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忙しい共働き夫婦でも実践できる!一生想い出に残るお昼寝アートの作り方

2017年に子どもが生まれて以来、私は1年間にわたって継続していたことがあります。それが「お昼寝アート(別名:おむつアート、寝相アート)」をです。眠る子どもがまるで絵本の中のにいるような写真、一度はご覧になったことありませんか?

この世に生を受けて1年目の姿をできるだけ素敵な形で残してあげたいという気持ちから、1歳の誕生日を迎えるまでこの写真を撮り続けようと夫婦の間で決めました。しかし我が家は忙しい共働き。私はフルタイムの会社勤め、妻も産後3ヵ月で仕事に復帰し様々な仕事をかけ持つ非常に忙しい人。日々に余裕なんかまったくありません。

しかし、そんな状況ながらもなんとか工夫を凝らしながら1年間継続するといろんなノウハウが溜まりました。この経験を今後お昼寝アートを作りたい!と考える方のためにできるだけ残しておきたいと思い、まとめたのが本エントリーです。

この記事は有料記事にしていますが、すべて無料で読むことができます。もしも「参考になった!」という方がいらしたら、投げ銭感覚で購入いただければ、そのまま息子の新しいトミカ購入費用にして、息子に還元したいと思います(笑)

ちなみに結構長いので、くどくど話を聞くより何が出来たか知りたい!という方はザーッと流し見していただいた後で、気になったところを振り返っていただく読み方をおススメします。

1ヵ月「無題」

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1ヵ月目はシンプルにおむつを使った形で「1ヵ月」という形を作ってみました。実はこの撮影では具体的に「テーマはコレ!」とは決めておらず、今見返すとやはり何を表現しているのかがぼんやりしているのがお分かりになるかと思います。

とりあえずネットで「お昼寝アート」と検索して見つけた作品を研究して、この頃よくおくるみに包んでいた息子を数字の「1」に見立てる形にすることを最初に決めました。あとはすでに家の中にあった様々な装飾品を利用しています。この撮影のためだけに購入したものは何もありませんでした。

工夫した点は綿棒で子どもの名前を書いたところです。1本で書くと写真にした際に見えづらくなってしまうので、2本を重ねた形にして少し特殊な書体を使っているような印象にしています。あと、併せて吹き出しを作ることで、いかにも子どもが自分の名前を叫んでいるような絵にしています。

今見直して気が付く点は、写真の左上の毛布がめくれていて下の床が見えてしまっているところです。写真をトリミングすれば良いと考えていたのですが、他アイテムの見切れ具合も考えるとこのトリミングが限界でした。撮影時にはきちんと四隅まで背景があるかを確認することをおすすめします。

・インテリア飾りボード(1つ約3000円)
・木彫りのブタの置物(価格不明)
・フェイクグリーン(1つ約500円)
・おくるみ(約3000円)
・薄手の毛布(約5000円)
・綿棒(300円)

2ヵ月「ハロウィン」

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1ヵ月目がテーマ無しだったことの反省もありましたが、2ヵ月の時期は丁度ハロウィンシーズンだったこともあり、明確にハロウィンをテーマにすることにしました。ちょうどH&Mで購入していたバットマンのパンツとシャツもあったので、それらもうまく活用できるだろうと考えていました。

内容がある程度固まっていたので、次は100円均一ショップ(100均は撮影アイテムの宝庫!)でハロウィングッズを探しました。そんな中、キャンドゥで見つけたのがこの回のポイントとなる「おばけのスポンジ」です。これは水だけで汚れが落ちるメラミンスポンジをおばけの形にしたもので、100円で9個入っています。

ところが、実際に撮影に入る際に背景をどうするのかを明確に決めていませんでした。撮影当日に悩んで家の中をあれこれ物色してみると、押し入れの中でスーツをしまう際に使う黒いスーツカバーがあったので、それらを4つ組み合わせることでギリギリ黒い背景を作ることができました。

組み合わせて配置してみると、なんとなく綺麗に要素は並ぶのですが、何か細かな演出が足りないと感じました。そこで再び綿棒文字の登場です。この回は少しホラーっぽい書体になるよう文字を縦長に作ることを心掛けました。さらに何か欲しいと考え、家の中にあった洗濯ばさみを試しに5つ並べてみるとちょうど星の形になったので「これだ!」と思い、2つの星をアクセントとして配置しました。

最終的にオレンジや紫のモールは配色バランス的にうまくまとまらないので取り入れず、シンプルに白黒で全体の配色をまとめる形にしました。

・おばけスポンジ(キャンドゥ/9個で100円)
・バットマンの羽(キャンドゥ/100円)
・アルファベットの置物(ダイソー/1個で100円)
・バットマンのパンツとシャツと帽子(H&M)
・綿棒(300円)
・スチールの洗濯ばさみ(500円)
・黒いスーツカバー(IKEA/3枚セットで1500円)

3ヵ月「秋の散歩」

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3ヵ月を迎えるころ季節は秋だったので、どこか秋を感じる雰囲気にしたいという計画だけはありました。

そんな我が家にはインテリアとしてドライフラワーや造花など、手入れしなくても飾りになるものが沢山あったので、それらを撮影の小物アイテムにしようと考えました。すべてを準備するよりも、自宅にあるものを工夫して撮影に取り入れるのも大切です。

そして背景も実際のところ深く考えておらず、ノーアイデアのまま撮影日を迎えたのですが、その時期床に敷いていたラグが丁度秋らしい模様・雰囲気が出せそうだったのでそのまま使うことにしました。

そしてこのあたりから毎回数字を大々的なアクセントとして取り入れることが定着し始めました。ということで今回は3を何で描くか?が課題でしたが、私の頭に浮かんだのは妻からのクリスマスプレゼントにもらったポールスミスのマフラーでした。ちょうど秋らしい色をしていたので、今回の撮影にもぴったりだろうと考えたところ、予想通りうまくハマりました。

息子のファッションは秋らしいコートをアクセントにしつつ、地味になりすぎないように黄色のパンツを履かせ、加えてニット帽で個性を出しています。帽子は子どもによっては嫌がる子も居るので撮影が大変ですが、数十枚に一枚くらいは笑顔の写真があるのでぜひチャレンジすると良いと思います。

