【靴屋の小話】芯材探しの話
こんにちはblueoverチームのZUCCOです。
昨日のお話に少し関係ある内容です。昨日のお話はこちら。
爪先部分には「先芯」、かかと部分は「カウンター」という芯材が入っていることをお話しました。
最近それぞれの芯材を新しくしたので、今日はそのときのお話。
新しくしたわけ
実は、今春になってblueoverの定番モデルmikeyの芯材は新しくなりました。
いままで10年ブランドを続けてきて、問題も起こっていないのだから、変えなくてもいいのでは?と思われるかもしれません。
実際、品質的には変えなくても良かったのです。しかし入手先が廃業してしまったため、新しい業者さんを探すことが必須となったのでした。
工場探し
新しい工場さんを探しました。
紹介してもらうために5年以上ご無沙汰していた中敷屋さんにご連絡。
先芯やカウンターをお取り扱いしている神戸の業者さんと長い関係性があるということで、紹介していただきました。
今回の工場探し、材料探しで私が大事にしたことは、
現行のmikeyとあまり変わらないこと。
なぜなら、10年問題もなく、長くご愛用いただいているお声もいただいていたからです。
先方の材料サンプルを何点か見せてもらいましたが、
カウンターは良い感じでしたが、先芯は柔らかい印象で不採用になりました。
次に現行blueoverの中敷を作ってもらっている工場さんに問い合わせました。
こちらでも、何点かの材料を拝見させてもらいました。
試作してみる
先芯とカウンターが何点か集まりました。
「これがよさそうだな~」と目星をつけても、いきなり量産は出来ません。
先芯とカウンター2点ずつ候補を絞って、実際に靴にしてみます。
出来上がりが良くても、縫製や釣り込みなど各工場さんでの作業に非効率があれば採用できないので、工場さんにもヒアリングしつつ、
最終的な出来栄えも見ていきます。
そして、新しく材料を変えるミッションは成功しました。
あとがき
靴作りは見えないところにも、材料が仕込まれていたり、手間がかかっていたりします。
今回の先芯とカウンターを新しくすることは、一見簡単なことのようですが、そのための縫製や釣り込みも必要になるので、1ヶ月以上かかるミッションでした。
変わらないために、変化する。
『新しく変わらない。New unchanged.』
読んでいただきありがとうございました。
zucco
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