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“これはイメージです”にイラッとする件。

皆さんに今更言わずとも、多くの人がTVCMでイラっとしているであろう事を言っちゃいましょう。

それは、TVCM画像の右下段または左下段にちいさ~く表示される“これはイメージです”などの注意書きです。

一軒家の屋根の上で女優が歌っているシーンでは「これは演出です」、洗った衣服の臭いをモデルがかげば、綺麗な花のCGが出てきてすぐさま「これはイメージです」
・・・。分かります、分かりますよ、いちいち説明いただかなくても。
それがCM上で世界観を表現するための演出であったり、商品の効果を表現するものであったりして、「屋根にあがっているのはあくまで演出です、やって良いものと思われちゃ困ります。良い子は真似しないでね」「臭いをかいでも、花は出てきませんよ」と言う事は、良識あり洒落が分かる大人なら最初から分かってます。わざわざ釈明を表示してもらわなくても結構なんです。
昔はこんな無粋な説明は皆無だったのに、何故テロップが入るようになってしまったのか。
推測するに、つまらないクレームをいちいち入れる人が増えて対応に困った企業が取った苦肉の策だと思うんです。

例えば前述のCMで、新しい洗濯洗剤の香りがこんなに良くなった(まるで花に囲まれているような気分にさせる香りだ!)という事を強調したいから洗濯物をかいだ時にCGの花が空間にあふれるようにしたのに、それを見た視聴者から「洗濯物の臭いをかいだが花なんか出なかったぞ!」というクレームの電話が入るようになった。企業側としては「んな事あるわけないだろ空気読めや」と反論したいんですが、そんな事をお客様に言えるわけもなく、「こうこうこういう意図があってCMを作ってるんですよー。だから花はイメージであって、本物が出て来るわけではないんですよー」と懇切丁寧に説明するしかないわけです。
ですがそんなとんでもクレームが、自社や、競合他社にも次第に増えたのかもしれません。結果、先回りして「これはイメージです」と言うテロップを入れる様になったかもしれない、と私は思っています。
これを映像内に入れておけば、クレームが来た時も前より説明しやすいわけです。

どういうことかと言うと、釈明テロップを入れる事で、その後クレームが入っても「はい、ですからCMを流している間、右下に‛これはイメージです’と表示されてますよね?その通り、この花はイメージなんですよ~」と、‛うち、最初からイメージだって言ってるもんね!文句ないでしょ?’とクレーマーにドヤ顔できるわけです。

それにしても何を意図してCM作ってるか、ちょっと考えりゃ分かると思うんですけどね。それが「イメージを重視してきた日本のCMの良さ」だと思うんですが。嘆かわしい。文句がある人はアメリカのTVCMをずっと見続けていればいいんですよ。あちらのCMはイメージ先行のしゃれっ気のあるものはわずかで、ドアップで誰か分からない人が出てきて商品の説明をこれでもかとベラベラしゃべって終わり、なんてことはザラです。見ていてつまらないですよ。

しかし、元々はつまらないクレームをかけてきた人が悪いと言うものの、企業側も最初からクレームを怖がりすぎて過剰反応しているような気もします。現在では製品効果をうたうCMにはほぼ「これはイメージです」が表記されるようになり、明らかに「いや、言われなくても分かるけど」レベルまで表記されていて、見かけると本当にテロップが鬱陶しくてイラっとします。逆に「’これはイメージです’の表記がうるさい」と言うクレームは来てないんでしょうか。そちらの方がよほどあると思うんですが。

今の所、大手自動車メーカーはあまり表示を出していないようで安心して観てるんですが・・・。だって、車なんてイメージ先行の最たるもんじゃないですか。車のタフさをアピールしたくて、外国の広大な砂漠を1台の車が走っていくかっちょえーCMで、右下に“これはイメージです”なんて表示されたら興ざめするでしょう?「分かっとるわ!しがない、いちリーマン日本人がこんな外国の砂漠を高級車でぶっぱなせるなんて思っていませんがな!」とCMを見ている人は総ツッコミするでしょうね。

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