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3つのユニバーサルデザインの視点を特別支援教育に生かす③

「人的環境のユニバーサルデザイン」に関して,「カクテルパーティー効果」についてお話したいと思います。

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指示を聞くことが苦手な原因として,上の図にもあるように「音の選択性の問題」があります。

・自動的な注意・・・賑やかな店内,相手と話をしていても,自分の名前を呼ばれると,そちらに注意が向く

・能動的な注意・・・教室でいろいろな話し声が聞こえる中で先生の説明を聞こうとして努力している状態

・持続的注意・・・単純な課題を最後までやり遂げようとするために必要な注意力,努力のいる作業を続けていくために必要な注意力

こうした音の選択性に問題があることで,指示をうまく聞き取れない状態が続いてしまいます。

そのための支援としては,

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指示に耳を傾けているかを確認した上で,その子供の分かる言葉を使って伝える必要があります。

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言葉だけの指示だと情報はどんどん消えていってしまいます。

なので,指示を残す工夫として視覚的な支援を活用します。

上の図にも書いていますが,視覚的な支援を効果的に活用するためには,子供がその視覚的な支援を受けることでいいことがあったという体験を積み重ねることが大切です。

私が特別支援学校に勤務していたとき,自分が集団の前に出ても,子供たちはガヤガヤしていました。

「今から自分が話すよ」ということを理解してもらうために,どうしようかな?と考えていた際にひらめきました(*^_^*)

授業開始のチャイムが鳴ってからすぐに,小さなベルをりりりんと鳴らしました。

ベルの音は,人の声と違って高い音域の音なので,子供たちは聞き慣れない音にすぐさま反応し私の方を向きました。

そのタイミングで,「みんな先生の方をよく向けましたね。それではこれからお話を始めるのでよ~く聞いててくださいね!」と言葉を掛けました。そうすることで学習の流れを理解させることができたということがありました。

このように,音の選択ができるような手立てを取っていくことは有効です。


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