・薔薇のドライフラワー(生花で5000円くらいしたもの)
・ベビー用のピーコート(H&M)
・黄色いパンツ(ユニクロ)
・その他の造花
・マフラー
・ラグ

4ヵ月「クリスマス」

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息子も4カ月を過ぎて首が座りかけ頃、世間は12月でクリスマスシーズン真っ最中でした。この時期のテーマはクリスマス一択ではあるのですが、ベタにサンタのコスチュームを着せるのもアイデアが無いので、もう少し違った感じにできないものかと考えていました。丁度この頃、防寒着として全身モコモコに包まれる着ぐるみのようなスーツを使っていたのですが、これがあまりにも可愛いので、写真にもそれを活かすことにしました。

とはいえ、クリスマスツリーは写真の中に欲しいと考えました。ここで工夫して作ってみたのが家にある洋服のハンガーを積み上げてならべてみた、お手製のクリスマスツリーです。飾りはダイソーで販売されている、実際にツリーに付ける飾りを使っています。背景に紺色の毛布を使うことを決めていたので、色はブルー系だけに絞りました。

加えて100円均一で、プレゼント包装用の袋、メリークリスマスの文字が並んだ飾り、まつぼっくりのリース、きらきらとした飾り紐を買って使っています。紐は大きな「4」の文字を書くのに使っています。プレゼント包装用の袋は中にタオルを何枚か入れてふくらみを作り、息子が動いても持っているように見せるため、手に括り付けています。

この回は100円均一のグッズをかなりたくさん活用しました。シーズンものの飾りやアイテムはどの店舗でも多く取り揃えられているので、私が実践したイメージ以外にもオーソドックスな赤+緑のクリスマスの雰囲気を作ることもできると思います。この回は思い切って、配色をブルー+白+差し色に金色を使っているところが、うまくまとまった秘訣だと振り返っています。

・プレゼント包装袋(ダイソー/100円)
・クリスマスの文字飾り(ダイソー/100円)
・まつぼっくりのリース(ダイソー/100円)
・きらきらの飾り紐(ダイソー/1個で100円)
・ツリー用の飾り(ダイソー/1個で100円)
・モコモコの防寒スーツ
・ハンガー

5ヵ月「お正月」

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1月のテーマはやはりお正月が一番作りやすいと考えました。この回も先にコスチュームのアイデアはすでにあり、宮参りの時に一度だけ使った子ども用の羽織袴を使うと決めていました。一見立派に見えますが、上下繋がっていてスッポリと着せられるため、子どもも嫌がることなく着てくれました。

この時悩んだのが背景で、1~4カ月でいろいろと自宅にあるネタを使ってしまっていたので、若干のネタ切れ感がありました。そんな中我が家では、子ども用のプレイマットに木目調のものを使っていたので、なんとかそれを使って絵的な違いを出そうと考えました。結果的には面白い表情の背景になったと感じています。

また、この回でどうしても作りたかったのが「初日の出」です。背景に丸く配置されている赤い太陽は、ダイソーで売られているフェルト生地を丸く切り取ったものです。この太陽と羽織袴で結構なインパクトになることを想像していました。加えて、小物には近所の古くからあるおもちゃ屋さんで売られていた小さな凧を、加えて100円均一でお正月飾りを買って使いました。

この回で最も悩んだのは、数字の5をどのように表現するかです。当日は100円均一で紐のようなものを買って使おうと考えていたのですが、赤い太陽や羽織袴の迫力に負けてしまい、画面に締りがない印象になっていました。

そこで考えたのが、偶然おもちゃの凧のパッケージの中に入っていた金色の紙です。もともとそれは小さな四角形に切っておめでたい感じで散らして配置しようと考えていたのですが、試しに並べて数字の5を作ってみたところ他に負けないインパクトになったため、このアイデアを採用しました。

ちなみに、この時息子が持っているでんでん太鼓は2月の撮影で節分をテーマにしようと思い、購入していたものです。季節が違うので若干テーマから逸れてしまっていますが、どこか絵的に寂しい印象があったので、あえて持たせてアクセントにしています。

またこの頃から息子は寝返りができるようになりつつあったため、撮影中コロコロと転がるため、なかなか撮影は大変さを増していくのでした…。

・アルファベットの置物(ダイソー/1個で100円)
・フェルト生地を丸く切った太陽(ダイソー/1個で100円)
・正月飾り(ダイソー/100円)
・凧の飾り(おもちゃ屋/200円)
・子ども用の羽織袴(amazon/約4000円)
・でんでん太鼓(ダイソー/100円)
・子ども用のプレイマット
・みかん

6ヵ月「音楽会」

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6ヵ月の頃は丁度節分の時期でもあったのですが、コスチュームや撮影アイテムをそろえる時間の余裕がなく、ほぼほぼノーアイデアで撮影日を迎えたことを記憶しています。とにかく子育ては慣れないことの連続なので、十分に準備できていることの方が稀でした。

しかしながら、このお昼寝アートを初めて一度はやってみたかった「靴下を音符に見立てて楽譜に見せる」というアイデアだけはあり、この回はそれを最低限のアイテムで実践する!ということにしました。

まず、音符を作るというアイデアだけはあったので、この回のテーマは音楽会、ということにしました。なので、コスチュームもギターがプリントされた日ごろから使っているシャツを着用(かなり分かりにくいですが…)。靴下はいろんな色があると楽しく見えそうですが、いろいろと試してみた結果、やはり多くの色が入りすぎると散漫な印象になるので、パンツも含めてモノクロに統一しています。

モノクロなので背景も白いシーツを使用し、五線譜は100円均一で購入した黒い毛糸を同じ長さにカットして両端をセロハンテープで固定しています。数字は即興アイデアで私の黒いベルトを使用。加えてハーフバースデーであることも記しておきたかったので、ここでは黒い綿棒を使って文字を書いています。

ここまで揃うとまぁ形になるだろうと考えていましたが、いざ撮影しようとするとやはりまだ何かアイデアが足りないと感じ、息子にはおもちゃの木琴バチを持たせて打楽器をたたいている風にしました。セットの木琴を入れてもよかったのですが、色が黄色で計画していた配色からズレるため、あえてバチだけにしています。

最後に自宅ソファに転がっていたアリクイのクッションを息子のお尻の下に入れて、なんとなく動物に乗っかっている風にすると面白い絵になったので、そのアイデアをそのまま採用しています。

