灰色

昨日借りた映画の内容にも
満たないほど それだけの事
最終電車に乗って向かった
帰り道は必要なかったんだ

曖昧に満足して振り切れないまま
居心地のいい隙間に甘えていた

すれ違う二人 昨日のままで
「大嫌い」嘘でも本当でもあった
生温い風に吹かれながらも
本当の事 知りたかったんだろう

借りていた映画の返却期限
今日はなぜか君は不機嫌
まるで終わりを知っているようだ
鮮明に見えぬこの色のようだ

曖昧に満足して振り切れないのは
素直な感情が怖かっただけかな

確かな事が一つだけあった
言わなかった 言えなかった
最終電車はいつも僕達を置いて行く
忘れてもいい ここに措いて行こう

さよならは言わないでおこう
何も変わらないままで

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