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あなたは満足いく睡眠を得ていますか?                生体メカニズムから寝室を考えます!

はじめに


睡眠時の脳では、さまざまなホルモンが自発的に働いて、からだの機能回復や修復、成長や維持に貢献しているといわれています。

ノンレム睡眠・レム睡眠のリズムと役割や、睡眠時に多く出るホルモン又は夜間に多く出るホルモン等、生体メカニズムは非常に不思議でありよくできた神秘的なものだと思えます。

だからこそ、現代社会における多忙な情報量の多い環境の中で、だれもが脳疲労のリスクを抱える現在、傷ついた細胞の修復の為に良質な睡眠が必要とされています。

皆様は、睡眠に対し多くの知識(睡眠に入る前は副交感神経を優位にする等)と自助努力をしていると思いますが、私たちが今まで作ってきた睡眠のための「寝室環境」が皆様のお役に立てていただければ幸いです。

睡眠の知識と自助努力 + 寝室の環境 = 良質な睡眠

 

「寝室の環境」


綺麗な空気をつくる


閉鎖されている寝室、あるいは給気口しかない寝室では、自身の呼吸から出るCO2で部屋のCO2濃度が高くなりやすくなり、CO2濃度が高いと呼吸が浅くなり、脳にとり酸素供給が不足しやくすくなる原因となります。

また、CO2濃度の増加は、睡眠中に頻繁に目が覚めたり、起きたときの頭痛や疲労感および、睡眠障害のリスクが高くなる懸念があるとされています。
濃度を低減すること、これも重要な「綺麗な空気」をつくる役割だと私たちは考えています。

(計算上のCO2濃度は、上記の条件で約6帖の寝室に一人で就寝した場合(安静時)数時間で1000ppmを超える計算となります。)

なお、寝室ではCO2以外でも、ハウスダストや花粉などの異物となるような物質の呼吸からの侵入を軽減するためにも、換気量を上げ「より綺麗な空気」をつくることをおすすめします。

温度をつくる


睡眠時の脳の温度は22℃~24℃が最適といわれていますが、脳温度は呼吸から影響を受けるとされるため寝室の室温はとても重要です。

特に深部体温を一定に保つため、自律神経が夏の「室温が高い場合」は発汗を促して体温を下げたり、「冬の室温が低い場合」は、ふるえによる熱生産や血管を収縮させ熱を逃さないよう調整をしています。体温の調整幅が高いと自律神経は睡眠中も指令を出し続けることになり、結果として疲労を蓄積させてしまうとされています。

寝室の温度が重要なのは、自律神経にとり環境負荷の少ない状況をつくることであり、そのためには、寝室への屋外からの熱影響(夏の暑さや冬の寒さ)を受けにくい、「温度環境」をつくる必要があります。特にマドからの熱影響は高いため、断熱強化が望まれます。また、屋外からの熱影響が少なければ、エアコンの可動率も小さくなり、からだへの負荷も少なくなると考えられます。

なおこのことは、「湿度環境」をつくるうえでも、大変重要となっています。

また、冬の室温改善は低温による血管収縮の改善に寄与し、脳の毛細血管及び間質液を通して排出される老廃物(アミロイドβ・酸化ストレス産物等)の促進に寄与できる事を期待しています。

ひかりをつくる


寝室では、眼球に入る光の情報を制限する必要がある(睡眠に対する影響)ため、照明のブルーライト(380~500nm)を制限し、眠りを邪魔しない明るさと配置にこだわる、「ひかり環境」をつくる必要があります。

また、入眠前のリビングでは、サーガディアン照明をおすすめします。

なお上記内容は、脳が自然に眠ろうとする力を妨げないよう環境を整備することが重要です。