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ファッション業界編のインスタグラムARフィルター活用事例|Dior(ディオール)

こんにちは。この記事は、

ブランドと、そのファンやユーザーがコミュニケーションをする
新しいツールとして"AR"を活用する事例

を研究・発信する「ARマーケティングラボ」が作成しています。ARを活用したブランドの取り組み・最先端の事例についてご紹介していきます。

今回は、ファッション業界でInstagramのAR機能を取り入れている事例としてDior(ディオール)の事例をご紹介します。


Dior(ディオール)のARへの取り組み

Dior(ディオール)はかなり早い段階でARの導入を行なっているブランドです。PR TIMESで「Dior AR」と検索すると2018年8月には「新作サングラスを試着体験:Facebookカメラ用ARエフェクトが登場」という記事があります。

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2018年8月というタイミングでFacebook / InstagramでAR機能を商用利用できたのはFacebook社とパートナーシップを結んでいる一部のパートナー企業のみ(NBAやディズニーなど)でしたので、Dior(ディオール)もFacebookのパートナー企業としてテスト段階からARマーケティングを活用していたことが分かります。

そして、2019年12月12日にもSnapchatでのARフィルター提供のプレスリリースを出していますので、現在でも積極的にファンとのコミュニケーションにARを活用していることも分かります。

それでは直近のDior(ディオール)のInstagramアカウントでのAR活用状況をみてみましょう。


Dior(ディオール)によるInstagramでのAR活用方法

現在、Dior(ディオール)のアカウントでは3つのARが使えるようになっています。

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そのうち一番下にあるもっとも古いものは、昨年2月にリリースされたものです。当時のDior(ディオール)のARへの取り組みはこちらの記事にとても分かりやすく情報がまとまっています。2019春夏コレクションに登場するアイテムのARフィルターをリリースしたもので、このフィルターは現在も使えます。

そして2019年2月のARフィルターは、結果としては非常に大きな反響があったようです。

WWDの記事によると、1週間で260万以上のインプレッション、220万以上の閲覧数を達成し、約45万人のユーザーが実際に使ったとのことです。


なぜDior(ディオール)はAR活用に成功したのか

ARそのものの素晴らしいクオリティ、プロモーションによる効果、もともとのブランドの認知度など、もちろん様々な要因があると思います。AR制作を担った企業は、The Mill(ザ・ミル)という広告向け特殊エフェクトを提供する実力のある企業です。HPもとても素敵です。

しかし、それらの要因は資本力やブランド力、知名度、フォロワー数などに起因してしまいますので、ここではAR活用のTIPSとしてより再現性が高い要因に注目します。

私たちARマーケティングラボが考えるDior(ディオール)ARの成功要因は、ズバリ「試着機能」です。

ARというとどうしても現実拡張をして、「ありえないような非日常」を演出し、コンテンツを楽しんでもらう。といった文脈を想起しますが、「実需」に狙いを定めることで確実なマーケットフィットを作ることができます。

今回のDior(ディオール)ARの事例でいうと、「アカウントをフォローしてフィルターをタップするだけで、Diorの今シーズンの新作サングラス2色とヘッドバンドを簡単にバーチャル試着できるなんて!」という分かりやすい需要と供給のマッチングが起きています。

実際に使ってみると、顔の角度を変えてもしっかりと認識し、サングラスの特徴や雰囲気を体感することができます。


ファッションブランドのARフィルター活用の背景

「楽しい」「可愛い」といった情緒的なメリットに訴えてARを活用し、失敗する事例は実は多いです。

「ARがあれば楽しくなる」というバイアスがかかりやすいですが、ポケモンGoのような成功は優れた企画力・技術力がARの情緒的な価値を高めていることを認知することが重要です。

反面、試着のように実需にFITさせてARを活用しているケースでは成功している事例が多く、ARフィルターを試着も兼ねたブランドのファンの楽しみとして活用するファッションブランドが増えています。

「試着」という需要に対しての供給として、独自の試着ARを開発しているファッションブランドもありますし、ファッションブランド向けに試着ARアプリをサブスクリプションで提供している企業もあります。

では、なぜDior(ディオール)はInstagramでARを活用するのか?その背景は、InstagramのARを活用して仮想試着体験を提供し、そのままInstagramのアプリ上にあるEC機能を経由して商品を購入することができるということでしょう。

上記の流れが成立すれば、高い費用をかけて自社で試着ARアプリを開発する必要はなくなり、ARフィルターの開発コストのみで完結します。また、自社アプリをダウンロードしてもらうという高いハードルを超える必要もなく、国内3,300万人、世界10億人のダウンロード済みのユーザーにリーチできます。


伸びるAR市場

リサーチ会社のIDCは、2019年~2023年の5年間におけるAR/VR市場規模として、2019年の168億ドル(約1.8兆円)に対し2023年は1,600億ドル(約17.3兆円)と予測しました。

同期間の年平均成長率(CAGR)は78.3%と、圧倒的な高成長を見込んでいます。

スマホの次のデバイスはARメガネと言われていますが、ARメガネの前に、5Gに伴いモバイルでも一気にARが普及すると言われています。

国内でもARにチャレンジする企業やブランドがこれから増えてくるかと思いますので、積極的にAR導入にチャレンジしていきたいですね。

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