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ITエンジニアに求められるマインドセットとは?「これから求められるエンジニア」を育成するための社内取り組み

はじめに

長いことIT業界にいる筆者ですが、実はARIに入社するまでエンジニアさんと関わる機会がほとんどありませんでした。
勝手に描いていたエンジニアさんのイメージは、職人さんのように黙々とお仕事をしている姿。でも、ARIでエンジニアさんと直に接する機会が増えた今は、むちゃくちゃコミュニケーション力が大事な仕事だなと感じています。
 
知れば知るほど裾野が広く、奥が深いエンジニアさんのお仕事。直近数年内でも目まぐるしく変化するIT業界で、エンジニアさんに求められるものもどんどん変わっているのでは?そんな疑問が沸き上がった結果、周囲の方の考えや意見を反映してまとめたのが本記事になります。

また「これから求められるエンジニア」を育成すべく、社内で行っている取り組みの一部もご紹介しておりますので、是非最後までご一読ください。

これからのエンジニアに必要なマインドセットとその背景

2018年に経済産業省が『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』を発表して以来、日本にもDXという言葉が広がりました。これまで外部にシステム構築を依頼していた企業も、内製化に向けて舵取りをするケースが増加。
そして今後、内製化の動きがさらに加速すると、エンジニアにはよりビジネスサイドに近い考え方と思考力を持ち、時にはプロジェクトをけん引するリーダーシップが求められるといいます。
 
2022年4月に、Qiita主催イベントでARI取締役専務執行役員の中野がトークセッションを行った内容もこの流れを含んでいます。テーマは「エンジニアが推進するDXの可能性や主導するエンジニアのあり方」について。

セッションの中で印象に残った言葉があります。
「エンジニアはDX全行程に主体的に関わっていく存在であるべき。」
そして「DXを効果的に進める上では、エンジニアのチームがビジネスメンバーや経営層も含めた他のチームを巻き込みながら、時にリーダーシップを取り、時には裏方的なフォロワーシップを発揮することが成功に近づけるポイントではないか。」
※参考:https://zine.qiita.com/event/202205-salesforce/

ビジネスサイド、エンジニアサイドそれぞれの立ち位置から、お互いの強みを最大限に活かすことで内製化の価値が創出されるのではないでしょうか。
また、内製化という手段をとらない企業であっても市場で遅れをとらないために、他社と同等以上のサービスを目指さなければなりません。そのため、クライアントワークに携わるエンジニアに対しても、同様の期待は寄せられると考えます。

エンジニアに求められるスキルとは?データからの考察

次に、実際のデータからみられる「エンジニアに求められるスキル」について紹介していきたいと思います。

アクサス株式会社が、各企業のITエンジニア採用責任者1,013名を対象に実施した「採用課題と背景に関する調査」において、自社のITエンジニアについて人材不足に陥っているかを聴取したところ『若干の人材不足に陥っている(50.0%)』が最も多く、次いで『深刻な人材不足に陥っている(29.3%)』となり、約8割の企業でITエンジニアが不足している状況となっています。(図1)
 
応募者総数に対する採用率については『40%~59%程度』と回答した企業が30.9%と最多。また、採用率40%を下回る企業も全体の約3割となっています。図1の結果と合わせると、ITエンジニアは不足しているものの、応募数に対して求める人材の採用を十分に行えていない企業が多い状況であると推察されます。 (図2)

また、エンジニアに求めるスキルについては『汎用的な技術知識/スキル(62.6%)』という回答が最も多く、次いで『リーダーシップ(PM・PL)(38.0%)』、『顧客志向(34.9%)』となっています。(図3)そして、求めるスキル(汎用的な技術知識/スキル、リーダーシップ、顧客志向)を持つエンジニアの採用は難しいかという質問に対しては、93.1%が『はい』と回答しています。(図4)

この調査結果から「これからのエンジニアにはビジネスパーソンとの格差、分断を避けるためのアウトカム思考、クライアント思考が必要とされる」という考えと近しい実態が確認されます。

「これから求められるエンジニア」を育成するために
~「品質よもやまラジオ」の取り組み~

ここまで、ARI取締役専務執行役員である中野のトークセッションの内容や、実際のデータから、エンジニアに求められるスキル、マインドセットについてご紹介&考察をしてきました。
ここからは「これから求められるエンジニア」を育成していくために、ARIがどんな取り組みを行っているのかご紹介をします。
 
ARIでは、エンジニアのゴールは「システムをリリースすることではなく、ビジネスの成果に対して自分たちの技術を使ってどう問題解決を行っていくか」であると考えています。
エンジニア自身が技術力のみならずビジネスサイドに近い考えと思考力を持ち合わせることによって、プロジェクトの推進力は大きく飛躍します。
 
技術面、知識面でのスキルアップのため、様々な方法での情報共有、勉強会を実施していますが、これまで具体的なコミュニケーション方法やマインドセットについて、個人のスキルやノウハウ、思考を伝達する場は多くありませんでした。そのため、コミュニケーションスキルや、マインドセットを伝達し広げていく場が必要、という考えから始まったのが「品質よもやまラジオ」です。

品質よもやまラジオ収録風景

目で追う必要がなく、耳だけを貸してもらう。お昼ご飯中や作業中でも気軽に聞いてもらえる。読む、観るといった負担がないラジオの利点を生かし、気軽に抵抗感なく必要な情報を得てもらいたい。
それが実現できる手段として、ポッドキャストでのラジオ配信を2022年2月からスタートしました。

放送内容は?どんなテーマで運営をしているの?

回によって話の展開は様々ですが、一貫したテーマは下記の二つです。
 
1)現場で活躍している人たちのリアルな話を展開する
コミュニケーション、マインド面での意識向上を目的として、現場の中で活躍している社員のリアルな話に焦点を当てています。リスナーの仕事にも応用できるよう、個人の考え方や活動の中から、日常的に仕事のヒントとなるような話題をピックアップしています。
 
2)個人にフォーカスを当てることで、社内の人を知る機会に
リモートワークが定着する中で、社員同士が触れ合う機会が少ない現状。社内にどんな人がいて、どういった仕事をしているのかを知る機会の一つとなっています。

実際の番組内容は同じくnote内の別マガジンでも連載中です。 https://note.com/ari_hr/n/n2fccca9be3a5

リスナーからは「お客様への対応や、部下への接し方など、参考にさせてもらうことが多い。(男性/30代/エンジニア)」「話の中でいいなと思う考え方については、自分の中で蓄積して実際に業務で実践してみようと思っている。(女性/20代/エンジニア)」という感想も。
 
3月末の放送回ではお客様がスペシャルゲストとして登場。
ARIが評価いただいたポイントやプロジェクトに関するお話のほか、マネジメントの極意、モチベーションの向上といった組織作りに関わるお話まで、幅広く貴重なお話を伺う機会もありました。
 
様々な社員のリアルな経験談、具体的な思考方法が音声で蓄積されている「品質よもやまラジオ」はノウハウの塊です。まだまだ全社員がリスナーとはいえませんが、これはいずれARIにとって貴重な財産の一つになるのでは?と筆者は考えています。

最後に

今後もARIでは、エンジニアの技術面でのスキルアップはもちろんのこと、アウトカム思考、クライアント思考を浸透させるべく、新たな育成施策を計画していく予定です。

「これから求められるエンジニア」の育成に注力することで、世の中のビジネスをさらに加速させ、社会全体の発展に貢献していく。
そんな企業を目指しています。

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