新野安

あらのいおり。兼業ライター。 C98新刊サクラ大戦評論本発売中。 エロマンガ関係の話題…

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あらのいおり。兼業ライター。 C98新刊サクラ大戦評論本発売中。 エロマンガ関係の話題はツイッター(@iorin_r_18)とブログ(http://aranoyawa.blog.jp/)で書いてます。

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固定された記事

C98新刊『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』告知

【6/21】本書の記事「このLIPSがすごい!」内の記述について、訂正記事を書きました。失礼いたしました。 評論サークル「夜話.zip」の新刊告知記事です!コミケ98はなくな…

新野安
4年前
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ロリマンガが生んだやべえ「何か」。『出会って4光年で合体』

※読み終わっていろいろ溢れてしまい、その勢いで書いたレビューなので、いろいろ粗いと思います。ご容赦ください。 やっと読み切った。疲れた。SNSで話題沸騰中の18禁同…

新野安
10か月前
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なぜ格闘ゲームは簡単なのか?

最近、齢30にして格闘ゲーム(ギルティギアストライブ)に入門しました。で、やってみて意外だったんですが、 格闘ゲームって簡単 です。 いや、私は浅瀬でぱちゃぱちゃ…

新野安
1年前
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2021年映画ベストテン+ワースト

2021年は調子を崩して心療内科のお世話になったりしていたため、映画を観る絶対数が減ってしまった。観たのもリバイバルや名画座が多かった。とはいえ面白い新作は多かった…

新野安
2年前
6

Ξガンダムなんかオマケだ!『閃光のハサウェイ』はここを観ろ!5選

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』はガンダムシリーズの最新作であるからして、当然プロモーションでは新たなガンダム「Ξガンダム」が推されている。また、観た人…

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2年前
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饒舌に空を飛ぶのも「悪くない」 『クロスアンジュ』と露悪の倫理

2014-5年に放映され、決して覇権を取ったとは言えないながらも、マンガ家の種村有菜を始めとする一部の視聴者に熱狂的な支持を受けたカルト美少女ロボットアニメ、『クロス…

新野安
3年前
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2020年映画ベスト10+ワースト1

今年はコロナでいろいろあったが、振り返ってみれば新作も全然充実してたと思う。特にランキングはつけず挙げていきます。 フォードVSフェラーリ 「速さへの渇望」を宗教…

新野安
3年前
5

新サクラ大戦 the Stage全通したので、溢れる愛憎をなぐり書く

『新サクラ大戦 the Stage』、全9公演を全通しました。せっかくなので感想を残したいと思います。 なお私は1-V、新プレイ済のサクラ大戦ファンで、サクラ評論同人誌の編集…

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3年前
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「強いヒロイン」のジレンマ 『ムーラン』アニメ&実写比較

とある事情で『ムーラン』実写版を観ねばならなくなったのだが、ちっちゃいパソコンのディスプレイで、4Kでもないのに、3000円も払わされることが耐え難かったので、少しで…

新野安
3年前
7

もっとザラザラした荒野へ 『レッド』と後期ウィトゲンシュタイン

8/29追記:以下は大して調べ物をせずバッと書いた文章だったのだが(noteではだいたい思いつきをそのまま文章化してます)、書き終わってから山本直樹自身が私的言語と連合…

新野安
3年前
4

ゴジラ対ランボー:『ランボー ラスト・ブラッド』

ランボーシリーズ最新作『ランボー ラスト・ブラッド』を観て気づいたのだが、ランボーとゴジラは似ている。どちらも、戦争のトラウマを背負いながら、戦場の地獄を戦後に…

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3年前
2

ゆで理論の二つの顔〜『キン肉マン』と「バカマンガ」〜

「バカマンガ」と「かしこマンガ」 岡田斗司夫が提唱した、「バカマンガ」というジャンルがある。「バカなマンガ」という意味ではない。 バカマンガっていうのは、強い奴…

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3年前
21

『サクラ大戦』の名台詞、「花見の準備」の元ネタは?

アドベンチャーゲームシリーズ『サクラ大戦』には、シリーズを通じて繰り返し登場する、「定番の選択肢」がある。一番有名なのは、ヒロインの風呂を覗く「体が勝手に……」…

新野安
3年前
5

イデオロギーを超えろ、友情パワー!––『キン肉マン』完璧超人始祖編

最近家にいる時間が増えたので、『キン肉マン』全70巻を一気読みしました。 今更ながらですが、面白かったです。特に、20年以上の中断を経た新シリーズ、完璧超人始祖(パ…

新野安
4年前
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【新サクラ大戦レビュー】また歩き出すための完璧な一歩であり、 今はまだたったの一歩でしかない物語/赤野工作(模範的工作員…

弊サークル夜話.zipでは、幻のC98新刊として、サクラ大戦評論本『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』を刊行しています。 今回は同書の特集「賛否激突!『新サクラ大戦』…

新野安
4年前
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【新サクラ大戦座談会】新サクラ≒スター・ウォーズEP7説

弊サークル夜話.zipでは、幻のC98新刊として、サクラ大戦評論本『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』を刊行しています。 今回は同書の特集「賛否激突!『新サクラ大戦』…

新野安
4年前
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C98新刊『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』告知

C98新刊『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』告知

【6/21】本書の記事「このLIPSがすごい!」内の記述について、訂正記事を書きました。失礼いたしました。

評論サークル「夜話.zip」の新刊告知記事です!コミケ98はなくなったが本は出す!

