マガジンのカバー画像

一級建築士設計製図試験フォルダ

50
出題のあり方や問題文の読み取り方、課題建築物の考察など
運営しているクリエイター

#高齢者介護施設

一級建築士設計製図試験における敷地の周辺状況を踏まえた自然光の取り込み

一級建築士設計製図試験における敷地の周辺状況を踏まえた自然光の取り込み

1.高齢者介護施設の敷地の周辺状況令和2年本試験「高齢者介護施設」の敷地の周辺状況について、平成20年までの旧試験に見られた記載の仕方をすれば、以下のようになります。

 ①北側-道路(幅員8m)を挟んで、住宅地がある。
 ②東側-住宅地がある。
 ③南側-住宅地がある。
 ④西側-道路(幅員4m)を挟んで、認定こども園がある。

「見出し画像」は、東京都世田谷区内の空中写真(出典:国土地理院

もっとみる
令和2年一級建築士設計製図試験|「高齢者介護施設」本試験の講評と解答例の閲覧

令和2年一級建築士設計製図試験|「高齢者介護施設」本試験の講評と解答例の閲覧

1.A2の紙面構成の試行錯誤は今後も続くのか!A2サイズの問題用紙になって3年目の試験となりますが、A2の紙面をどう使うかの試行錯誤は続いているようです。昨年と違った紙面構成を試験開始直後に先制して示すことで、受験者を動揺させようという意図はないとは思います。しかしながら、受験者からしたら見慣れぬものを見せられれば、心穏やかにというわけにはいかなくなることを想像します。

A2の紙面を4列で構成し

もっとみる
令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設の利用対象者について今更ながらの確認

令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設の利用対象者について今更ながらの確認

<見出し画像>介護マーク:介護をする方が、介護中であることを周囲に理解していただくため、静岡県で考案されたもの

設計とは想定することであるとしたら、その建築物はどんな人達が利用するものであるかを正しく理解しておくことが基本であると思います。

高齢者が「勝手に入ってきてしまう」などの想定をし、過剰なセキュリティをかけることが果たして妥当なのか?用途に応じて考えてみる必要があります。

高齢者が要

もっとみる
令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設において要注意な居室の採光

令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設において要注意な居室の採光

令和2年一級建築士設計製図試験の課題名『高齢者介護施設』で想定される用途における「居室の採光」に着目してみます。

過去の類似課題において陥りやすかったことの一つに、「居室の窓その他の開口部で採光に有効な部分」が建築基準法に適合しない、すなわち、公園や道路以外の隣地に向かって窓はあっても、建築基準法上は無窓扱いになってしまうということがあります。

1.児童福祉施設等の居室の採光老人福祉法第5条の

もっとみる
令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設で想定される居住施設等の根拠法

令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設で想定される居住施設等の根拠法

令和2年一級建築士設計製図試験の課題名『高齢者介護施設』の公表内容の(注1)に「居宅サービスを行う施設及び居住施設で構成する建築物の計画とする。」とあります。

居住施設等として想定されるものを、根拠法に基づいて以下にまとめてみます。

1.サービス付き高齢者向け住宅高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条
高齢者向け賃貸住宅又は有料老人ホームであって、居住専用部分に高齢者を入居させ、状況把握サー

もっとみる
令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設の公表内容から考えること

令和2年一級建築士設計製図試験|高齢者介護施設の公表内容から考えること

令和2年一級建築士設計製図試験の課題名『高齢者介護施設』が公表されました。

1.類似課題平成21年以降、昨年までの11年間で高齢者施設関連の用途は2課題出題されています。

平成23年
介護老人保健施設
(通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。)
<要求図面>
・1階平面図兼配置図
・2階平面図
・基準階平面図
・断面図
・2階梁伏図

平成27年
市街地に建つデイサービス付き高

もっとみる