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仕事の失敗は、その後の行動で上書きできる

仕事で大きな失敗をしたことはありますか?僕は、たくさんあります。

僕の場合、入社1年目の設計事務所で、天空率という建物の容積(面積)に大きな影響を与える計算を間違えてしまい、顧客からの大クレームに発展させてしまったことがあります。

新人なのに1000万円以上の損害を出してしまいました。フォローに入って貰った先輩方の人件費を考えると、隠れた損害はもっと大きかったでしょうね。

ミスの連続でスタートした20代でしたが、30代になると、わかりやすい失敗をしなくなりました。経験が浅くプライドが高かった自分は、失敗の向き合い方をわかっていませんでした。

このコラムでは、若いときに失敗してしまった場合の「失敗への向き合い方」について、解説します。

失敗経験が浅いときに、考えがちなこと

自分本位に考えると、失敗とは、「失敗を自覚して、会社なり上司なりに報告し、問題が顕在化するまで」がクライマックスのように感じます。

どうやって謝ろうか、失敗を挽回できないだろうか、本当に自分が悪かったのだろうか、もしかしたらクビになるかも…と、どうしようもないにもかかわらず、色々と考えてしまいます。

忙しい上司をなんとかつかまえて報告して、正直に報告して、怒られる。わかってはいるけど、情けない気持ちでいっぱいになります。

自分も、失敗経験が浅いときは、失敗を回避しようと無駄なエネルギーを使っていました。しかし、長い目で見ると、ここは序章にすぎないのです。

失敗は見える化してからが、本番

上司や会社の立場から見ると、「失敗の報告を受けた時点」からが、スタートになります。

顧客対応の業務の場合、ミスの当事者であるスタッフの向こうの顧客に対して、どのように対処するかを考えなくてはいけません。なんらかの対応をして、リカバリーする必要があります。

失敗した段階では損失は確定おらず、対応次第でさらなる炎上を引き起こす可能性もあるからです。

失敗経験の少ない、若い頃の自分がわかっていなかったのは、敗戦処理にコミットする重要さでした。失敗した段階では損失は確定おらず、対応次第でさらなる炎上を引き起こす可能性もあるからです。

周りは、あなたの敗戦処理を見ている

失敗の報告が遅れれば、上司からの信頼を失いますし、敗戦処理のメンバーからも外されてしまいます。大切なのは、自分の気力や体力がある早い段階で、失敗を見える化し、敗戦処理へと移行することです。

経験を積んでからは、失敗の損切りをするようになりました。とっとと失敗を見える化して、敗戦処理を頑張るようにしました。失敗を失敗にならないようあらがうよりも、敗戦処理に9割のエネルギーを割くようにしています。

失敗を早めに見える化するようになると、結果的には上司からの怒られることもほとんどなくなりました。また、敗戦処理を頑張っていることで、評価も高まることに気がつきました。

失敗は見える化すると周囲から注目されることになります。どれだけ失敗前に頑張っていても、注目の浴びる敗戦処理にコミットしなければ評価が下がります。

敗戦処理を頑張っていると、温かい言葉をかけてくれたり、挽回のチャンスをくれる人はけっこういるのです。

会社とは、意外とウェットなものだと気づけてからは、働くのが楽になりました。

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このコラムは、建築の働き方と経営のコンサルタントである納見健悟が、経営者・マネジャー・働き方のコンサルタントとしての経験から、20~30代の自分自身に伝えたいことをまとめたものです。

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