この回はわりとアイデアが乏しいままで撮影に臨んだのですが、色数を抑えることやテーマに沿ったアイテムを使うこと、自宅にある物を工夫して使うことなど、それまでに学んだことを心掛けたおかげで、なんとか形になったと感じています。

・五線譜用の毛糸(ダイソー/100円)
・アルファベットの置物(ダイソー/1個で100円)
・靴下
・ベルト
・黒い綿棒
・クッション
・木琴用のバチ

7ヵ月「コックさん」

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6ヵ月同様、この時期は私も妻も忙しく、撮影のためのコスチュームやアイテムを選ぶ時間がなかなか無かったことを記憶しています。テーマも「これだ!」といったものがなく、撮影日ギリギリまでノーアイデアでした。しかしながら、これまでの流れでなんとなく「自宅にあるものをうまく使ってなんとかなるのでは…」という考えになっていました。

どのお宅にもあるものと言えば調理器具です。それらをうまく使えば小さなコックさんのように見えて可愛いのでは?と考え、テーマを「コックさん」にしました。この回に撮影アイテムとして買ったものは、100円均一で売られていた紙ナプキンと、パンやドーナツの形をしたマグネットです。

また、ここでも背景はかなり悩みました。なにせ自宅にあるもので背景として使えるものはほとんど使ってしまっていたため、どうすればこれまで撮った絵と違いが出るかを考えました。そこで利用したのが、リビングにあった大きなカーテンです。まさかこんな用途でこのカーテンを使うことになるとは夢にも思いませんでしたが、シンプルながらユニークな模様が背景としてとてもうまくマッチしました。

7の文字は黒の紙ナプキンを並べ、それを中心に自宅にあるお皿やコップ、パスタやシリアルの瓶を適度に並べました。息子のコスチュームは白シャツですが、バナナやパスタの色に合わせてパンツは黄色をチョイスして配色をまとめています。

最後に、クッキング感、コックさん感を出すためにやったことが、息子にコック帽を被せることです。本当であれば子ども用のコック帽を準備しておきたかったところですがそんな余裕もなかったので、A4の紙をくるくる丸めたものを使いました。超簡易的ながら、写真にしてみるとそれなりのものに見えるのが不思議です。

・紙ナプキン(ダイソー/100円)
・パンやドーナツのマグネット(キャンドゥ/1個で100円)
・カーテン(KEYUCA)
・お皿やコップ
・パスタ瓶
・シリアル瓶
・おたまやフライ返し
・コック帽(A4のOA用紙2枚)

8ヵ月「ハチ」

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子どもはあっという間に大きくなってしまうので、毎回ブランドものの高い服を買うわけにはいきません。とはいえ、量販店で売られているような子どもっぽい服ばかりも着せたくない。特にファッションにこだわりが強い妻はそんな思いがあり、時間があれば子ども用のブランド古着店に訪れていました。

そんな中でたまたま目に入ったのがこの回で使用したみつばちスーツです。価格はなんと800円。これは絶対写真に残してもインパクトが出る!ということで購入しました。この写真撮影以外の用途はありませんが、800円なら安いものです。

またこれを買った時点で写真のメインカラーも黄色に決定しました。みつばちなので、花の周りを飛んでいる姿が似合うだろうと考え、100円均一で黄色い造花をいくつか見繕って買いました。

この回で工夫したのは、造花をそのまま使用せずに花だけを切り取って「8」の数字を作ったところです。もともと緑の茎や葉もついていましたが、それらはまとめて左脇にそっと置き、緑色のアクセントカラーとして使用しました。加えて、自宅にあったピクニック用の黄色い紙皿と茶色いストローでちょうちょを作り、脇に添えました。背景には、これもピクニックなどで使用できる敷物を使っています。

作り方のコツでもお伝えしましたが、やはりインパクトの強いコスチュームがあると、それだけで写真に強みが生まれます。800円という金額で個性的な写真になったので、夫婦ともに大満足しました。

・みつばちスーツ(古着屋/800円)
・黄色い造花(ダイソー/1つ100円)
・ピクニック用の紙皿
・ストロー
・ピクニック用の敷物

9ヵ月「水平さん」

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この月はなんとなく海をモチーフにしたものにしよう、というテーマを考えていました。そこで撮影までに暇を見つけては100円均一ショップを周り、海に関するグッズをいろいろと購入しました。水色ストライプ模様のフラッグや小さなかごが見つかった際、そういえばストライプの寝間着があったと思い出し、それらを合わせることにしました。

また毎回のごとく背景には困っていたので、あらかじめ茶色い模造紙を購入し、砂浜に見立てることにしていました。いつもにも無く、わりと準備万端で臨んだはずだったのですが…

まず背景の模造紙が思ったよりも小さく、息子を乗せると足が見切れてしまう状態でした。これをなんとか解決するためのアイデアとして自宅の押し入れをゴソゴソしながら考えたのが、夏場ベッドに敷くとひんやりする、青いひんやりシートを使うというものです。これが丁度綺麗な青色だったので、海に見立てる形で模造紙に加えて置きました。

あとは数字の「9」をいかにして作るか、です。もともとフラグなど100円均一ショップで買ったもので9の形にすれば良いかと考えていましたが、並べてみるとなんとも貧弱でしっかりと9に見えません。そこで、自宅にあった白いタオルでクルクルと9の字の形を作りました。今見返すどことなくサンゴのような質感にも見えます。

この回はメインカラーをブルーにしつつ、ストライプの柄をアイテムやコスチュームで取り入れることで、画面に統一感が出せたと感じています。

・模造紙(amazon/500円)
・海モチーフのフラッグ(ダイソー/1つ100円)
・碇の飾り(ダイソー/1つ100円)
・貝殻の飾り(ダイソー/1つ100円)
・白いタオル
・ひんやりシート
・ストライプの服

10ヵ月「夏祭り」

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丁度この頃は6月も終わりで、そろそろ夏祭りを迎える頃でした。そこで子ども用の浴衣を妻が購入していたので、それをコスチュームにすることにしました。またそこからアイデアを膨らませるためにいつもの通り100円均一ショップに向かい、いろいろと商品を物色していました。

しかし、ショップでいろんな商品を手に取りながら頭をひねったのですが、祭のうちわ以外にインパクトのあるモチーフが思いつかず、かなり困りました。いつもの通り分かりやすいモチーフをドカンと大きく配置すれば話が早いのですが、そういったモチーフが準備できない場合は特に困ります。

