有田の梅雨

5月末~7月中旬 九州のこの時期は、本当にジメジメとした湿度の高い日が多いです。先日も大雨に降られて人にとっては大変な季節、でも、紫陽花や草花にとっては恵みの雨となっています。


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有田焼の原材料になる花崗岩は有田町東部全体に広がっており、水はけがいい反面、四方の山から谷側になる街へ向かって水が集まってきます。そこで先人の知恵としてあったのが「井戸」です。各家につき1か所あるといっても過言でないほど たくさんの井戸がありました。

豊富な水は、生活に必要な分はもちろん、泉山磁石を運ぶ、泉山磁石を唐臼(水車)で砕く、陶土を練る、ろくろをひく、釉薬をかける。すべてにおいて水を必要とするものばかりです。

素材を砕き 運ぶことも出来る「豊富な水」、有田焼の原石「泉山磁石」そして、磁器の焼成に必要な高い温度を引き出せる「赤松の薪」。この3つが揃っているからこそ『有田焼』が生まれといわれています。

そして、水に関してもうひとつ

先人の知恵として
「井戸ぎりぎりまで水(水面)が上がってきたら梅雨が明ける」
と言われています。
また、有田の伝統的な家屋は、岩盤を削り込んで家の基礎に組み込んでいることが多いので、梅雨が明けるころには、この岩盤にも水が上がってくることがあります。……軒下の風通しを良くしておかないと、大変なことになってしまいますが……。

とにかく、水の豊富な有田町。
水道水であったとしても美味しいと言っていただけますので、次回有田にいらっしゃったときには、ぜひ試飲されてみてください。





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