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【古代エジプト】ミイラの防腐剤のレシピが美味しそうなので、手に入る材料で置き換えてみた(前半)

こんにちは、お菓子テックカンパニーCEOの柴田アリサです。

イギリスBBCニュースによると、最新の研究により、古代エジプトでミイラ作りの防腐処理に使われた成分が明らかになったそうな。

(以下、イギリスBBCニュースから一部抜粋)
最新の研究により、古代エジプトでミイラ作りの防腐処理に使われた成分が明らかになった。
紀元前3700~3500年前のミイラに対して行われた法医学的な科学調査で、この防腐剤がこれまで考えられていたよりはるかに昔から、広い範囲で使われていたことが分かった。
問題のミイラは現在、イタリア北部トリノのエジプト博物館に保管されている。
今回の発見は学術誌「アーキオロジカル・サイエンス」で発表された。
英ヨーク大学の考古学者スティーブン・バックレー博士はBBCニュースに対し、このミイラは「文字通り、エジプトでの4000年にわたるミイラ製作の中心となる防腐処理を備えている」と話した。


この記事によると、防腐剤のレシピはとてもとても自然由来。


植物性油:おそらくゴマ
植物か根からの「バルサム(樹脂の一種)のような」抽出液:ガマ属の植物
由来とみられる
植物性ののり:アカシアから抽出されたとみられる糖
針葉樹の樹脂:おそらく松ヤニ

手に入る材料に置き換えてみると。

植物性油:おそらくゴマ→ごま油
植物か根からの「バルサム(樹脂の一種)のような」抽出液:ガマ属の植物
由来とみられる→殺菌効果のある精油
植物性ののり:アカシアから抽出されたとみられる糖→アカシアの蜂蜜
針葉樹の樹脂:おそらく松ヤニ→普通に松ヤニ

これを全て混ぜてネリネリすれば、ミイラの防腐剤の完成です。蜂蜜が入ってるし、ごま油の香ばしさも手伝って、なんだか美味しそうですね!

さて、わたくし、ミイラには少しばかり自信があります。
ナショナルジオグラフィックのミイラ特集は全て読みこみ、オカルトサイトのミイラまとめを夜中に読んで震え上がるのが好き。

というのも、いじめられっ子体質で、友達が極端に少なかった小学校中学校時代。
誰かと遊ぶことも少なく、大嫌いな体育の授業をサボるために、図書館の隅っこの方にある、本棚の下の段に隠れ身をひそめることがマイブームだったころのこと。
エジプトの歴史の本に釘づけにでした。

クレオパトラや、歴代の王様たちの政治手腕や戦略がたくさんのっていました。
とても暇だったので、こんな風に独裁をにぎり、当時の天敵だった、バレーボール部やバスケットボール部に仕返しできないかなあ〜と、考えていました。

いじめっ子のバレー部とバスケ部。彼らは、わたしの机を上下逆さまにひっくり返して、椅子が引っかかるのを見て笑ったり、教科書を盗んだり、あとは女子特有の悪口合戦。
物理的かつ原始的な攻撃によりわたしを精神的窮地にたたせようとしていたわけですが、机をひっくり返されても戻せばいいし、教科書の内容は全部覚えているので、なくても大丈夫。そもそも授業は、つまらないから寝てます。

どうせ中学卒業したら違う高校だし悪口もどうでもいいやって感じで、基本的に「時間が解決する」スタイルを採用!
ほっといていたのですが、とはいえ、あまり気分がよいというわけでもない。
このまま仕返ししないで、ぼーっとしてるのもなんかヤダ ということで、エジプトの王様たちの「圧倒的力を身につけて誇示して政治的にも根回しを欠かさない=ブランディング」という手腕に学び、今の学校社会にもあてはめるやり方を模索して実施しました。そんなわけで、わたしは、古代エジプト人たちにとても感謝しているのです。


他には、ピラミッドの作り方の仮説もたくさん掲載されていて、このおかげで力学と空間図形を考えられるようになった気が!ありがとう古代エジプト人。(学校の授業よりは、ずっと勉強になりました。)

とりわけ興味深かったのが、ミイラのこと。
王家の人は死んだら、だいたいミイラとして保管されるのです。

「偉い人が死んだら、とりあえず生き返った時のためにミイラを作っとくか!」って感じで、とてもインスタントに人の死体を保存している習慣がセンセーショナルだったのを覚えています。

