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3つのユニバーサルデザインの視点を特別支援教育に生かす②

今回は,「人的環境のユニバーサルデザイン」についてお話します。

「人的環境のユニバーサルデザイン」

☆ 説明や指示の工夫

 ・ 言語指示だけでなく,視覚的な情報提示や動作化による理解の促進

 ・ 簡潔かつ具体的な指示

 ・ 注意喚起後の説明

 ・ 全体の指示後に個別的な指示を出す

 ・ 写真や図,表など視覚的な情報の活用

などがあります。

この「人的環境」とは,言葉の通り,人に関する環境,いわゆる指導する大人側の環境作りを指します。

学校の授業においては,教師が様々な形で子供と関わり学習を進めています。

教師の関わり方としては,

話す,聞く,言葉を掛ける,板書をする,立ち位置を変える,子供を見るなどがあります。

こうした関わり方によって,子供の困難な状態が弱まったり,強まったりします。

指導する側が子供に話す際に心掛けたいこととしては以下のようなことがあります。

・ 指示代名詞(これ,それ,あれなど),抽象的な言葉ではなく具体的な言葉で話す

・ 必要な情報を「短く・はっきり・ゆっくり」話す

・ 一指示一行動

・ ポジティブルールで話す

・ 視覚情報を併せて話す

などがあります。

こうしたことを意識して子供に話し掛けるとともに,子供にしっかり届いたかどうかを確認する必要もあります。

巡回相談をしていて,「簡潔かつ具体的な指示を出しているのに,子供が理解できないというんだけど・・・」と相談を受けたことがあります。

確かに,私が聞いても短い言葉で端的な指示を出していました。

でも,子供は理解できていません。

だとすると,言葉だけでなく,視覚的な情報も必要なのではないかということをお伝えしました。

立つ場所を,足跡カードなどで視覚的に示すことであっという間に適切な場所に立つことができていました。

このように,いくら端的な指示でも言葉だけの指示のみでは難しい場合もあるので,「これに視覚情報を添えるとしたら・・・」とアンテナを張っておく必要があります。


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