夢から始める第一歩

「人と心の時代」

◆思えば叶う

 世の中には奇跡と言われることが沢山あります。2015年のラグビーワールドカップで南アフリカを倒した日本チーム、2022年のサッカーワールドカップでドイツとスペインを倒した日本チームがその典型です。それを実現した人はみな、長らく夢として持ち、あきらめることなくできると信じてきた人たちです。思っていれば何らかのチャンスは必ず来る。実現へ向けてのアイディアが湧く。誰かがヒントをくれます。常に思っているからそれにつながるのであり、思っていなければ人もアイディアもすべて素通りしてしまいます。

 「それは無理」「やっても無駄」は、すべての可能性を潰してしまう最悪の言葉です。人間の持つ、神様から授けられた個性と能力を発揮するためにはまずは「できる」と思うことです。

◆夢がない、いまの日本の職場

 若い社員に聞くと「特に欲しいものはない」「夢なんて考えたこともないですよ」と返事が返ってきます。以前日経新聞の新入社員に対するアンケートでは「できたら働きたくない」と答えた人が29%、働く目的で最も多かったのが「安定した収入のため」で69%という結果だったそうです。仕事を生活の為と割り切る傾向が鮮明になっているとのことです。

 一方、会社のマネジメントも多くは数字だけの目標管理制度で、「あなたはこの数字を達成しなさい」と、プロセスはさておき結果だけの管理をしていることが多いようです。これではマネジメントではなく、放置になってしまっていないでしょうか。

 いままでの管理型経営は従業員に、「あなたを信用していませんよ」というメッセージを絶えず発し続けているようなものです。そして「夢など持たずに間違いなく仕事をしろ」と言っていように思えます。だから言われたことはやるがチャレンジしない社員“ことなかれ社員”が増えているのではないでしょか。

◆失敗は成功のもと

 エジソンの「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」という言葉が物語るように、我々は、上手くいかない方法をあまりにもやっていないのではないでしょうか。情報が氾濫する現代は、事前に情報を得て失敗しない方法、失敗しない基準をつくり出しているので、なぜ上手くいっているかさえも分からなくなっています。ボタンを押せば製品ができる。昨日と同やり方で間違いのない仕事をする。

 夢に向かえば、どうしたらもっといい製品ができるだろう。昨日と違うやり方でよりうまくできないかとチャレンジできるはずです。そこには主体性が必要で、主体的にチャレンジすればワクワク、イキイキするはずです。

 

◆夢は未来にある

 未来を考えるのは「自分のやりたいことを見つけ」、その時代が来た時に“できるようになっている”ことです。だからワクワクするし、ない時間を創って努力が続くのです。最近、参加している「未来予測コミュニティー」で未来を語り、未来をつくる人たちと行動していますが、そこでは誰も“無理”とは思っていません。まだ実現しないけど、必ずできると思っています。良い思いで行動すれば良いことがどんどん起こり、必要な人との出会いがあり、夢の実現性が見えてきます。このコミュニティーでも、夢を持つ人の周りに人が集まり、必要な人が現れ、アイディアが湧き一歩ずつ夢が実現していくプロセスを見ます。まさに奇跡が起こるのです。

◆夢を語ることから始めませんか

 いま会社にとって必要なことは、社員一人一人の個性と可能性を認め、夢を語る風土文化をつくることではないでしょうか。マズローの6段階の生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求はすでに満たされており、これからは認定欲求、自己実現欲求、自己超越欲求が強い時代になっているのです。

 自分のいる会社を通じて自分の個性と可能性を発揮するために未来に向けてどんな努力をするのか、その未来が来た時の成長した自分の姿がどんな姿なのかワクワクしながらイメージする。そして、その実現のために会社や仲間がバックアップする。夢を語る人たちは元気で明るくコミュニケーションが活発になります。そうした風土文化づくりが必要なのではないでしょうか。

 このコロナにより経営者や働く人の価値観が大きく変化しています。今の延長線上に未来はありません。未来はやって来るものではなく自ら創るものです。未来を考えることは自分のやりたいことを見つけること、私たちの幸せは未来向かって昨日より今日の自分を成長させることです。

“自分の人生の可能性を最大に発揮するための第一歩”を、いまから始めてみませんか。

                               以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?