今回はゲームシリーズ「サクラ大戦」を語り尽くす!『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』!

表紙

表紙イラスト:チバトシロウ
表紙デザイン:日村克美

目次・イントロダクション 年表・華撃団と走った24

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ロリマンガが生んだやべえ「何か」。『出会って4光年で合体』

ロリマンガが生んだやべえ「何か」。『出会って4光年で合体』

※読み終わっていろいろ溢れてしまい、その勢いで書いたレビューなので、いろいろ粗いと思います。ご容赦ください。

やっと読み切った。疲れた。SNSで話題沸騰中の18禁同人作品。
商品説明ページに一切のあらすじ紹介がない。すべてのページが大量の文字で埋め尽くされている。読みやすさ一切拒否の382ページ。
ロリエロが生んだ異形の言語SF。『出会って4光年で合体』。

たぶん、令和の「ろりともだち」として

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なぜ格闘ゲームは簡単なのか?

なぜ格闘ゲームは簡単なのか?

最近、齢30にして格闘ゲーム(ギルティギアストライブ)に入門しました。で、やってみて意外だったんですが、

格闘ゲームって簡単

です。

いや、私は浅瀬でぱちゃぱちゃ遊んでるだけなんですけど、少なくとも「ランクマで勝ったり負けたりして楽しむ」だけならそんなに難しいゲームじゃないと思います。

私のようなゲームド下手クソでも遊べているのが何よりの証拠です。私がどのくらいゲーム下手かというと、友達と

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2021年映画ベストテン+ワースト

2021年映画ベストテン+ワースト

2021年は調子を崩して心療内科のお世話になったりしていたため、映画を観る絶対数が減ってしまった。観たのもリバイバルや名画座が多かった。とはいえ面白い新作は多かった(特にアニメ)ので、ベスト10+ワースト1を挙げていきます。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ今年ぶっちぎりのベスト。とにかくすべての表現が圧倒的に洗練されていて衝撃を受けた。エモいセリフを叫ばなくたってアニメは面白いんですよ。記事

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Ξガンダムなんかオマケだ!『閃光のハサウェイ』はここを観ろ!5選

Ξガンダムなんかオマケだ!『閃光のハサウェイ』はここを観ろ!5選



『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』はガンダムシリーズの最新作であるからして、当然プロモーションでは新たなガンダム「Ξガンダム」が推されている。また、観た人の感想では、メッサー、グスタフ・カール、ペーネロペーといったMSが繰り広げる市街戦が、怪獣映画的なニュアンスを持つ場面として話題になっているようだ。

確かにΞはかっこいい。市街戦も怪獣映画好きにはこたえられない。しかし、あえて言おう、カ

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饒舌に空を飛ぶのも「悪くない」 『クロスアンジュ』と露悪の倫理

饒舌に空を飛ぶのも「悪くない」 『クロスアンジュ』と露悪の倫理

2014-5年に放映され、決して覇権を取ったとは言えないながらも、マンガ家の種村有菜を始めとする一部の視聴者に熱狂的な支持を受けたカルト美少女ロボットアニメ、『クロスアンジュ』。

今作のOP「禁断のレジスタンス」は、主人公・アンジュを演じた水樹奈々による作詞である。今年3月に発売されたBD-BOXのブックレットによれば、彼女はこの歌詞にアンジュというキャラクターを象徴させたという。

私はわりと

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2020年映画ベスト10+ワースト1

2020年映画ベスト10+ワースト1

今年はコロナでいろいろあったが、振り返ってみれば新作も全然充実してたと思う。特にランキングはつけず挙げていきます。

フォードVSフェラーリ

「速さへの渇望」を宗教的な解脱へ着地させるラストに虚をつかれた。そしてその境地についにたどり着けず、地上で生きていくしかない男女の悲哀が泣ける。

TENET

ノーランはアホのくせに利口ぶってる感じが嫌だったのだが(『インターステラー』)、今回はついにア

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新サクラ大戦 the Stage全通したので、溢れる愛憎をなぐり書く

新サクラ大戦 the Stage全通したので、溢れる愛憎をなぐり書く

『新サクラ大戦 the Stage』、全9公演を全通しました。せっかくなので感想を残したいと思います。

なお私は1-V、新プレイ済のサクラ大戦ファンで、サクラ評論同人誌の編集なんかもしてます。が、基本的には2014年からハマった後追いで、リアルタイムで見た舞台は紐育の最終公演のみ。いわゆる2.5次元舞台とかもほとんど見てません。ゲーム版の推しは初穂です。

この舞台、個人的には愛憎半ばの感情を抱

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「強いヒロイン」のジレンマ 『ムーラン』アニメ&実写比較

