで信念を強く持つ努力と工夫をしてまっすぐに向かっていくことで、進化の端緒が自然に湧いてくるのです。

そもそも自分の信念がわからない人はどうしたらいいのか。
簡単なことです。「自分は世の中をより良くし、人々をもっと幸せにするために生まれてきたのだ」と思い込めば良いんです。
これが自分のためだけの信念だったら長続きしません。
たとえば「みんなにちやほやされたいから」だけの理由でダイエットをはじめても、きっと途中でつらくなったときに「別にここまでつらい思いしてちやほやされなくてもいいや」と挫折してしまいます。その結果、挫折した自分を嫌いになって気持ちが沈みます。
でもここに夢をみて、それが世の中をより良くし、人々をもっと幸せにするためにやるのだと使命感を持ったらどうなるでしょうか?
「つらいけど、これは自分のためにやっているのではない、このダイエットをやり遂げることで世の中の肥満に悩む人たちの光明となり、肥満から救うためにやっているのだ。肥満を解消するということは病気に悩むことからも救うことになる。すなわちここでやめたら多くの人間を悩ませ病にさせることになってしまう。そんなことでは世の中を良くすることはできないんだ。自分はそうやってこの世の中を救うために生まれてきたのだ!」
こうやって大義名分を妄想して夢をみる努力をすれば、腹の底からエネルギーが湧いてきて、脳みそがおかしくなって生物としての防衛本能がぶっ壊れて、当たり前のように飛び込むエネルギーが湧いてきます

1. 進化を進めるには、有形の物事に執着せず手放すことである

進化とは変化です。
そのためには有形の具体的な目に見えるものに執着せずに手放すことです。

自分の考えに固執したり、これまで時間をかけてきたものを捨てられなければ、進化はとまってしまいます。
「こうでなくてはならない」「これが普通だ」と無意識に縛られることも、進化を阻害します。
短期的な利益を得ることに焦ったり、「間違っちゃダメなんだ」と拘泥すると、取れる選択肢が狭まって進化は鈍化します。

自分の軸としての「より良い世の中になるように貢献し、人々に幸せになってもらう」という信念にのみ強くこだわり、逆にそれ以外の具体的な物事には執着せずに手放して自由な発想でいてこそ進化を進めることができます。

進化とは、言い換えれば捨てることです。
昔うまくいったことに執着して「俺のやり方が正しいんだ」と考えるのは老害です。
それ以上のもっと素晴らしいものにたどり着くことができません。
「実はもっと良いものがあるのではないか?」と昔のやり方を捨てて自由になり、新入社員からでもヤギからでも木から落ちるリンゴからでも柔軟に学ぼうとする姿勢があれば進化し続けることができます。
自分が正しいと思っていることに間違いを見つけることこそが進化なのです。

進化とは、言い換えれば捨てることです。
今持っているお金に執着して「絶対に減らさないぞ」と考えるのはお金を腐らせる人です。
そのお金を使って世の中を良くする新しい事業を起こしたり
自分がしたことのない体験をするためにお金を使って世界を見る目を変えてみたり
慈善事業に使うことで社会的な信頼を得たり
そうやって思い切って執着を断ち切って使ってしまうからこそ、より価値のあるお金や体験や信頼を得ることができるのです。
そこで得たものをまた使うことでますます進化をつづけることができます。

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