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デザイン好きなら誰でも参加OKなリモート飲み会を毎月開くと決めた理由

2021年に入り、月に一回誰でも参加できる「デザイナーゆる飲み会」をオンラインで開催しています。学生・社会人、デザイナー歴、経験など一切不問。デザインに興味を持つ方ならどなたでも参加いただける会で、特にコレといったテーマも設けず、自由にお喋りを楽しむ会となっています。

現在約60名(※2022年8月時点では約200名)近くの方が参加者リストに加わっていただいており、制作会社、事業会社、スタートアップ、ベンチャーなど、幅広い企業に属するデザイナー、エンジニア、ディレクター、プロデューサーといった方々にご参加いただいています。

これまで数えて7回(※2022年8月時点では19回)開催してきましたが、こうした場を作ろうとしたきっかけ、背景、趣旨を語ったことがありませんでした。今後さらにいろんな方々に興味を持っていただくためにも、今回はなぜ私がこうした会を企画したのか?をお話してみたいと思います。

もしも「面白そう!」と感じていただける方がいらしたら、ぜひ今後の会に気軽にご参加いただければと考えています。加えてこの会、今後は「Designer's HYGGE(デザイナーズ・ヒュッゲ)」とタイトルを刷新します。このネーミングの由来などもご紹介します。


リモートワークによるコミュニケーションの変化

2020年の3月頃からコロナの影響でリモートワークが主体となりました。出社する回数も激減し、働き方は大きく変わりました。必要に応じてオンラインで画面越しに打ち合わせをすることはあれど、物理的には一人での作業時間が増えました。

また私の場合、2020年9月に事業会社に転職したことでさらに働き方が変わりました。1日に行われる打ち合わせの回数が激増し、気づけば1日に5~6本の会議に参加するようなこともありました。Web会議は想像以上に集中力を要し、1日を終えた後はぐったりしていることもしばしばありました。

しかし、会話の量はリモート前より増えている気がするのに、なぜか疲労しているこの感じは何なんだろう?と考えることが増えました。気付いたのは、リアルなオフィスで何気なく交わされていた雑談、リラックスして仕事以外の話をする余白が少なくなっていることでした。

加えて、盛んに行われていたイベントやセミナーも、コロナ渦によってウェビナーへと姿を変えました。場所を選ばずいろんな方の話をスマホから気軽に聴けるようになったのは大きなメリットでしたが、イベント後にあった懇親会はなくなり、貴重だった社外の方との交流の機会が消滅しました。


デザイナーゆる飲み会の始まり

そんな中(2020年10月頃)、私は個人的な勉強の場として「デザインシステム雑談会」と称し、SNSを通じてデザインシステムに興味のある方に集まっていただき、ざっくばらんに雑談する会を開催していました。会社の枠を超えて1テーマについて語り合う場はどの回も大変盛り上がりました。

当初計画していた4回の開催を終えた時「せっかくの交流の場がこのまま無くなってしまうのは勿体ないな…」と思いました。加えて先に述べたリモートによる雑談の激減もあったため「それなら毎月ゆるく集まれる飲み会にするとどうだろう?」と考えたのが、デザイナーゆる飲み会の始まりです。

2021年2月から毎月最終週の金曜日、夜20:00~23:00を目途にこのゆるい飲み会を開催しており、次回で7回目を迎えます。参加者はデザインに興味がある方なら、年齢、性別、経験の有無など不問。毎月開催すると決めているので、都合が悪かった方も次の月に参加いただけるようにしています。


この会での時間の過ごし方

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この会、いわゆるオンライン飲み会ではあるのですが、ZOOMなど顔が見えること前提のツールを使っていません。利用しているのはNeWork(ニュワーク)という、NTT Com が運営するオンラインワークスペースのサービスです(所属する会社のサービスですが、回し者ではありません)。

バブルと呼ばれるいくつかの部屋があり、気になるテーマの部屋に自由に出入りできます。マネージャーの秘密部屋、若手デザイナー本音部屋といったデザイン関連の部屋もあれば、パパ友・ママ友の部屋といったデザインに関わらない雑談ができる部屋もあります。

ビデオをONにした通常のWeb会議も可能ですが、基本は音声だけの会話が主体です。私はZOOMやTeamsでのWeb会議で、自分の顔が常にモニタに映し出されているところに多少なりともストレスを感じていたため、顔出し不要の雑談はリラックスした会話ができると感じています。

またこのNeWorkのユニークな機能として「聞き耳」があります。部屋には入らないけど、中でどんな話をしているのか聞いてみたい時、自分は会話に加わらずに部屋の中の会話を聴くことができます。初めて参加いただく方でなかなか会話に入れない方も、Podcast感覚の「聴き専」で楽しめます。

NeWorkは元々、リモート環境における業務のコミュニケーションをサポートするツールとして生まれたものですが、私のようにオンラインでの交流会で利用している方も多くいらっしゃるようです。バブルの中で人がちょこちょこと動き、ワイワイ会話するのは想像以上に楽しい体験です。


