【読書メモ】知的生産術
情報
○著者:出口治明
○読了日:2021.08.14(再読 2回目)
感想
出口治明さんによる仕事術の本。本書の骨子は、大きく2つ。
1.日本の生産性が低いのは、今も「戦後の工場モデル」に合わせた働き方をしてしまっているから。
2.仕事は「どうでもいいもの」なので、生産性を上げて「人・本・旅」に使う時間を増やせ。
2つめは書いてあるとおりだが、1つ目を補足しておくと、日本は戦後、アメリカも追いつくことを目標に工場(製造業)中心の成長モデルに沿って成長を遂げた。すなわち、工場をフル稼働させて、利益を伸ばすビジネスモデルだ。
そのため、指示通りにベルトコンベアの前で長時間作業できる従順な社員(特に体力がある男性)が当時は重宝されたわけだが、サービス産業が中心となっている今となってはそういった考えの人材や働き方は全くマッチしないよ、っていうのが著者の主張である。
著者の出口治明さんは、ライフネット生命保険の創設者であり、今はAPU(立命館アジア太平洋大学)の学長をされている方。
大手保険会社に長年勤めたのち、還暦でベンチャー系の生命保険会社立ち上げに挑戦するかなりアグレッシブな人で、かつ読書家で歴史などの教養も深いからか、結構ビジネス書を書いている。(ざっと調べた限り2021年現在で60冊程度)
こういう発言は偏見でかつ大変失礼かもしれないが、大企業勤めが長く、かつ結構なお歳の割には、いわゆるモーレツ的な暑苦さがなく、ほどよいゆるさと教養を感じさせる雰囲気が好きで、この夏休みはこの人の本を立て続けに3冊読んだ。
さすがに3冊も読むと共通する内容も多かったが、全般的に共感できることが多い身のある読書だっただった。著者の歴史の本とかも手にとってみたい。
読書メモ
- 無限大ではなく、「無減代」を考える
⇛仕事をなくすこと。減らすこと。使いまわしたり、代用することを常に考える
- 生産性を上げるとは、「同じ仕事をより短い時間でこなすこと」「同じ時間でたくさんの量をこなすこと」「同じ時間で仕事の質を高めること」
- 「メシ・風呂・寝る」から、「人・本・旅」に切り替える
- 同じ量の仕事、同じ能力であるならばスピードが速ければ速いほど、相手に与えるインパクトは大きい
- 職場の役割は「偉さ」を表すものではなく、「機能」による役割分担に過ぎない
- 1年間に仕事を2,000時間しているとして、1年は8,760時間。所詮、2〜3割
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