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給料の踊り場〜実力と給料の関係図〜

YouTuberとかメルカリ転売屋とかブロガーとか、フリーランスや個人事業主として生活していける人を本当に尊敬します。この世の中において、「お金を払う」と「お金を貰う」の図式が成立するのは想像以上に難しいことだからです。

会社に勤めてお給料をもらっている人も多いと思いますが、自分もその渦の中のひとりです。長い間、社会人をやっていると「ちょっと相談いいですか・・」というシーンも度々ありますが、最も深刻なテーマであり最頻出な質問はこれです。

「給料が上がらないんですけど、どうやったら上がりますか?」

すみません、それはその答えは知らんです。責任持てないので自分で考えてください。私だって人ごとではないですし。
でも、マネジメントとして多くの人の評価と向き合っていると、給料の上がり方にパターンがあることに気づきました。それを知っておけば少し先を予測できるので、今の会社を辞めたほうがいいのか、または今の仕事のやり方を続けていいのか、など行動に迷いがなくなると思っています。

多くの会社は評価制度によって給料が上がったり下がったり、ボーナスが決まったりすると思いますが、もちろん評価の高い人がお金を多く貰えるのが通常だと思います。この評価の基準が

1:売上や部署のKPIの目標達成率のような結果に応じた項目
2:取り組み姿勢や周囲への影響のような間接的な効果に応じた項目

のように多面的に評価されることが多いのではないかと思います。これらをまとめて”実力”と仮置きしますが、当然なんらか実力がなければ給与が上がることは困難です。しかし実力を正しく評価されているとは限りませんし、ある側面では高い実力なのに、別の側面からみると低い実力ということがあります。この実力と給料の上がり方を以下パターン化しました。

パターンA (平行線)

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概ね自分の実力と会社からの評価・給料にズレがないパターン。理想的ではありますが、こうならないのでみんな悩むのです。ただこの形が基本形になります。

パターンB (後から追い上げ)

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実力があっても、入社段階(新卒や他業種の転職など)で最初から評価されていて給料が適切なケースは少なく、本来はもっと貰ってもいいはずの人材であるパターン。でもこのケースだと、ベースとなる実力があるので時間の問題で評価は上がり(上司や仕事上の役割が変わるなど)、30代前半までには本来の実力どおりの給料になるでしょう。

パターンC (高い給料でスタート)

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パターンBの逆パターンで、採用強化職種などで予め高い給料からスタートするケースです。最初は給料に見あった結果を残せなくても、数年で実力と給料のバランスがとれるでしょう。しかし、30代中盤以降は実力が上がっていっても、同じように給料があがるとは限りません。求められる役割も変わります。

パターンD (踊り場)

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ここまでのパターンはある意味、基本形であり実際はもっと複雑なはずです。今回のテーマでもある給料の踊り場が最も相談が多いパターンである気がします。基本的にみんな新入社員のときは、これからの不安や期待と共にそれなりに先輩に教わりつつ同僚と切磋琢磨して、一定レベルまで実力が上がります。ところが、器用な人もそうでない人も、得意不得意もあり、入社5〜6年目(20代後半あたり)にもなるとマンネリ領域に突入します。当然、評価や給料もさほど変化はなくなります。要するに、給料が上がらなくなります。

この先、環境を変えるのか(転職や部署異動など)、やりたいことを見つけるまで居座るのか、実力および給料があがる分岐点になります。後半戦は後ほど。

パターンE (階段の途中)

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ひとつ大事なポイントは、実力は急についたりせずに日々の鍛錬で上がっていく場合が多いと思いますが、給料は階段上にしばらく上がらない時期が続いたと思ったら、ポンっと上がって、また平坦な時期があるという形を繰り返すことです。この給料の上がらない平坦な時期に(赤丸の箇所)、前述したパターンD(踊り場)と勘違いしないことです。実力もついてきているし、給料も長い目で上がっていっている、なのに周りの昇進や評価に嫉妬して、あたかもパターンDのような踊り場に入ったと思わないことです。

本当に実力がついているならば、見る人が変わったりタイミングによって給料は上がります。数年上がらないようであればパターンDでしょう。

パターンF (後半戦)

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もう少し先の30代後半から60代ぐらいまでの時期について。パターンAの基本形のように、実力も給料も上がり続けるのであればそれはそれで理想なのかもしれません。選択肢も増え、この年齢に限りませんがスキルやアイデアも豊富な方は企業や独立など、乱高下する可能性も含め大幅な収入の変化がある方もいると思います。しかし一方で、「老害」「お局さま」などという言葉があるように、スキルや実力があるがために先が読めて若者の挑戦の阻害になったり、アクションをおこせなくなってしまったりといったいわば実力の低下現象が起こるかもしれません。

給料も一定まで上がっているもののさらなる上昇は見込めず、給料に見合った成果が出せず結果として給料が下がるというパターンになると思います。正社員から嘱託への移行など、明確な時期があるかもしれません。だから、少なくとも実力が下がらないように鍛錬は続けていく必要があると思います。

まとめ

パターンAからFまで、社会人としての「実力と給料の関係図」を6パターン記載しました。最初の3年が大事などと言われますが、正直なところ20代後半あたりで、踊り場になるパターンが比較的に多いように感じています。それは、人格の問題ではなく向き不向きなども含めてです。歳を重ねるにつれて、周囲の成功やスキルがついた分のプライドなど、自分の足を引っ張る要素が増えてきます。だから、20代前半の成長速度と30代の成長速度が同じであれば、加速度は下がるのです。だから、今までうまくいってたのになんでうまくいかないんだろう、というのはこの原理なんだと思います。

実際の社会では、実力はなくても先にポジションを与えることで(役職など)後から実力がついてくるパターンもあるでしょうし、期待されたものの任された役割を全うするだけの成長ができずに逆に苦しむパターンもあると思います。なので、評価や給料だけが高い状態だと後から自分が苦しむことになります(周囲の期待に答えられない自分がいることで反感を買います)。なので、実力と給料の成長曲線は相互にバランスをとって上がっている状態が健全なのだと考えています。