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遊戯王概念学 第1限『"超"シナジー論』【遊戯王Advent Calendar2日目 夜】

はじめに

本記事はリレー投稿企画「遊戯王Advent Calendar2021」によります。
詳細はこちら。

クオリティの高い記事が毎日読めてしまう素晴らしい企画なので「知らなかったよ~🥺」という方はぜひ追いかけてください。すみません。アドカレ、好きです。

自分の前はKleinさんでした。オモロかったです。

それでは1限の授業を始めます。
なお本講義の成績評価はいいねとRTが50%、感想文の提出が50%となるので忘れないように。

ガイダンス

シナジー/Synergy
 コンボなどにおけるカードの効果の相性のこと。
 英語の「synergy(相乗作用/共同作用)」に由来する。
 コンボがカード同士の組み合わせを指すのに対し、シナジーはそれぞれの効果が相互に噛み合うことを指す。

遊戯王カードwiki:シナジー

表題を見てください。「”超”シナジー論」。


Aha?


ということで、まずは「”凡”シナジー」について考えましょう。みなさんがデッキを組む時に気している、アレです。

「これはシナジーがあるから採用だな」
とか。

「うーんこのカード強いんだけどシナジーがないから不採用だな」
とか。

言わずもがな、シナジーはいいデッキを組み上げるのにとても重要です。

しかし逆に、そのシナジーという考え方がデッキの可能性を大きく損ねてしまう場合もあるのです。なぜか?

……

…………


こたえ。

何がどうシナジーしているかなんて、

使ってみるまでわかりません。

これが「明らかにシナジーのあるような組み合わせ」なら良いのですが、
問題は「シナジーがなさそうに見える」カードを不採用とした時です。

考えてみれば
「デッキが構想段階からそのまま組み上がり、しっかり機能した」
なんてケースはそうありません。

しかしあなたは良いデッキを作ろうとするあまり、
採用理由が明確でないカード」を弾きがちではないでしょうか。

こういうカード。

《サンダー・ボルト》や《ハーピィの羽根帚》のようなカードは、ほぼ単体でしか機能し得ず他のカードとの関係が見えづらいため、なんとなく排除されがちです。または単に強すぎるとかね。

しかしシナジーとは「相乗効果」なので、効果という結果はデュエルの中にしか現れません。
実際にはサンボルも羽根も、デッキによってその強さは変わります。
ギミック内のバック割りが充実していてテンポの早いデッキなら羽根帚の評価は下がりますし、ドローソースが豊富でスローテンポかつ攻め札が少なく、単純な打点の処理に困るようならサンボルは強い、というふうに。

これがシナジーでなくて何なのか?

このように、シナジーという概念をロジック以上に結果という側面から捉えてみる試みが「”超”シナジー論」です。

「理由なき採用」を恐れるな

ちまたでは「採用理由」が思慮深いほど評価される傾向にありますね。

しかし先程も述べた通り、そのカードが実戦でどう働くかは使ってみなければわからないものです。

なんとなく採用したカードがバツグンのシナジーを見せたり。自信満々で組み込んだコンボがいつの間にか抜けていたり。

私が今メインで使っているそこそこガチのデッキには《煌々たる逆転の女神》が入っていますが、最初は半分ジョークでした。ハンドレスギミックも特にありません。
しかしなぜか発動できてしまい、なぜかうまく機能しているので抜くに抜けなくなってしまっています。

そういうものなんです。遊戯王は。

話が変わりますが、あなたはデッキ紹介記事をどのように読みますか?
誤解を恐れず言えば、
記事に書いてあることは鵜呑みにしない方がいいです。

そもそもファンデッキというものがコミュニティに依存していることは以前に書きました。読んで。

加えて、オリジナルなデッキの全容をレシピと書ききれるだけの解説だけで理解するなんてことはもう……無理。正しく測るには実際に回してみるしかありません。

構築も同じです。机上で素晴らしいデッキを完成させようと頑張ることはありません。汎用カードだって好きなだけ使って良いんです。

つまり

理由がなくても、よくわからないカードでも、

採用してもいい!

採用してもいい!

誰がための「シナジー」か

ここまで読んで、こう思ったアナタ。

「う~ん言いたいことはわかったけど、それでも羽根帚は積みたくないネ」

わかる。

そのキモチを解明するために、あなたがデッキにどんな「シナジー」を求めているかを言語化してみましょう。

(ファンデッキだと仮定しますが)コミュニティの中で遊ぶようなデッキの第一目的は「楽しむこと」です。

一方、「”超”シナジー」の考察で何度も出てきた
強い・機能する
という言葉。

要するに「シナジー」という概念は本来デッキを強くすること=勝利に従属しているのです。
しかしコミュニティ内において、デッキの強さは必ずしも楽しさにコミットしません。そういった場での楽しさの要因は

  • 感動

  • 驚き

  • 自己表現(オリジナリティ)の達成

  • コミュニケーション

等ですね。これらの比重は場合によって異なります。しかし少なくとも勝利が何より重要だと感じるプレイヤーはコミュニティを出て大会に参加するようになるか、もしくはコミュニティ全体がそういったマクロな秩序に寄っていくでしょう。

これらのことから

先ほど「シナジーがあっても積みたくないカードがある」と考えたなら、あなたが本当に求めているのは「シナジー」そのものではなく、その中の楽しいを構成する様々な要因のいずれかと言えそうですね。

こういった根本を理解したことで、あなたの構築はよりクリアになり、自分のデッキにいっそう自信が持てるようになるかもしれません。

“超”シナジー論 おわり?

……

…………


ところで

散々コミュニティの話をしましたが、一部ファンデッキにおいてもコミュニティを脱さなければいけない事態が来ています。

本当に今冬?

「遊戯王マスターデュエル」がデュエルスペースに次ぐ新たなプレイシーンとなり、あなたのデッキをより広い世界に届けたいと思うなら、

より勝利にコミットするために、今回紹介したシナジーの考え方を活用してみてください。

“超“シナジー論 おわり。

ここまで読んでくれてありがとう。
明日はわっさんさんとG_ROW!さんです! 


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