そんな中でイチかバチかで考えたのが、100円均一ショップにあった光沢のある紙テープで花火を作ってみよう、というアイデアでした。今まではわりとアイテムを集める段階で絵が想像できたのですが、この回は「本当にこのアイデアでうまくまとまるのか?」という疑念がありました。なんせ撮影のために裂ける時間は限られています。うまくいかなかったからと言ってまた翌週に撮影となると、夫婦の負担が大きくなってしまいます。

そんな不安の中で始めたこの回の撮影では、まず背景を黒くするために2ヵ月の時に使った黒いスーツカバーで黒背景を作りました。そしてレイアウトはいつものように息子を右に置くことを想定して、左側に紙テープで花火を作ることにしました。

最初はいろんな色で4~5つの花火を作れば綺麗になると考えたのですが、作ってみるとなかなかうまくまとまりません。加えて短く切った紙テープは少しの風でもバラバラになってしまうので、レイアウトにはかなり苦労しました…。そんな中で、まず一番大きな花火を一つ作ってそれを数字の「10」に見立てるアイデアが浮かびました。

この核となるアイデアが出ればあとはひたすら作りこむのみです。息子には横でスタンバってもらいながら、ひたすら紙を切り、セロテープを丸めて紙テープに付けて固定、の繰り返しです。花火の色味はコスチュームの白と黄色、うちわの赤と合うように、その3色だけを使いました。結果的に12ヵ月を通した中で最もアイデアが活きた写真になったと感じています。

・紙テープ(キャンドゥ/100円)
・祭のうちわ(キャンドゥ/100円)
・笑い袋のおもちゃ(キャンドゥ/100円)
・祭モチーフの手ぬぐい(キャンドゥ/100円)
・子ども用の浴衣
・黒いスーツカバー

11ヵ月「リゾート」

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引き続き時期は夏だったこの頃、保育園で夏祭りがありました。そこに着ていく服として購入したのがこの回で使用している上下セットのアロハシャツです。これだけでもインパクトが強いため、テーマもその流れでリゾートに旅行している風、という形にしました。

背景にはいつもの通り、100円均一ショップで買ったフェルト生地を使用。前回の失敗を繰り返さないよう、少し多めに買って敷き詰めています。加えてあとはリゾート風のアイテムをいくつかそろえるだけでこの写真は成立すると、それまでの経験から予測することができました。

サングラス、ハワイアン風の造花、小さなパイナップルの浮き輪に加え、子ども用のクロックス風サンダルもすべて100円均一ショップで買ったものです。あと、バッグは日常的におむつ入れに使用しているもので、タンバリンはもらいもののおもちゃです。

最後に特長を出すために、レイ(南国の首飾り)を100円均一ショップで購入し、それを半分に切って二つ並べて「11」の形を作りました。セット的にはバッチリだったのですが、サングラスをかけることに慣れていなかった息子の機嫌取りがもっとも大変でした…。最終的に80枚以上撮った写真の中でのベストが、少しサングラスを上げて気取っている風な姿をした表情でした。こんな一瞬の表情が撮れるまで粘ることも、このプロジェクトの面白さだと思います。

・アロハシャツ
・サングラス
・首飾り
・タンバリン
・造花
・浮き輪
・サンダル
・バッグ

12ヵ月「バースデイ」

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いよいよ最後の月、12ヵ月目です。この回は前々から、ハッピーバースデーをテーマにしようと考えていました。特にバースデーのための飾りはアマゾンや楽天などのECショップでもセットで販売されているので、それらを取り入れると手軽に高いクオリティを出すことができます。

我が家でもこの写真に使っているものとは別にそうしたセットを購入してお祝いに使ったので、この写真ではそれとは別のアイテムを取り入れた形にしようと考えました。とは言え、そのセットに含まれていた風船でできた数字はとてもインパクトがあるので、そことふわふわの紙の飾りだけ流用しています。しかし含まれていたのは「1」だけだったので、「2」の風船は別に購入して「12」にしました。

そしてHAPPY BIRTHDAYのペナントは毎度のごとく100円均一ショップで調達し、メインのメッセージとして見せることを考えました。またキラキラした星も賑やかしの材料として購入しておきました。

最後にコスチュームですが、フォーマルな印象にすると子どもっぽさとのギャップが出て面白いだろうと考えました。白シャツや黒いパンツはすでにあったので、子ども用で簡単に取り付けられる蝶ネクタイのみ購入しました。

これまで学んだレイアウトや配色の知識を総動員してアイテムを配置してみたところ、何か要素が少ないと感じたのでまた自宅にあったクッションで色味のあるものを加えてバランスを取りました。

毎回のごとく撮影枚数は50枚を超えましたが、この頃ちょうど興味のあるものに対して指をさす「指差し」ができる時期に入っていたので、撮影中もしきりに人差し指をさして「あっ!あっ!」と言い続けていました。そんな中で奇跡的にカメラ目線で人差し指を立てているものがあり、どことなく「1歳になりました!」と言っているような形になりました。

・バースデーのペナント
・数字の風船
・星の飾り
・クッション
・白いシーツ
・子ども用の蝶ネクタイ

さて、ここからが本番です!

こうして自分たちの経験をあらためて文章にまとめてみると、夫婦で創意工夫を重ね、形に残るものを作り遂げられたこと、「楽しかったね」と思い出せることを、とても嬉しく思います。自分たちで始めたことながら良い経験ができたと感じました。

私はデザイナーという職業柄こうしたビジュアル作りは得意とする方だと思います。しかし振り返ると、それでも悩んだことやうまくいかなかったことが沢山あったことから、世の共働きのご夫婦でこうした作品を作ることは、とてもハードルが高いように思います。

そこでこれからお昼寝アートにチャレンジされる方のために、今回紹介した内容をさらに体系立てた形でまとめ、お昼寝アートの参考書となる読み物を作ってみました。具体的な行動ノウハウや心構え、お役立ちリンク集が中心です。ちなみにめちゃくちゃ長いです。10000字あります(笑)。

おそらく、すでにお読みいただいた私たち夫婦の1年間の奮闘記と併せてこの参考書を読んでいただければ、子どもが生まれたばかりの忙しいご夫婦でも一生残る素敵な想い出を形にするヒントが見つかるはずです。大きな流れは以下の6つになります。

