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「自分ごと」だと人は動く

「自分ごと」だと人は動く(博報堂DYグループエンゲージメント研究会 著)

・生活者主導社会。キーワードは「自分ごと」
情報を拒否する力: 膨大な情報を全て処理できないのでスルーする。
情報を発信する力: もうマスメディアからの一方通行は終わった。生活者が上記の力を持っている社会を生活者主導社会という。コミュニケーションを成功させるカギは「自分ごと」

・細分化する社会
これまで世代や年齢でセグメントできていたターゲットだが、趣味嗜好が細分化して、大衆などはもうなく、個々のネットワークに変化している。生活者との関係は、to Cからwith Cへ。これまでの企業ブランドは「他人ごと」で、新しいコミュニケーション方法へ変わった。マーケティングスタイルの変化は、生活者をパートナーに、戦略はストーリーへと。

・シェアする技
その1「おく」:角砂糖をおくと、蟻がよってくるように。
相手に強要せず、そっと提案内容を知らせる。スルーしたい人はスルーし、興味のある人は食いつけばよい。

その2「コラボする」
それぞれが持つ興味の結びつきによって、情報や知恵を出し合う。みんなで情報をシェアする。

・スルーする技
その1「気付かない」:見えているけど見ない。無視する。
その2「見切る」:不要と判断し、削除する。
その3「放っておく」:一度それなりに把握するが、とりあえず保存。

自分と関係なさそうな情報は、全てスルーすることで情報整理をしている。生活者はスルーすることで自分の身を守っている。

・自分ごとになれば、スルーされない
メッセージが自分ごとになれば、生活者同士でシェアされ、また次のシェアを生む。感動や好意のレベルまでいけば、生活者が積極的に発信していく。自分ごとへの第一歩は「突っ込みどころ満載」。コミュニケーションしていく相手に「!」「?」を生み、質問や意見を引き出す。
さらに、エンゲージメントテーマ(共感を持ちうるテーマ)を見つけ出し、それをみんなで体験できる仕組み作りがポイント。

・それでも人は誰かとつながりたい
細分化された社会の中で、個人同士を結びつけるのが自分ごと。それは、以前に比べて他人に無関心になったのではないか。しかし、人とつながりたい欲求は依然として、むしろこれまで以上に注目されている。だからto Cではなく、with C。生活者が参加できる余地をいかに残せるか。ブランド側がいじられ上手になることが大切。いろんな人を巻きこんでブランドは増殖するイメージ。コントロールできない部分が多いけれども、総合力こそがマーケティング。