オタク婚活~婚活パーティーの苦い想い出

現在私は35歳。
2年前にTHE婚活を経て結婚した。
この結婚に繋がる婚活は約1年ほどで終わったが、
出会い別れを繰り返し、これまで10年ほど婚活市場をウロウロしていた。

婚活といっても様々な種類がある。
マッチングアプリ、婚活パーティ(街コン含む)、コンパ、紹介、結婚相談所、お見合い……
正直私は正式なお見合い以外はすべて経験した。
特に結婚相手と出会うまでの1年間はほぼ毎日が婚活だった。
アプリは常に3つ稼働、結婚相談所経由のミニお見合い(ホテルのラウンジで1時間程度お話する形式)は週に2名と行っていた。
20代前半は婚活パーティにも結構な頻度で通っていたが、年々、一気に大勢の異性と話をするのが負担になってきたので
途中でやめた。

婚活を経て結婚したせいか、はたまたオタクが婚活して結婚できたせいかわからないが
時々ドルオタ仲間からどんな婚活をすべきか相談を受けることがある。
しかしながら正解はわからない。
向き不向きが確実にあるからだ。
例えば、初対面で良い印象を持ってもらいやすい人(その自信がある人)はコンパや婚活パーティで良いと思うし
自分の趣味や情報を前もって知ってもらいたい人はアプリから始めた方が良いと思う。
また、相手に経済面で確実な安定を求めたい人は結婚相談所がお勧めだ。
ただ、個人的にはとりあえず一周してみよう!と言いたい。
やってこなかった方法で運命的な出会いをする可能性もあるからね。
よっぽど人間嫌いな人であれば苦行だとは思うが、色んな異性と話をすることで自分が見えてくることもある。
よく、婚活中にしんどくなるという話があるがそれはたぶん、婚活=自分と向き合うことに直結するからだと思う。
色んな人と話していると自分の良いところにも気付けるし、嫌なところにも気づかされる。
それでも結婚するということは人生のとんでもない大変化となるし、自分一人の人生ではなくなるわけなので
やはり自分と向き合うことは婚活には不可欠だと思うのだ。

さて、今回は10年ほど前に足しげく参加していた婚活パーティについて語りたいと思う。
私が参加していたのはたぶん100対100くらいの割と大規模なイベントだった。
ただ100人ずつそろうことはなかなかなく、いつも男女70名ずつくらいしかいないことも多々あった。
参加費は女性は無料、男性は5000円。
お洒落なレストランというよりビルの中にあるちょっとした食堂のようなところで有名店のケーキとドリンク缶1本(ソフトドリンクorアルコール)が与えられた。
女性は無料なのでケーキ目当てに来ている人も見受けられた(そういう人は誰ともしゃべらず皿にケーキを山盛りにして食べているのですぐわかった)。
形式はいわゆるスタンダードなもので、女性が決まった席に座っていて、数十秒程度男性と話をし、チャイムが鳴ると男性が1席ずつ移動していく。
時間の都合上全員と話すのは無理だった記憶があるが、50名程度の異性とはひたすら笑顔でしゃべりたおした気がする。
(そしてそれはとても疲れる)
婚活パーティの利点は単純にとにかくたくさんの異性と出会えることだ。
実際、その利点を生かして(?)恋愛目的ではなく何かしらの商売目的の人や、スポンサー目的のスポーツ選手などもいた。
ただこの形式、本当に本当の運命の出会いでもない限り「見た目9割」戦だと個人的に思う。
私はモテるタイプの見た目ではないため、アドレス交換(時代…)に至ることは本当に少なかった。
それでもたまに気に入ってくれる方がいて、そういう方と出くわすと「世の中広いなあ…」と思ったものである。
その中の一人、Kさん(仮名)はお互いに第一印象がとても良かった。
話しやすくて、にこやか、人当たりがよく、話も盛り上がった。
私たちはパーティ当日中にアドレス交換をした。
その時、Kさんは営業職をしているO型です!と謳っていた。

Kさんとは複数での飲み会をしたり、メール交換をしたり、順調に交流を続け
ついに二人でデートまでこぎつけた。
私の家の近くまで車で迎えに来てもらい、近くの海までドライブし、浜辺を歩いたりした。
決して悪い時間ではなかった。
途中でスウィーツでも食べようとKさんが言い出し、カフェにでも行くのかなと思いきや
近くのコンビニでコンビニスウィーツを購入し、車の中で食べた。
多少びっくりしたが、まあ飲み込んだ。
それはいい。そんなことはもはやいいのだ。
帰り道、家まで送ってもらっている時Kさんは口を開いた。

「あのさ~俺、営業やってるって言ったけどあれ嘘。本当は運送会社でドライバーやってんの。そんで血液型はB型」
……ん?(^.^)
「なんでそんな嘘ついたの?」
「ほら、営業って言った方が聞こえがいいでしょ?あとB型って嫌われるじゃん?だからO型って言ったんだよね」

Kさんはさらっと言った。
私は運送業のドライバーさんでもB型でも構わなかった。
特に血液型なんてどの血液型でもいい人はいい人だし、嫌な人は嫌な人だ。
また、経験上、営業職で嫌な人も見ていたので職業についても気にならなかった。
が、あまりにもさらっと嘘をつき、悪びれることもなくさらっとその嘘を自白したこと自体に20代前半のうぶだった私はショックを受けた。

例えば複雑な家庭環境、持病、障がい、生い立ち、宗教、国籍……様々な事情でなかなか初対面の方に言い出せないことって普通にあるとは理解している、し、
それは婚活市場に立つ人は皆、理解していてくれたらいいなと思う。
婚活とは他人と他人が結びつく場なので。
ただ、息をするように嘘をつかれると正直なところ、他のことまで嘘をつかれてるんじゃないかと不安になってくる。
彼も不安だったんだよと言われればそれまでだが、婚活はこちらも真剣だ。
安易に嘘をつかれることは、本当のことを聞かされるよりも嫌われる可能性が高い。
こっちだって恋愛市場以外で営業職の人間と接触することも多い中で、良い人嫌な人嫌すぎる人も見ているので「営業職~?素敵~!」なんて安易にならないんだよ。
女なめんなよ……おっと、口がすぎました。

これがいわゆる自然な出会いだったらまた感じ方が違ったかもしれない。
私がKさんを情熱的に愛していたら、嘘も抱きしめて受け入れたかもしれないし、嘘をついた不安感さえもいとしく思えたかもしれない。
しかし婚活市場。
ただでさえ、情報量が少ない出会いがスタートなのでそこで嘘をつかれると一気に信頼度がダウンしてしまう。
見栄を張りたいとか自分のパーソナリティに自信がないなど理由はあるかもしれないが、
嘘をつくことは婚活中の同性異性どちらにも失礼な行為だと思う。

言えないこと、時期を見て話したいことがあるのは構わないが
わざわざ嘘をつくのはやめていただきたいと思った24歳の夏だった。


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