1. 失敗しないスケジューリングの方法
2. 難関となるテーマ選定のためのヒント大放出
3. 撮影に使うアイテムをどうやって手配するのか
4. 失敗確立が激減する撮影時の注意事項
5. 最小限の手間で周囲にシェアする方法
6. プロジェクトを成功させるための4つのコツ

1. 失敗しないスケジューリングの方法

1-1. 夫婦で撮影スケジュールを共有して予定を立てておく

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1ヶ月に1度の撮影は、子どもが生まれて毎日が新しいことを覚えなければならない新米パパ・ママにとってはわりと難易度の高いスケジュールです。やれ予防接種だの、やれ保育園見学だのやっていると、あっという間に1ヶ月は過ぎてしまいます。そんな我家では、子どもが生まれて忘れてはならない予定をGoogleカレンダーで共有するようになりました。そこに毎月の撮影日と、撮影のための準備の日を設定しておくようにしました。夫婦個々でスケジュールを管理するよりも、共有していた方が共同作業感が増し、作業が流れずに済みました。
Google カレンダー
Googleカレンダーを特定ユーザーと共有する方法


1-2. 多少撮影が遅れても気にせず予定を立て直す
スケジュールを共有して撮影日の認識をあわせているとは言え、やはり月に一度の撮影が何かしらの影響で遅れることもありました。体調不良、仕事の影響、その他のイベントの影響など、数えればきりがありません。毎月必ず30日置きに子どもの姿を残せると成長の印としては理想的ですが、1週間くらい遅れても「遅れた!もうダメだ!」と思いつめないことも大切です。予定通りに行かないのが子育てというもの。そんなトラブルとも付き合う覚悟で多少の遅れは気にせずに、子どものかわいい姿を残すことを目標にするのが良いと思います。

1-3. とは言えどちらかがプッシュして遅れないようにする
とは言えですが、遅れている撮影を放置し続けるのもよくありません。我が家では私の方がのんびりしていて「多少遅れてもいいでしょ」という感じではあったのですが、そこは妻からの定期的な催促があり、なんとか月一回の撮影スケジュールをキープできました。アイデア出しや準備も含めて、撮影はなにかと大変です。そして1回の撮影が終わったと思えば、あっという間に次の撮影日がやってきます。そんな大変さを一緒に乗り越えてこそ、子どもに一生モノとして残してあげられる写真になるというもの。互いの忙しさを理解しつつ、共通のゴールのために励まし合うのが理想的です。

1-4. 基本はお父さんが主導で進めるのが理想的
子どもが生まれた後、お母さんは子どもの生命を守ること、そして自分の体調の変化に向き合うことに必死です。もちろんお父さんにとっても子育ては未知の領域だったりもしますが、お母さんに比べれば体調の変化を伴わない分、負担は少ないと思います。そういう状況だからこそ、プロジェクトはお父さんがリードすると成功の確率が高くなります。スケジュール計画をはじめ、撮影アイデア、撮影アイテムや機材の準備、撮影後の管理まで一貫してお父さんが担うことが、プロジェクトを成功に導く近道となります。

2. 難関となるテーマ選定のためのヒント大放出

2-1. 明確なメインテーマを一つ決めると意思決定がスムーズになる
明確なテーマとは「ハロウィン」や「海辺のお散歩」など、一言で言い表せる分かりやすい言葉です。このテーマから紐付いてコスチュームやアイテムなどもすべて決まります。やってしまいがちなのが、ネット上にある様々な参考を見て「あれも良いな」「これも良いな」とアイデア盛り盛りにしてしまうことです。最初の1~2枚くらいはそのくらいの緩いルールでもなんとか形になりますが、回を重ねるごとに前回との違いが曖昧になってしまいます。また夫婦で撮影に使う小物を検討する際にもテーマがあればアイデアを出しやすくなります。

2-2. 季節イベントをテーマに盛り込むとアイデアが出しやすい
そんなテーマ決めは、季節イベントを切り口にすると考えやすくなります。月のイベントであれば、1月はお正月、2月は節分、3月はひな祭りなど、アイデアは沢山出てくるのではないでしょうか。もちろん季節のイベントだけでなくアイデアを出しても良いと思いますが、シリーズで1年通して続けるのであれば季節ルールの則った方がラクです。毎回フルパワーであれこれテーマを考えるほどのバイタリティがあれば問題ないですが、この作業以外にもいろんなやるべきことがあるお父さん・お母さんは季節イベントに乗っかるのが良いと思います。よくあるテーマを参考に挙げておきます。

1月 … 餅つき、凧揚げ、初日の出
2月 … 豆まき、バレンタイン
3月 … ひな祭り
4月 … お花見
5月 … 子どもの日、たんごの節句
6月 … 梅雨(あじさい、傘、長靴など)
7月 … 昆虫採集、プール、七夕
8月 … 海水浴、スイカ割り
9月 … 月見、夕焼け
10月 … ハロウィン、運動会、遠足
11月 … 紅葉
12月 … クリスマス、雪合戦

2-3. まず参考を見てみたい方向けのお役立ちリンク集
人が作った参考を見てみないと想像つかない…という方のために、いろんな参考リンクを集めてみました。ここからインスピレーションを受けて、ぜひ素敵な作品を生み出してください。

2-3_a)Instagram

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Instagramにはオリジナリティあふれたお昼寝アートの大作が並んでいます。実は私はこの検索をあまり利用しなかったのですが、こうしてノウハウを文章にまとめている際に「そういえば…」と思って検索してみました。すると、まぁよくこんなアイデア実践できたな!と思える作品がどんどん出てきます。ぜひテーマに迷われた時にはインスタ検索の利用をおススメします。
Instagram「#お昼寝アート」
Instagram「#寝相アート」
Instagram「#おむつアート」

2-3_b)Pinterest

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Pinterestも同じく、参考になる写真が沢山あります。
Pinterest「#お昼寝アート」
Pinterest「#寝相アート」
Pinterest「#おむつアート」

2-3_c)Youtube

他の人がどういった雰囲気で撮影しているのかを見てみたい方には、Youtubeでの動画がおススメです。細かい注意点やポイントまでは学ぶことができませんが、撮影時の空気感や撮影者の動き方など、静止画では分からない雰囲気をつかむことができます。有名なYoutuberのSasaki Asahiさんも生まれて毎月撮影されていたようですが、どれも高いクオリティです。
Youtube「お昼寝アート」

