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最新戦法の事情【豪華版】(2019年8月・振り飛車編)

どうも、あらきっぺです。

タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋を見ていきましょう。なお、前回の内容は、こちらからどうぞ。

なお、当記事の注意事項については、こちらをご覧くださいませ。


最新戦法の事情 振り飛車編
(2019.7/1~7/31)


調査対象局は91局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。


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◆先手中飛車◆


19局出現。出現率は約21%。7月では最も多く指された振り飛車です。

対する居飛車の作戦は分散傾向にありますが、なんだかんだ言っても後手超速が一番人気(7局)で、中飛車側としてはこれの対策が最優先課題と言えます。


先手は今まで左の銀をどこに配置するかを試行錯誤していたのですが、なかなかしっくり来ない状況が続いていました。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

そういった事情があったので、今までとは全く別の切り口で後手超速に立ち向かう将棋が出現しました。(第1図)


2019.7.5 第32期竜王戦決勝トーナメント ▲久保利明九段VS△藤井聡太七段戦から抜粋。(棋譜はこちら)

ご覧のように先手が▲7五歩と突いたところですが、これが斬新なアイデアです。△7四歩→△7三銀を防ぎながら石田流への組み換えを目指している意味があります。


とはいえ、こんなに早い段階で歩を伸ばしてしまうと、負担になってしまわないかどうかが心配ですね。しかしながら、手が進んでいくと案外そういった展開にはならないのです。(第2図)


例えば、ここで後手が反発するなら△7四歩▲同歩△同銀ですが、この歩を交換してもらえると▲9六歩→▲9七角で石田流の構えを作る手が実行しやすくなるので、悪いことばかりではないのです。


また、類似局としてこのような例もあります。(第3図)

2019.7.22 第13回朝日杯将棋オープン戦一次予選 ▲古森悠太四段VS△村山慈明段七戦(千日手指し直し局)から抜粋。

これも第1図のように▲7五歩を早めに突いた将棋です。今度は5六ではなく、7八に飛車を配置していますね。もう先手は石田流に組むつもりなので、5筋の位に拘る理由はないという考え方です。

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