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西洋建築史<古代>

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建築史を建築学科の講義で教えています。講義だけで終わらすのはもったいないのでここに皆に届くように綴っていきます。 参考テキスト:建築の歴史 西洋・日本・近代 学芸出版社
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#一級建築士試験

さらっと西洋建築史8〜地域性豊かなロマネスク建築〜

さらっと西洋建築史8〜地域性豊かなロマネスク建築〜

前回のビザンチン様式に対して、ロマネスク建築様式は西ヨーロッパで栄えた建築様式と一般的には分類されています。時代区分としては、おおよそ1000年から1200年頃までのゴシック建築以前の建築を指します。

ロマネスクという名称も「古代ローマ建築の参照」という意であることからも分かるように、バシリカ式建築様式を主としながら、ヴォールトを多用し、過去の技術が多く踏襲されてきました。

↓バシリカ式建築様

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さらっと西洋建築史9〜光を求め続けたゴシック建築〜

さらっと西洋建築史9〜光を求め続けたゴシック建築〜

12世紀の中頃、パリを中心とするフランスでは、ゴシック様式の宗教施設、大聖堂が次々と建てられていきました。

それらはそれまでのロマネスク建築とは全く異なった、光に満ちた、軽やかな建築の様式でした。
建築物の大きな進化を遂げたゴシック建築、その構造、事例について見ていきます。

↓ロマネスク建築について↓

光の空間、骨組みについてゴシック建築の特徴は光に満ちた空間にあります。
光を多く取り込むた

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