日本では、死者の体を傷つけることはとても悪いことというイメージです。
でも、エジプト人は、死んだ王様の体を、とても積極滴に、色々と加工処理します。
なので、とても新鮮でした。

それに、”生き返った時”のために保管するっていう、目的!
前向きか!死に対して前向きか!
精神的に、死という概念に打ち勝ってるイメージ。ネバーギブアップ百折不撓な心意気を感じます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エジプトの偉い人
「もう少しで俺死ぬけど、しばらくしたら生き返るかもしれないし、でも、そのとき体ないと困るからさ、ちょっと保管しといてよ」

家臣たち
「ガッテン承知のすけ!」
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リスクヘッジできる上司と、それに全力でこたえる部下との信頼関係、そして、決して諦めない心。
風通しのいいベンチャー企業みたいですね。上司がいなくても運用していける点も素晴らしい。経営と運用は、切って離されるべきなのです。IPOできちゃう。一経営者として、みならわないと。

結果論ですが、リスクヘッジしすぎて紀元前3700~3500年前のミイラから、貴重なデータを得ることができたりと、当時の彼らの判断には、とても助かる現代の考古学分野。

今回の、ミイラの防腐剤レシピも、時代に先見性がありすぎる当時のエジプト人のおかげて、発見することができたわけなのです。

ミイラには、色々な種類があります。

乾燥型
氷漬け型
薬漬け型

など、様々。

日本だと即身仏もミイラの一種。これは乾燥型。
薬漬け型は、ロシアのレーニンさんが全身をホルマリンとかの特殊な防腐剤につけられて。死後しばらくたった今も、大切に保管されています。

全てに共通しているのは、「水分子が機能しない」ということ。世の中万物全てのものが腐る原因は、水が含まれていることに起因することが多いのです。水があると、腐敗の原因であるバクテリアや最近が繁殖します。

なので、腐らずに保管するには、いかに水を取り除くか、や、水から水としての機能を奪うか が重要になってきます

今回のBBCの記事は、エジプトのミイラなので、乾燥処理されているものです。水分子がほとんど失われているのです。

ここで、乾燥型ミイラの基本的なレシピを紹介したいと思います。

乾燥型ミイラの作り方
・生き物の死体
・ナトロン
 塩と重曹を混ぜたようなもの。塩と重曹の割合は1:1
・手作りの防腐剤
 ごま油 
 殺菌効果のある精油 
 蜂蜜 
 松ヤニ

1脳を取り除きます。脳のシナプスはすぐに死滅するので、脳を一番はやく取り除くのが大切です。鼻の穴とかから、ほっそい棒を突っ込んで、脳をぐちゃぐちゃにし、鼻の穴から脳をだーっと流し出します。

2内臓を出します。内臓は、バクテリアの温床。1のあとは速やかに内臓を取り出しましょう。死んだ瞬間に腐敗がはじまります。

3体の空洞になった部分にナトロンをつめこみます。外側も、ナトロンで覆い、3ヶ月くらいの間、湿気の少ないところに放置。

4塩から体を取り出し、手作りの防腐剤でマッサージします。

5布で包んで、あとは、ツタンカーメンで有名な、宝石や金で飾られたケースに入れて、冷暗所に置いておきしょう。

ナトロンとは、アルカリ性の塩のことで、バクテリアや細菌を不活性化します。
ナトロンのほうが、塩と重曹で作れるので安価ですが、pH調整剤が手に入れば、そちらでも構いません。(推定)
pH調整材はコンビニおにぎりなどに入っている添加物で、これは、細菌を不活性化する目的で使われており、ミイラ保管におけるナトロンとほぼ同じ役割を持ちます。


こんな感じで、法律と気持ちが許せば、家にある材料でミイラを作ることができちゃうわけなのですね。
お漬物感覚です。塩漬けの作り方と似てます。野菜は3ヶ月も塩漬けにしたら、辛くて食べれたもんじゃないので、せいぜい一週間くらいにしてくださいね。

あ、わかった。ミイラの作り方って、サラミの作り方にも似てる!!!

さて、次回は、ミイラの防腐剤の材料をもとに、クッキーを作ってみたいと思います。乳製品も卵も使用しないので、バクテリアの発生も最小限。

もしかしたら、保存期間5600年の長持ちクッキーができるかもしれません。(ただし自己責任でお願いします。)





note書くときのコーヒー代や、クロエちゃんへのスペシャルおやつ代にさせていただきます٩( 'ω' )و