生きた男と白骨の女

先日のこと。

夜の道、帰路につく。暑さに辟易しながら買ったばかりのアルバムを聞いて歩いていた。

パチリ、と脳裏に知らない男がうつりこんだ。

男は舌をだして目を見開いたり、怒ったような表情をして、雨傘を広げたように大きい顔で背後まで迫る。

よくあることだ。と無視を決め込んだ。

生きていようが、死んでいようが、こちらに障りがなければそれでいい。

そうおもっていた。

深夜、寝ようと布団にはいり目をつむる。右肩が痛む。軋むほど痛む。痛む上に後ろに引かれる。左肩をしたにして寝ているが、人間が背後にいる感覚はない。肩食い込むのは骨のように細く、固いもの。

無視して寝れない程度には痛かった。

仕方ない。と知人に連絡し、「後ろ」を視てもらった。

曰く「死んだ女性がいる。半分白骨の」ということだった。「生きてる男(ストーカー)が手伝わせてる」ということだった。

飼いストーカーなぞ居ないが、精神だけ憑いていたようで、帰り道にみた男だった。

とりあえず痛い。

背後の女も顔が見えない。隠れているようだった。

「めんどくさい。眠い。安眠妨害は退け」

イライラしながら呟くが痛みは消えず、連絡した知人が「説得」してくれた。

そこからしばらく、ストーカー()男がしばらく憑いていたがご退場いただいた。

命を削るほどの想いは形になって相手の元へといくようだ。

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