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猫を棄てる感想文


ワタシは村上家に飼われているネコである。名前はサワラ、春にいただくサワラの刺身はワタシの大好物である。春樹くんとお父さんとお散歩らしい、ワタシはこれまで乗ったことない自転車に乗り、箱の中に入れられた。これからどこに行くんだろ、あ、海岸が見えてきた。なんか美味しいもの見つかるかな、ちょっとワクワクしてきた。自転車を降りてもワタシは箱の中、早く飛び出して海岸を歩きたいな、だんだん林のようなところにきて箱が置かれた。春樹くんが哀しい目で「サワラ、さよなら元気でね」と言ってきた。まさか、ワタシは棄てられるのか、春樹くんの家族と過ごした日々の小さいけど確かな幸せを思い出した。壁をガリガリしたのがいけなかったのかな、お父さんが仏壇に向かって長いお祈りをしているとき、障子をやぶったからかな。
あ、春樹くんとお父さんが自転車に乗り掛けた。さあ、ワタシも急いで帰らないと、走れ、走れ、国道についた、赤信号だ、目の前にミゼットが止まっている、一本道だし、これに乗って途中で飛び降りれば、きっと帰れる、よし、飛び降りれ、
信号を3つ超えたから次の信号でおりよう。運良く赤信号だったらいいのだけど、やばい黄信号だ、止まれ、止まれと念じたらストップした、やれやれ。
さあ気を取り直して一心不乱に走ったら懐かしいワタシの家にたどり着いた。
さあ、春樹くん達もそろそろ着く頃だから、ワタシの愛らしい鳴き声で迎えてビックリさせよう、「ニャー、ニャー」。

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