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書いた小説

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#小説

最悪の共犯②

最悪の共犯②

 承前

 パソコンに向かい記事を作成する。読んでて自分が気持ち悪くなってきた…

ー「それじゃあまず手始めに…この作品を紹介して頂きましょうか。」男が差し出してきたのはカレーだ。ある点を除けば至って普通のカレー。「この作品はですね!いや!語りすぎるのも野暮ですね!一言で言うと食べられる苦しみ!ですかね!」意気揚々と男は語る。ー

 その作品というものが、あー…気持ち悪くなってきた…たしか名前は苦

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最悪の共犯(旧2)

最悪の共犯(旧2)

承前 「ひとまずあなたのお家にお伺いしても?」「え?」素っ頓狂な声が飛び出る。「お近づきの印にあなたにご馳走したいものが…それにこのまま警察に直行されてしまってもいけませんからね。」……どうする……?断ったら俺もオブジェの仲間入りだ…でもこいつを家に呼んでしまえば最早後がない。それに!絶対ろくなものを御馳走する気がないぞ!

 第一案。走って逃げる…無理だ!唯一確認できた出口は閉められてる!第二案

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”赤”の死

”赤”の死

 昨日、”赤”が死んだ。世界中の誰もが彼の死を悲しみ、畏敬の念を込めて見送った。

 あまりにも唐突な死。彼がこの世からいなくなった損害は計り知れない。

 誰にでも分け隔てなくその恩恵を与えていた。聖人という言葉が相応しき者。

 だが、彼が死んでも世界は変わらなかった。彼の後を継ぐものが現れたからだ。

 ”赤”の死後…いや…正しくは”彼”の出現で”赤”の死を知ることになったのだが、不意に現れ

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”切り札を引き抜け”

”切り札を引き抜け”

 目の前の男のカードが燃え盛っている。
「ああ、これか?気にすんな。こいつは俺の切り札だからな。燃えているのも当たり前って話だろ?」部下たちに警戒を促す。

「武器なんざねーよ。それより早く…勝負と行こうぜ。」俺の手札は4カード。”そうなるようになっている”「俺の勝ちだな。」そう宣言させて貰おう。哀れな男が手札を振り上げる。

「イカサマは無しだぜ。」

 手札を放り投げ、跳躍。カードがヒラヒラと

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空白の泡沫

空白の泡沫

 「痛ってー!」頭を抑え転がる。いや!頭どころか背中全面が痛い!そして気付く。これは人生で二度と味わえない最悪の目覚めだ!人生で2番目についてない日を更新したぞ!1番目?そりゃあもちろん。全人類があの日って言うだろうぜ。

 えーと今が…すまない。時計とカレンダーが無くなってから早…2年くらいかな?…ちょっと今数える…オーケー。うん。多分3年前だ。時計とカレンダーは1年たった当たりで消えたからな。

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”観ているぞ”

 

”watching you”

 玄関の扉に張り紙が貼られている。どうせ誰かのイタズラだろう。靴を脱ぎ捨て、惣菜をレンジに投げ入れ、パソコンを起動する。

”watching you"

壁紙にデカデカと瞳が文字が表示される。ウィルスか?セキュリティソフトを走らせ、惣菜を取りに行く。

"watching you"

レンジを開くと、大きな瞳がこちらを覗いてくる。

”watching yo

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マシン・ハート・フル・ボディ

 「直ちに引き返しなさい。これ以上進んだならばあなたの現階級に対しての評価は_エラー_階級を参照できません。」

 28枚目の扉を破壊する。

「あなたは重大な違反行為を行っています。あなたの権限レベルにおいて_エラー_権限レベルが参照できません。」

 29。

「直ちに停止しなさい。今投降すれば、あなたの_エラー_血縁を参照できません。」

 30。最後の扉の先には、大量のタレットが待ち構えて

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ビリオンダラー・ブレイカーズ!