2-3_d)書籍
数冊ですが専門書籍もあります。ネット上の情報は分散しているため、体系立てて学ぶ上では非効率ですが、書籍であればテーマ選定、撮影のコツ、注意点をまとめて勉強できます。
Amazon「おひるねアート撮影術」
Amazon「赤ちゃんのおひるねアート―ママがカメラマン! 可愛い!」
Amazon「おひるねアート」
Amazon「ねぞうアートの本 寝ている間にHAPPY赤ちゃん写真」

2-3_e)イベント等

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どうしても自分で撮影するのは勝手がわからない…という方は、まず撮影イベントに参加してみるという手もあります。このお昼寝アート協会のサイトを見ると、いろんな撮影イベントが紹介されています。ちなみに私も一度、そういったイベントにも参加してみました。すでにセットが組まれていたので手軽ではあったのですが、アイデアを自分で考えて実践する、という醍醐味は薄いように感じました。すべてのイベントがそうだとは思いませんが、撮影のノウハウを得るためには良い機会だと思いますので、そうしたテクニックの勉強のために参加されると良いかもしれません。
お昼寝アート協会

3. 撮影に使うアイテムをどうやって手配するのか

3-1. 家庭にあるアイテムをうまく活用できると楽しさが倍増する

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撮影に使うアイテムをすべてゼロから買い揃えるとなると、お金と手間がかかります。それに加えて、実際に買ったものでもレイアウトしてみると「あれ、なんか違うな…」と感じることもしばしばあります。そうした時には自宅にある物を工夫して使う必要があります。私もキッチンにある調理アイテムを使ったり、子どもが実際に使っている綿棒で文字を書いてみたり、インテリアとして飾っている造花を使ったり、洗濯バサミを5つ組み合わせて星を作ったりと、その場で頭を捻って工夫することが度々ありました。そうした困った時こそ、アイデアを考えることを楽しみながら撮影できると良いと思います。

3-2. 100円均一ショップは季節アイテムが豊富にあるのでフル活用する

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セリア、キャンドゥ、ダイソーなど都内には沢山の100円均一ショップがあります。これらのお店では季節ごとのちょっとした飾りや背景に使える布、造花やアルファベットの置物など、装飾に使えるグッズが豊富に取り揃えられています。これらは意外としっかりと作られているので写真の中でも存在感が出ますし、何より安く済むのが魅力です。撮影時はあれこれとアイテムを置いてみてベストな構図を考えるので、ある程度準備しておくアイテムにも幅が必要になるのですが、100均であれば多めに買ったとしても1000円もかかりません。

3-3. 簡単にインパクトを出せる「コスチューム」は積極的に取り入れる

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写真の中での一番の主役は子どもです。様々なアイテムを取り入れるのも大切ですが、肝心の子どもが可愛く印象的になっているかは非常に大切です。この問題を簡単に解決する方法は、コスチュームをとりいれることです。子どもはすぐに大きくなってしまうので、1回の撮影にしか使わないような服を買うのはもったいない…と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、騙されたと思ってその考えは一度捨ててください。私たちもこの3000円くらいの子ども用のハロウィンのかぼちゃスーツを買うのをためらいましたが、それを着てはしゃぐ可愛い子どもの姿を見るて「買ってよかった…」と心底思いました。また、絵的にもインパクトが出るので写真のクオリティも上がりますし、毎月の写真に違いを出しやすくなるメリットもあります。

3-4. 忙しい人にはお昼寝アート専用キット購入が手っ取り早い

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理想としてはオリジナルなアイデアで考えた写真がとれるとよいのですが、産後は慣れないことの連続で両親ともに余裕が無い状況になります。予測していなかったこともたくさん起こります。そんな中で「お昼寝アートなんて準備している暇ない!」と思われる方はぜひ、発想を転換させてください。オリジナルのアイデアでなくても、一瞬しかない子どもの姿を記念に残せたという事実の方が家族にとっては大切です。簡単にお昼寝アートを実現するために、Amazonをはじめとしたオンラインショップでは専用キットが販売されています。どうしても忙しい方は手っ取り早くこうしたキットを使うのも良いでしょう。
Amazon「寝相アート」での検索結果

4. 失敗確立が激減する撮影時の注意事項

4-1. 撮影前(計画・準備

4-1_a) 自然光がある場所と時間を把握しておくだけで写真の美しさが倍増
撮影する場所にもよりますが、できるだけ自然に明るい光がある状態がきれいな写真になります。多くの方が自宅で撮影されることになると思いますが、蛍光灯の青白い光の下では生生しい印象になりますし、夜にフラッシュを使うと陰影が強くなりすぎてしまいます。できるだけ柔らかく明るい光を取り入れることを考えると、休日の午前中に自然光で撮影するのがベストです。また、撮影者の影が映りこまないかもチェックしておきましょう。

4-1_b) 構図はすべて同じにする!と決めるだけで手間が半減
できるだけ毎回違った構図にすると12枚揃った時にも面白さが出るとは思うのですが、私のように日頃からレイアウトを考えているようなデザイナーであっても、そのバランスを考慮するのには苦労します。それ以外にも考えなければならないことは山ほどあるので「レイアウトは固定」と割り切ってしまうのが良いでしょう。逆に固定することによって子どものサイズの変化が分かり、成長が比較しやすいというメリットもあります。

4-1_c) 背景の色や模様を毎回変えるだけで各写真の個性が引き立つ
写真において最も大きな面積を占めるのは背景です。背景が毎回変わっていると、一目見たときに違う写真であることが認識しやすくなります。ところが写真の面積いっぱいに敷けるものを準備するのは意外と大変で、且つ別のもので代用しずらいので、念入りに計画しておく必要があります。私が使ったのは冬用の毛布、押入れにあった黒いスーツカバー、リビングの大きなカーテン、子どものスペースに敷いていたチャイルドマットなどを使いました。

