小説・成熟までの呟き 27歳・2

題名:「27歳・2」
 2017年秋、美穂は2度目のオリーブの収穫を迎えていた。オリーブは冬に開拓というような土地の整備をして苗を植える。春、美穂が誕生日を迎えた少し後に花が咲き始める。そして、秋には実が熟するのである。収穫しているときは、1年を通して同じ作物に携わったことによる達成感が味わえるのであろう。そのためか、美穂は満足した笑みを見せた。美穂は作業の際、赤色のトップスにオーバーオールをよく着ていた。収穫の時季が一番似合う。うねるようなまとめ髪だった。また、結衣は作業の際に白色のトップスにジーンズを着ていた。細身に合う。結衣は白い服が似合うが、美穂は「清楚な感じだね」と言った。おでこが出る長い髪が一層そう思わせる。すると結衣は、「そう言われると恥ずかしいなあ。でも私は2人の兄に囲まれて育ったためか、割と少年漫画を読んだりメンズの服を着ることも多いんだよ。」と言った。見た目がつくりだす雰囲気と内面がつくりだす雰囲気が大きく違うので、驚いた。さてオリーブの話に戻ると、収穫した実はそのまま食べる場合もあるが、オリーブオイルにも変化する。自然本来のものからつくられるため、美容や健康の観点から人気がある。大尾島の名産品になっている。

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