 今まさに宝くじを買いに行こうと思い付いた、30代後半の小汚い男は、2週間後の当選発表の日を境に大金持ちになる。その日は、10年後、世界が乱れる原因が生まれる運命の日でもある。

 「いいか。タイムマシンの性質上、活動できるのは、運命の日の前後2週間。奴らの邪魔も予想されるが、歴史への影響を少なくするため穏便に事を進めなくちゃならない。」演説をする彼の目の前には5人の男女が並ぶ。「最大限のバックア

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ライズ・ザ・ジャスティス

ライズ・ザ・ジャスティス

 ”明日までに殺すべきリスト”目の前に倒れている男はその不名誉な墓標に、名を刻まれた男だ。息はある。救急車を呼びその場を後にした。

 リストに刻まれた人間は必ず次の日に犯罪を犯す。だからボコボコにして病院にぶち込むことにした。拘束されてりゃ罪は犯せないはずだ。

 家の前、ポストを確認する。リスト。今回はさらに手紙。そして梱包されたこれは…贈り物?宛名は無い。一応持っていくか…。部屋に入り、リス

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ラストスタンド・ヨコヅナ

 足元から広がる土の感触、あの場所程ではないにしろ、馴染む。幾年ぶりの土だ。かつての横綱、黄龍はこの場所を懐かしむ。だがここはテスト会場。彼に相応しい場所ではない。だが彼にはもう一度、最初からやり直す意味があったのだ。

 あらゆる産業、スポーツがロボットになり変わられた現代。無論、相撲も例外では無かった。様々なギミックを内包した相撲は武道ではなく娯楽として昇華されていくこととなる。

 神事とし

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嘘つきのラムダ

 僕のクラスメイト、葵華は嘘つきだ。僕には彼女の嘘を見分ける術はない。

 だけどある程度の習性は理解した。彼女は僕にしか嘘をつかない。分かり辛いものからすぐに嘘と分かるようなものまでつく内容は様々だ。

 だけどたまに本当の事を言うのだ。ふざけた内容ほど本当だったりする。それを平均化した結果彼女は4回に1回の周期で本当のことを言うことが判明した。それを彼女に伝えたところ爆笑して、18回連続で嘘を

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殺人者の作法

殺人者の作法

 殺人者にも作法がある。

 まず1つ、余計な奴は殺さない事だ。不必要な奴を殺したところで意味はないし最悪状況は悪化する。お前は殺すと決めた人間だけを殺せ。スマートにだ。

 2つ目、痕跡を残せ。お前が関わった事実は消せ。だが事故死、自殺に見せかける行為は腰抜けのすることだ。自分の殺しに自信を持っているのなら殺したという痕跡を残せ。その手口で警察すら魅了しろ。

 3つ目、シンプルに殺せ。派手に惨

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スーパー!✕マッハ!

スーパー!✕マッハ!

 ある日、超常の奴ら《エクセクター》がこの世に発生した。強すぎるその力で彼らは…

 「ブルービート!時速600kmでカーブに突っ込んでいく!無理だ!無謀だ!おぉっと!エクセクター"レイル・ザ・ウェイ"がコース上に飛び出す!車体を抑えながら壁を走る!無理やり曲がらせたァー!」

 「逃げ切られちゃうよ!」相棒のエクセクター”ラビット・フット”が叫んだ。「どうする?流石のお前でもあのビルは超えられな

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スクリーミングカルト!

スクリーミングカルト!

「うおおおおおおおおお!!!」
「うるせぇ!!!」
叫び続けるアホに向けて引き金を引いた。

 人前で叫べば叫ぶほど天国に近くなる。こんなアホな教義を掲げた、スクリーミングカルトと呼ばれる宗教が流行したのは3年前。終末論とか陰謀論やらに毒されたバカがお手軽に天国に行ける!と、挙って参加して今では一大勢力だ。

 無論、迷惑なので誰もが止める。だから奴らは武装した。中には、叫び続けることで喉が進化し

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