4-1_d) 配置する際には大きな要素から順に面積を埋める
レイアウトを考えるのに苦労する方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。ここで言えるのはまず、主役になるもの、加えて最も大きな要素になる子どもの配置を一番に決めます。子どもを中央に置いてしまうとその他の要素の面積でメリハリを付けにくくなってしまうので、私の実例のように子どもを左か右のどちらかに寄せるとあとあとのバランスがとりやすくなります。その後、私の場合は子どもが何か月かを毎回数字で表現していたので、子どもの半分くらいのサイズ感で数字を大きく入れ、あとは小さな小物でさみしいところを埋める、という流れでレイアウトを決めました。小物は隙間を埋めるもの!と考えると配置が決めやすくなります。

4-1_e) カメラ操作に自信が無い人は毎回同じカメラ・レンズを使う
最近のスマートフォンのカメラは高性能ですので「絶対に一眼レフじゃなきゃダメ!」ということはありません。街の写真プリントサービスに行って、スマホの写真をプリントしても、結構良い画質で仕上げてもらえます。カメラは何を使っても良いと思いますが、私のようにシリーズで撮影するなら毎回同じカメラ、同じレンズを使うことをおすすめします。もちろん、カメラの操作に慣れた方であれば撮影機材にもこだわってよいと思いますが、ひとたび撮影機材が変わると画角や画質も変わってしまいがちで、それぞれの写真の質も散漫になる恐れがあります。スマホならスマホ、一眼なら一眼と決め、シリーズすべて同じ機材で撮影するようにしましょう。


4-2. 撮影中

4-2_a)他要素を配置してから子どもを配置するとレイアウトしやすい
子どもは撮影中にあちらこちらに動き回ってしまうので、ある程度「子どもがここに入る」と考えながら先に他要素を並べて、ここぞというタイミングで子どもを配置して短時間で撮影を終えるのが理想的です。子どもにとっても慣れない作業は機嫌を損ねがち。機嫌を損ねてしまうとまた上機嫌に戻るのに時間がかかったり、最悪の場合は機嫌が戻らず撮影続行不可能になる場合もあります。子どもは重要なモデルさんとして扱い、ささっと撮影を終えられるように段取りを組んでおく必要があります。

4-2_b)撮影中に音楽をかけると現場のテンションが上がる
ファッション系の撮影現場で音楽をかけて場の空気を盛り上げる工夫を見たことがありますが、お昼寝アートにおいても写真の品質を上げる上でよい効果があります。子どもはさほど音楽の意味は分からないかもしれませんが、音楽に乗って楽しみながら撮影している両親の空気は感じてくれるので、良い笑顔を引き出せる可能性が高くなります。私もハロウィンの時、クリスマスの時などはそれっぽい音楽をかけながら楽しい雰囲気を作りました。その記憶は写真のクオリティと同様に貴重な記憶となります。何より撮影を楽しむことが大切です。

4-3_c)食べ物で子どもの機嫌をとると撮影はスムーズになる
子どもは生まれて数か月は身動きがとれないのでわりとジッとしてくれているのですが、6か月を超えた頃から寝返りができるようになると、撮影中にじっと止まっていてくれません。定位置から動いたり、近くにある小物をぐしゃぐしゃにしてしまったりと、ことごとく撮影の進行を邪魔してきます。そこで使えるのが、食べ物で機嫌をとることです。もぐもぐと口の中で食べ物を噛んでいる間はわりとジッとしてくれますし、機嫌も損ねません。我が家では食べ終えるまで時間のかかる人参の茹でたものや、たまごボーロを活用していました。

4-3_d)要素は動かないように固定すると失敗確立が激減する
ハイハイ期に入るとさらに思惑通りの写真を撮影することは難しくなります。ベストポジションを吟味して並べた様々なアイテムも、子どもの機嫌や興味関心によってぐちゃぐちゃにされてしまうことも珍しくありません。そんなときはセロテープやガムテープで要素を固定してしまうと、ある程度暴れても問題なく撮影を続行することができます。とはいえ、すべての要素を固定するのはそれなりに手間がかかるので、「ここまでなら子どもの手は届かないな」という範囲を見計らって、要素を固定すると効率的です。

4-3_e)撮影者と別の人が子どもの気をひくと進行がスムーズになる
我が家では常に私と妻と子どもの3人体制で撮影を行いましたが、撮影は私、機嫌をとったりおやつをあげたり位置を調整したりするのは妻の役目でした。はっきり言って、これを一人ですべて行うのは至難の業です。できることなら撮影する役割の人とは別にもう一人、アイテムの位置を調整したり、子どもの気を惹いたりする役割の人がいるのが理想的です。おじいちゃん、おばあちゃんが居るご家庭の方は、午前中に撮影、午後はみんなで食事、といった具合に、近親者も巻き込んだ毎月の恒例イベントにするととても楽しいと思います。

4-3_f)ベストショットがあるまで50~100枚は撮る心構えを持つ

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どんなにアイテムや子どものポジションを調整したとしても「これだ!」というベストショットに恵まれるまではかなりの枚数を撮影する必要があります。子どもが目をつむってしまったり、ゴロンと転がってしまったり、目線がずれてしまっていたりと、様々な阻害要因があるからです。私の場合は各写真ごとに、50~100枚くらいはパシャパシャと撮影し続け、後々振り返ってベストといえる写真が3~4枚くらいある、といった具合でした。短い時間で撮影を終えたい気持ちはありつつも、ベストショットがあるまでは粘り続けましょう。

4-3_g)オフショットも押さえておくと振り返った時の楽しさが倍増
わりと忘れがちなのですが、オフショットも大切です。本番の写真が一番重要ではありますが、このお昼寝アートは家族で作業していたこと自体も大切な想い出になります。準備中の様子や撮影が終わってセットをぐちゃぐちゃにしていく様子、休憩中にお菓子をモグモグさせている様子などのカットを押さえておくと、将来見返した時に「この撮影の時とっても苦労したんだよね~」といった具合に、楽しく当時を振り返ることができます。最近はスマホで動画が気軽に撮れるので、本番撮影は一眼レフで作品撮影、オフショットはスマホで静止画と動画撮影、と役割を分けてもよいでしょう。

4-3. 撮影後

4-3_a)データはすぐにバックアップする
当たり前のことではありますが、撮影が終わったらすぐにPCやクラウドにデータを保存しましょう。私の失敗談ですが、ある月の写真を撮影した後、SDカードの中身をカメラのモニタで確認したところまではよかったのですが、その後数日経ってPCから再度確認しようとしたところ、カードが認識できなくなってしまっていました。再度撮影するには撮影アイテムをもう一度集める必要がありますし、貴重な休日の時間を再び使うことにもなります。加えて、子どもはその間も成長しているので、初回撮影時のリアルな子どもの成長を再現することはできません。たまたまスマホで撮影していたデータが残っていて助かりましたが、そんな失敗が無いよう、バックアップ対策は万全にして臨むことをおすすめします。