「強いヒロイン」のジレンマ 『ムーラン』アニメ&実写比較

とある事情で『ムーラン』実写版を観ねばならなくなったのだが、ちっちゃいパソコンのディスプレイで、4Kでもないのに、3000円も払わされることが耐え難かったので、少しでも元を取るためにnoteに感想を残すことにする。

アニメ版『ムーラン』はこう終わる。主人公のムーランは、フン族の侵略から見事皇帝の命を救う。その功績で、皇帝の側近になるように誘われる。彼女はそれを断り、故郷の家に戻る。戦いの中で出会

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もっとザラザラした荒野へ 『レッド』と後期ウィトゲンシュタイン

もっとザラザラした荒野へ 『レッド』と後期ウィトゲンシュタイン

8/29追記:以下は大して調べ物をせずバッと書いた文章だったのだが(noteではだいたい思いつきをそのまま文章化してます)、書き終わってから山本直樹自身が私的言語と連合赤軍を関連づけて語っているインタビューを見つけて(いくらnoteだからってネット検索ぐらいしろ。はいすいません)、あながち的外れでもなかったなとホッとした。

以前『フィルカル』という雑誌で『論理哲学論考』特集があり、関連書籍を紹介

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ゴジラ対ランボー:『ランボー ラスト・ブラッド』

ゴジラ対ランボー:『ランボー ラスト・ブラッド』

ランボーシリーズ最新作『ランボー ラスト・ブラッド』を観て気づいたのだが、ランボーとゴジラは似ている。どちらも、戦争のトラウマを背負いながら、戦場の地獄を戦後に再現する存在だ。

(画像は『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』)

しばしば言われるように、ゴジラは核の恐怖、被曝国としての日本の苦い記憶を象徴した怪獣として見れる。ただ、ゴジラと核の関係には、相反する二つの側面がある。ひとつは

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ゆで理論の二つの顔〜『キン肉マン』と「バカマンガ」〜

ゆで理論の二つの顔〜『キン肉マン』と「バカマンガ」〜

「バカマンガ」と「かしこマンガ」
岡田斗司夫が提唱した、「バカマンガ」というジャンルがある。「バカなマンガ」という意味ではない。

バカマンガっていうのは、強い奴は根性で立ち上がってくるっていうタイプの漫画ですね。かしこマンガっていうのは、勝つ奴には理由があるんだけれども、バカマンガっていうのはただ単に、負けて血塗れで、「フフフ、死んだか」って言うと、「待てや〜!」って起き上がってくるという。(T

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『サクラ大戦』の名台詞、「花見の準備」の元ネタは?

『サクラ大戦』の名台詞、「花見の準備」の元ネタは?

アドベンチャーゲームシリーズ『サクラ大戦』には、シリーズを通じて繰り返し登場する、「定番の選択肢」がある。一番有名なのは、ヒロインの風呂を覗く「体が勝手に……」だろう。二番目が「花見の準備」である。

各作品の第一話で、隊長が一番最初の出撃命令を下すシーン。「○○、出撃せよ!」とかっこよく叫べばいい。だが決まって、しょうもない選択肢が紛れ込んでくる。それが「花見の準備をせよ!」。

(画像は『サク

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イデオロギーを超えろ、友情パワー!––『キン肉マン』完璧超人始祖編

イデオロギーを超えろ、友情パワー!––『キン肉マン』完璧超人始祖編

最近家にいる時間が増えたので、『キン肉マン』全70巻を一気読みしました。

今更ながらですが、面白かったです。特に、20年以上の中断を経た新シリーズ、完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編がすごい。すごいすごいと聞いてはいたが確かにすごかった。あまりにすごくて思いを吐き出したくなったので感想を書きます。

一見さんお断り、でもノスタルジーじゃない
まず、完璧超人始祖編を象徴する画像から。

『キ

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【新サクラ大戦レビュー】また歩き出すための完璧な一歩であり、 今はまだたったの一歩でしかない物語/赤野工作(模範的工作員同志)

【新サクラ大戦レビュー】また歩き出すための完璧な一歩であり、 今はまだたったの一歩でしかない物語/赤野工作(模範的工作員同志)

弊サークル夜話.zipでは、幻のC98新刊として、サクラ大戦評論本『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』を刊行しています。

今回は同書の特集「賛否激突!『新サクラ大戦』クロスレビュー」より、作家・ゲームライターの赤野工作(模範的工作員同志)さんによる、『新サクラ大戦』のレビューを掲載します。

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 私も良い歳になったから流石に泣きまではしなかったが、望月あざみの生年月

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【新サクラ大戦座談会】新サクラ≒スター・ウォーズEP7説

【新サクラ大戦座談会】新サクラ≒スター・ウォーズEP7説

弊サークル夜話.zipでは、幻のC98新刊として、サクラ大戦評論本『〈サクラ大戦の遊び方〉がわかる本』を刊行しています。

今回は同書の特集「賛否激突!『新サクラ大戦』クロスレビュー」より、『新サクラ大戦』の全話レビュー座談会の一部を掲載します。

出席者紹介:

長門裕介(長):倫理学者。早稲田大学 人間科学部 非常勤講師。『フィルカル』『ユリイカ』などにも寄稿。

新野安(新):評論サークル夜

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