この会の楽しみ


1. リラックスしてただただ雑談(会話すること自体)を楽しむ

参加いただいた方々からは「ここ最近、会社の人と仕事の話しかしていなかったから楽しかった」「リモートワークで雑談が無くなったので、単純にお喋りするのが楽しかった」といった、会話すること自体が楽しかったという声をよくいただきます。

Clubhouseの利用者が爆発的に増えた際「世の中の人は今こんなにお喋りに飢えていたんだな」と感じました。Clubhouse自体は利用者離れをよく耳にするものの、引き続き非常事態宣言が延長され続ける今、このニーズは消えていないように思います。

またこの会はあえて、登壇者やスピーカーといった役割を設けていません。そこには登壇者側に大変な労力がかかりますし、コロナ渦でストレスを抱えやすい今は視聴者側にとっても、形式ばった形で有能な方の話を聞くより、雑談ベースの双方向な会話の方が楽しいのでは?という想いがあります。


2. いつも関わらない人の視点(別確度の刺激)を楽しむ

私はデザイナーとして約20年近く働いています。いろんな会社を経験してきましたが、どんな企業のどんな先輩と話をしても「広い視野を持つこと」の大切さは、共通して教わってきたことのように思います。リアルなセミナー後の懇親会で参加者と会話するのは、視野を広める格好の機会でした。

例えば自分の目の前にある大きな課題について、他人の目線を通じて思わぬ解決方法を知ることもあります。また、身近な人からのアドバイスで刺さらなかった言葉も、伝え手が変わるとなぜか心に突き刺さることもあります。

人の思考は環境に依存するため、凝り固まってしまわないよう柔軟さを保つためには、定期的に刺激を受けることが大切です。Podcastやウェビナーで有益な情報を得る手もありますが、自分からの発話が加わることで、一方的なインプットでは得られない学びがあるのではないかと、私は考えています。


新タイトル「Designer’s HYGGE(デザイナーズ・ヒュッゲ)」の由来

この会、誰もが参加しやすいようにハードルを下げる意味でも、「ゆる飲み会」といったタイトルでこれまで開催してきました。しかし回を重ね、もっと多くの人にこの会の存在を知ってもらいたいと思うほど、もう少し記憶に残る名前にならないかと感じ始めました。

そんな中、デンマークについての書籍を手にとることがありました。私が所属するNTTコミュニケーションズは「Smart World」と題し、ICT(情報通信技術)を駆使した社会課題の解決を目指しているのですが、デンマークは世界的にもその最先端を行く国で興味を持ち始めていたのがきっかけです。

恥ずかしながらこうした先進国の状況に明るくなかったのですが、データを活用した人間中心の都市作りや、幸福を実感できる暮らしを持続する社会作りがデザインされている様子は、今後日本が目指していくべき方向性を示唆しているように感じました。

そんなデンマークの文化の中で「HYGGE(ヒュッゲ)」と呼ばれる言葉が紹介されていました。日本語では「ほっこり」「まったり」といった言葉に近いと言われるそうで、気を張らずに誰もが自分を受け入れてくれる温かい空間や時間、オープンな雰囲気のことを指す言葉、とのことでした。

この言葉が、まさにこの会で目指す雰囲気を示していました。リラックスして誰もが居心地の良い時間を過ごすこと。そんな空間、会話の中から自然と視野を広めるヒントを得ること。デザインで先進を行く国の言葉というのも、この場に集まる人たちにピッタリだと感じました。

そんな理由からこの会のタイトルを「Designer’s HYGGE(デザイナーズ・ヒュッゲ)」に刷新し、引き続き継続していく予定です。


参加者の声


Twitterから


第6回 アンケート結果

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第7回 アンケート結果

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今後の開催予定

以下の日程で2022年も継続して開催予定です。もし興味を持って「ちょっと覗いてみようかな?」と思われた方がいらしたら、ぜひお気軽に私のTwittter宛にDMにて「参加してみたいです」とご連絡ください。

・2022年9月2日(金)20:00~23:00
・2022年10月7日(金)20:00~23:00
・2022年10月28日(金)20:00~23:00
※日程は変更の可能性があります。


最後に

こうした交流の場であったり、セミナーだったりと、私は元々参加する側の立場ばかりでした。しかし歳を重ねる中で、そろそろ自分がこういう会を主催して、いろんな方々をつなぎ合わせるような役割を担うべきでは、と考えるようになりました。

運営に不慣れでご迷惑をおかけする点があるかもしれませんが、月に一度、デザイナー界隈でこうした交流会があるのが知れ渡り、肩の力を抜いて雑談を楽しむ場として定着していくと良いなと考えています。

学生/社会人、職種も一切不問。ただただデザインに興味がある方ならどなたでも参加可能です。ご興味持たれた方はぜひお気軽にDMにてご連絡ください。いろんな方とお話できるのを楽しみにしています。

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