5. 最小限の手間で周囲にシェアする方法

せっかく撮影した素敵な写真。身近な人に見てもらって反応を得ることで、毎月継続するモチベーションを保つことができます。とはいえ、私はそこまで子どもの写真を大々的に周囲に公開することはなかったのですが、次のようなサービスをうまく使うと効果的ではないかと思います。

5-1)定期的に家族や近親者に共有するならレターがおすすめ

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毎月1枚の写真をカレンダー形式で郵送できるアプリ。デバイスで見るデジタルな体験ではなく、手に取れるカレンダーとして手元に残るのが最大の魅力です。遠方に住む祖父母への共有がベターな使い方で、最小限の労力で効率的に写真を共有できます。12色の基本配色に季節ごとのスタンプを組み合わせることもでき、1通あたり250円~と非常にリーズナブルです。http://lttr.jp/

5-2)SNSで共有するならやっぱりInstagramが手軽でおすすめ

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言わずと知れた写真共有SNSのInstagram。先に挙げたように、お昼寝アートの参考を探すことに加えて、もちろん自分で撮影した写真を公開することにも使えます。ハッシュタグ「#お昼寝アート」を付けて投稿し、いいね!が沢山付けば継続するモチベーションにつながります。
https://www.instagram.com/

5-3)写真をまとめたURLを共有したいなら Google Photos がおすすめ

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無料で利用できる Google の写真共有サービスです。写真をまとめたURLをメッセンジャーなどで送りたい、という時にはGoogle Photos で作ったアルバムをシェアするのが手軽です。URLさえ共有しておけば、そのアルバムに写真を追加して知らせることもできます。また私の場合、撮影した写真はオフショットやNGカットも含めてすべてGoogle Photos にバックアップしていたのですが、なんとアプリが自動で類似写真を組み合わせた簡単なアニメーションを作ってくれていました。こちらもとてもかわいくできるのでシェアしがいがあります。
Google Photos

6. 撮影を成功させるための4つのコツ

6-1)配色は3色でまとめる

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デザインにおける配色の基本ルールには、ベースカラー6割、メインカラー3割、アクセントカラー1割、といったバランスの考え方があります。このルールは写真でも同じで、あれこれと色を増やせば増やすほどまとまりがなくなってしまいます。デザイナーでない方にとっては少し難しいところではありますが、この方針をテーマと一緒に固めておくと、撮影に使うグッズを購入する際にも無駄が少なくなりますし、絵的にもまとまりやすくなります。例えば、細かなアイテムも同じ系統の色でそろえてみたり、子どもの服装も1色強めの色があったら他は無彩色にしてみる、といった工夫。レイアウトしてみて「なんかまとまりがないな」と感じたときには、色数を減らすことを検討してみてください。

6-2)考える順はテーマ→コスチューム→背景→関連アイテム
やりはじめるとアレもやりたい、コレもやりたい、という気持ちになりますが、考える順序を意識するとまとまりやすくなります。まずはテーマ。「10月なのでハロウィンが良いな」と考えたら、次はコスチューム。「ちょうどこの間H&Mで買ったバットマンのパンツとシャツがあるからコウモリにしてみよう」となり、「そうなると背景はやっぱり夜のイメージだから真っ黒にしよう」という流れになります。そこまで決めたらあとは100円均一ショップに行って、月ごとのイベントコーナーで使えそうなアイテムを探す、という形で進めると準備がスムーズです。関連アイテムは特に目移りするほどいろんな商品が並んでいるかと思いますが、先に挙げた全体の配色バランスを意識することを忘れないようにしましょう。

6-3)超大作を目指さない
これが一番大切な話なのですが、お昼寝アートの参考を探せば探すほど、素晴らしい作品、超大作が次から次へと出てきます。そんな素敵な作品を作ってみたい!と思われるのは親の性だと思いますが、実際にやってみると本当にそれがどれだけ大変かが理解できます。私も最初はそんな大作に憧れて撮影を始めましたが、日ごろの生活とのバランス、自分たちに使える限られた時間の中で残せる最善の形は何か?と考えたときに、この「超大作を作る」という方針を捨てて「コンパクトだけどシリーズ感があって12枚並べたときに素敵なもの」を作る戦略に切り替えました。結果的に目標としていた1年の成長を記録することもできましたし、自分たちで試行錯誤した楽しい記憶も残ったので非常に満足しています。

6-4)夫婦で写真を見返す時間を作る
チーム作り的な話になりますが、夫婦でプロジェクトを進める上での何よりの原動力になるのが、撮影した写真について語り合う時間です。「地球上で一番かわいいよね!」という会話から始まり、「次は〇〇みたいな感じにしたい」「今回〇〇を失敗したから次からは〇〇したい」といった会話をする時間を持つことが大切です。だいたいが子どもにメロメロな会話から始まりますが、実はその会話の中から毎回の反省点の洗い出し、次回撮影時への目標を立てることができます。おそらく、こうした「お昼寝アート」のプロジェクトを進められるご夫婦であれば、こんなアドバイスは不要かとは思いますが、ぜひこうした見返す時間を作りながら、作品が完成する過程まで含めて楽しんでいただくのが良いように思います。

最後に

ここまでの長文を、最後までお読みいただいてありがとうございました。もしもここに書いていない内容で「ここはどうするの?」「もっとここを聞いてみたい」という内容があれば、ぜひお気軽にFacebookTwitterなどからご質問ください。分かる限り回答・アドバイスさせていただいて、こちらの有料ノートの内容にさらに追記する形でまとめていきたいと思います。

ここに書いた内容だけがすべてだとは思いませんが、紹介した私の成功・失敗体験から学んだことが、あなたのご家族との想い出作りのお役に立てると嬉しく思います。

最後の最後に、私と一緒にこのプロジェクトを進めてくれた妻と、私と妻の間に生まれてきてくれた息子に心から「あなたたちとチームになれて本当に良かった!」と伝えたいと思います。二人ともありがとう!

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